宮津エコツアー · さらに一歩、SSHするなら「変なもの」を探す~10月17日に、京都府生物多様性センター企画ツアーのコースガイド~  天橋立を世界遺産に 134

さらに一歩、SSHするなら「変なもの」を探す~10月17日に、京都府生物多様性センター企画ツアーのコースガイド~  天橋立を世界遺産に 134

【
をします、 「丹後  伊根・上世屋 に 自然、人、生業を訪ねる」がテーマです 、基点は海星公園、伊根は舟屋の里経由野室まで、戻って世屋川を上世屋まで。バス移動になります、移動中のバスからみえるものが大事と思います、ので役柄は、SSHする!!その点からアドバイスくださいな 】
 舟屋の里公園からの伊根湾夕暮れ 写真素材 [ 4148868 ] - フォトライブラリー photolibrary

(↑舟屋の里公園からの伊根湾夕暮れ 写真素材 [ 4148868 ] – フォトライブラリー photolibrary photolibrary.jp)

 おお、これはまさに**「バスをSSHの教室にする」**コースですね。(^.^)

しかもテーマが「自然、人、生業」。海星公園 → 伊根 → 野室 → 世屋川 → 上世屋なら、単なる名所案内ではなく、海から山へ一本の環境・暮らしのつながりを読み解く旅にできます。

私なら、10月17日は「たくさん説明する」より、参加者の頭の中に“問い”を仕込むことを中心にします。

まず、一本の問いを置く

出発時に、こんな問いを渡します。

「海の町・伊根と、山の上・上世屋は、ほんとうに別々の場所でしょうか?」

そして最後に上世屋で、

「今日、海と山がつながっている証拠を、いくつ見つけましたか?」

と返す。

これだけでも、バスから見えるものが全部「教材」になります。


バスの窓を「観察窓」にする

今回のコース、実はすごく面白いです。

海星公園 → 伊根湾 → 野室 → 世屋川沿い → 上世屋

という移動は、

海 → 海と山の境界 → 川 → 山 → 山の暮らし

を一本でたどります。

つまり地図を見せなくても、

「私たちは今、海から山へ移動しています」

というだけで、地形の授業が始まる。

そこで、車内では説明を詰め込まず、

「見つけてください」

を連発するのがいいと思います。

たとえば――

① 海が見えたら

「海を見てください。
では、海だけを見ないでください。
海の後ろに何があるでしょう?」

→ 山。

「では、その山から海まで、何が下っているでしょう?」

→ 川・沢・道路・集落。

ここで、

山 → 川 → 海

という最初の線を引く。


伊根では「舟屋」をゴールにしない

宮津エコツアー · 伊根舟屋の里でガイド研修

(↑ 舟屋の里から雪の高原 宮津エコツアー)

舟屋の説明をして終わると、普通の観光ガイドになります。

ここではむしろ、

「なぜ、ここに人は住んだのでしょう?」

と問いかける。

海がある。
山が迫っている。
平地が少ない。
湾がある。
魚がいる。
舟を使う。
そして家と海が直接つながる。

つまり、

自然条件 → 生業 → 住まい

という順番で見てもらう。

そして、

「この舟屋は、自然を克服して作ったのでしょうか。
それとも、自然に合わせて作ったのでしょうか?」

これ、かなりSSH的です。


野室への道では「人がいないこと」を教材にする

ここ、私はかなり重要だと思います。

伊根の舟屋は「人の営み」が目に入る。

ところが野室へ向かうと、だんだん人の気配が薄くなる。

そこで、

「さっきまで人の暮らしが濃かったのに、今は何が濃くなってきましたか?」

と聞く。

森林。
斜面。
沢。
谷。
植生。

すると、

人がいる/いない

ではなく、

人の暮らしと自然の境界がどう変化しているか

を見るようになる。

これは「自然、人、生業」という今回のテーマにぴったりです。


そして世屋川

ここからが、安田さんの真骨頂でしょう。(^.^)

世屋川を見つけたら、

「この川は、どこから来たでしょう?」

と聞く。

もちろん上世屋のさらに上。

そこで、

「では、私たちは今から、この川を逆上りしていきます」

と言う。

これだけで旅の意味が変わります。

伊根では海から山を見る。
世屋川では川を見ながら山へ入る。

そして最後は、

上世屋=川の源流側

に着く。

つまり、

海から山へ行く旅ではなく、
海から、川を逆流して、山の暮らしまで行く旅

になる。

これは相当強いです。

20220904_130844


バスから見える「変化」を5つだけ拾う

全部説明しようとしない方がいいと思います。

参加者に、

「今日は五つの変化を見つけてください」

と最初に言ってしまう。

例えば、

① 海の見え方

湾 → 外海 → 海が見えなくなる

② 山の距離

遠い山 → 迫る山 → 谷の山

③ 川

海 → 河口 → 川 → 沢

④ 土地利用

舟屋・漁業 → 集落・農地 → 森林

⑤ 人の気配

港 → 集落 → 道路沿いの暮らし → 山の暮らし

そして最後に、

「この五つは別々の話でしょうか?」

と聞く。

ここで参加者自身に、

「いや、全部つながっている」

と気づいてもらう。


さらに一歩、SSHするなら「変なもの」を探す

これ、安田さんらしくて面白いと思います。

車窓に、

  • 石垣
  • 石積み
  • 水路
  • 古い橋
  • 田んぼ
  • 放棄された農地
  • 杉林
  • 雑木林
  • 崩れた斜面
  • 防護柵
  • 堰
  • 小さな社
  • 道路脇の地蔵
  • 変わった地名

