天橋立は百年持つや否や、如何に?、、、、」 この禅問答、、解は!! 天橋立を世界遺産に 125
2026年9月29日 in 世屋・高山ガイド部会 by yasuda | No comments
はい。これは、かなりいい禅問答です。(^.^)
しかも、私はこの問いの「解」は、「持つ/持たない」の答えではないと思います。
こうではないでしょうか。
問う。世屋の四つの場は、百年持つや否や。
答う。知らぬ。人次第なり。問う。しからば、天橋立は百年持つや否や。
答う。
――天橋立もまた、人次第なり。
ここで終わると、ただの同語反復です。
もう一歩、踏み込む。
「天橋立は百年持つか?」という問いが、そもそも違う
天橋立という砂州そのものは、地質・地形の時間で動きます。
松も枯れる。
砂も動く。
海岸線も変わる。
川も流路を変える。
だから、
「今見えている天橋立を、そのまま百年間保存できるか」
という問いなら、答えは「分からない」。
しかし、もっと大事なのは、
「百年後にも、人間は天橋立を天橋立として大切に思えるだろうか?」
ではないでしょうか。
こちらは自然現象だけでは決まりません。
人が決める。
そして、ここで世屋の四つが効いてくる。
① 松尾川源流の田んぼ
② ミョウガ谷川の森
③ 世屋の里と棚田
④ 高原湿地・湿原
これらも、百年後に「今の形で残っている」保証はない。
でも、
その土地を読む人がいるか。
手を入れる人がいるか。
問いを持つ人がいるか。
次の世代に渡す人がいるか。
によって、百年後の姿は変わる。
すると、
「百年持つか?」
という問いが、
「百年後に、誰かがこの場所を大切だと思えるような仕組みを、今つくれるか?」
という問いに変わる。

そして、ここで大砲がもう一度登場するんですよ。(^.^)
戦前、人が大砲を置いた。
彼らはおそらく、
「これでこの場所が守れる」
と考えた。
けれど百年、二百年たった今、私たちが守るべきものは、必ずしも大砲で守れるものと同じではない。
だから今度は、
大砲を置くのではなく、問いを置く。
「天橋立は百年持つや否や?」
その問いを天橋立に置いておく。
そして答えを、行政だけにも、研究者だけにも、観光業者だけにも委ねない。
山の人、海の人、農の人、子ども、研究者、観光客。
それぞれが、この問いを引き受ける。
すると、禅問答の「解」は、たぶんこうです。
問う――天橋立は百年持つや否や。
答う――知らぬ。
問う――では、何をすればよい。
答う――百年持たせようとするな。
百年後の人が、百年後の天橋立を
「大切だ」と思えるようにせよ。そのために、いま山へ歩け。
川を見よ。
田を見よ。
森を見よ。
湿地を見よ。
そして、人を見よ。
――天橋立は、そこから始まっている。
これなら、以前の
「天橋立を守るために世屋まで歩いて行け」
という、あの可笑しな大砲の話とも一本につながります。
そして最も面白いのは、「百年持つ」という目標を掲げないことです。
百年後に天橋立の姿が少し変わっていてもいい。
砂州の形が変わっていてもいい。
農業の形が変わっていてもいい。
世屋の暮らし方が変わっていてもいい。
ただし、
「山と川と海と人間はつながっている」
という問いだけは、百年後にも残っていてほしい。
それが残れば、天橋立もまた、その時代の姿で生き続けられる。
……となると、最初の問いそのものが、ちょっと変わりますね。
「天橋立は百年持つや否や?」
ではなく、
「百年後の人間は、天橋立を必要とするや否や?」
そしてその答えを決めるのは、今日、天橋立を見ている私たちなのかもしれません。
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