などが見えたら、

「あれ、何だと思います?」

で止める。

答えをすぐ言わない。

「分からない。だから調べる。」

これがSSH。


そして「上世屋」に着いたら、答え合わせをしない

ここが大事だと思います。

「今日見たものはこういう意味でした」

と先生が全部まとめてしまうより、

「伊根から上世屋まで来ました。
海から山まで、ずいぶん景色が変わりましたね。
でも、海と山は本当に別々だったでしょうか?」

と問い返す。

そして、

魚 → 人 → 舟 → 湾 → 川 → 田んぼ → 森 → 水

という循環を参加者自身に組み立ててもらう。


そして、最後に「砂」を一粒

これは安田さんのテーマにつなげられます。

上世屋で、

「ここにある土や石は、いつか川を下って海へ行くかもしれません。」

と。

さらに、

「伊根で見た海も、上世屋の山と無関係ではありません。」

ここで初めて、

山 → 川 → 海

を実感させる。

そして天橋立まで知っている人には、

「では、海へ出た土砂は、その後どうなるのでしょう?」

と次の問いを残す。

これで、

上世屋 → 世屋川 → 宮津湾・阿蘇海 → 天橋立

という、安田さんがずっと掘ってきた「山と海」の物語の入口まで持っていけます。

IMG_20260416_122723

ただし、ここでは**「世屋川が天橋立を作った」とは言わない**。
「山から海へ物質が運ばれる」という大きな仕組みを感じてもらうところまでで十分です。


そして、今回のツアーのタイトル、

「丹後 伊根・上世屋に自然、人、生業を訪ねる」

を、私はこう読み替えたいです。

「自然、人、生業を三つ別々に訪ねる」のではない。

むしろ、

自然が人の生業をつくり、
生業が景観をつくり、
人の営みがまた自然を変え、
その結果として今の丹後がある。

それをバスの窓から読み解く。

これなら、安田さんの役割は「伊根や上世屋を詳しく説明するガイド」ではなく、

「参加者が自分で丹後を読み始めるようにするガイド」

になります。

そしてこれ、昨日まで話していたカッパドキアにも直結します。

「岩がすごい」ではなく、
岩 → 水 → 人 → 暮らし → 生業 → 信仰 → 景観

を一つの風景として読む。

10月17日は、その丹後版SSHの実験日にできますね。(^.^)

【②天橋立も里山も、わたしには、「小さな花の歌」なのです、なので,長江の浜も、本庄の浜も、。「小さな花の歌」は流域のソウルソング!!なのです。】

IMG_9643

ああ……そういうことでしたか。(^.^)

天橋立も、世屋の里山も、長江の浜も、本庄の浜も、みんな同じ歌を歌っている。

それが、安田さんのいう「小さな花の歌」なのですね。

浜辺に立てば、砂がある。 山に入れば、土がある。 川をたどれば、水がある。 田んぼには、人が手を入れてきた時間がある。 そして、その一つひとつに、小さな生きものや草花が暮らしている。

一見、別々の景色です。でも、流域という大きなつながりの中で見れば、どれも同じ物語の一節になる。

「小さな花の歌」は、花だけの歌ではない。

山の水も、川の石も、浜の砂も、そこに暮らす人も、みんなが参加する歌。

だから、天橋立の白砂青松も、上世屋の棚田も、長江の浜も、本庄浜も、単独の名所として切り取るのではなく、流域の歌として聴くことができる。

そして、ここが大事だと思うのです。

流域のソウルソングは、誰かが作曲したものではない。長い時間をかけて、自然と人が一緒に歌ってきたもの。

その歌は、いつも同じ旋律ではありません。山の荒れ方も、川の流れも、海岸の姿も、人の営みも変わる。だからこそ、歌い継ぐには、耳を澄ませ、変化を感じ取り、次の世代に手渡す人が必要になる。

10月17日のツアーも、そう考えると、少し違って見えてきます。

img032

伊根の舟屋で、海辺の暮らしの節を聴く。 世屋川をさかのぼり、山の水と田畑の節を聴く。 上世屋で、森や棚田に残る、人と自然の長い掛け合いを聴く。

ガイドは、歌の意味を一方的に解説する人ではなく、参加者がそれぞれの耳で、その歌を聴き始めるきっかけをつくる人なのかもしれません。

そして、安田さんの言葉を借りれば――

天橋立を守ることは、天橋立だけを守ることではない。 その歌が生まれ、今も歌われている流域を大切にすること。

うん。これは、単なる自然観察のテーマを超えていますね。

「小さな花の歌」――流域のソウルソング。

この言葉、10月17日のガイドの心の中に、そっと置いておくとよさそうです。 説明のための標語にするより、参加者と一緒に景色を見ているとき、ふと口をついて出る。そんな言葉として。(^.^)

このページのトップへ