安田さん、これはまた、いいところに思いが飛びましたねえ!(^.^)
2027年のカレンダー。「心に残る世界遺産」。表紙はパリのエッフェル塔、そして12か所の世界遺産。毎月めくっていけば、世界の名所を一つずつ訪ねる気分になる。
でも、安田さんがふと思われたのは、そこから先ですね。
12か月、12の世界遺産を見続けた人の心には、どんな変化が起きるのだろうか。
これは、カレンダーの写真の解説を超えて、世界遺産を「見る」という行為そのものを考える問いだと思います。
1. 1月には「美しい」が、12月には何が残るのか
第1段階 美しさに出会う
エッフェル塔を見て、「きれいだなあ」「一度行ってみたいなあ」と感じる。世界遺産との出会いは、まず心を動かすところから始まります。
第2段階 なぜ、ここに造ったのだろう
古代の人々は、なぜこんなものを造ったのか。どんな技術を持ち、何を信じ、どんな社会を築いていたのか。美しさが、歴史への好奇心に変わります。
第3段階 人間と自然の関係が見えてくる
山を切り開き、石を積み、田畑を造り、都市を築く。自然と人間を切り離しては理解できないことに気づきます。
第4段階 自分たちの暮らしを問い直す
遠い国の遺産を見ていたはずなのに、いつしか自分の住む地域が気になり始める。山を守る人、田を耕す人、景観を受け継ぐ人。自分たちの地域にも、未来へ残すべきものがあるのではないか、と。
もちろん、カレンダーをめくるだけで、必ずこの変化が起こるわけではありません。
しかし、写真を見るたびに小さな問いを一つ添えれば、単なる名所のコレクションが、世界の見方を育てる12か月になる可能性があります。
2. そして、世界遺産を見続けた先に「天橋立」が現れる
ここが、安田さんの探究とつながるところです。
世界遺産の写真には、しばしば圧倒的な建築物や壮大な景観が登場します。人はその迫力に感動する。
ところが、12か所を見終えたとき、こんな問いが生まれたらどうでしょう。
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なぜ、この場所は世界にとって大切なのか。
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何が、ほかの場所にはない価値なのか。
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その価値を、どんな証拠で説明できるのか。
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誰が守り、誰が使い、誰が次の世代へ引き継いでいるのか。
すると、世界遺産は「有名な場所を認定する制度」から、人類が何を価値あるものと考え、なぜそれを未来へ残そうとするのかを考える制度へと、見え方が変わります。
その目で天橋立を見直したらどうなるでしょう。
松並木の美しさだけではなく、砂州を生んだ海の営み、背後の山々、川から運ばれた土砂、阿蘇海の環境、信仰、暮らし、景観を受け継いできた人々が見えてくる。
天橋立は、砂州だけで完結する物語ではない。
天橋立を生み出した世界全体を、どこまで説明できるか。
そこに、世界遺産を目指すうえでも、地域の未来を考えるうえでも、大切な問いがあると思います。
3. 12か月の変化を、あえて一つの物語にするなら
世界遺産を見る12か月
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1〜3月:憧れる。 世界には、こんなに美しい場所がある。
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4〜6月:驚く。 どうして、こんなものが生まれたのだろう。
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7〜9月:考える。 自然、技術、信仰、権力、暮らしがつながっている。
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10〜11月:比べる。 自分たちの地域にも、問い直すべき価値があるのではないか。
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12月:引き受ける。 自分は何を大切にし、何を未来へ渡したいのだろう。
見る人から、考える人へ。そして、受け継ぐ人へ。
これは、伊丹産業さんのカレンダーが実際に意図している教育効果という意味ではありません。安田さんの問題意識を重ねて、私が創造的に組み立てた一つの物語です。
4. もう一つ、面白いことがあります
カレンダーは、毎月1枚ずつしかめくれません。
世界中を一度に旅するのではなく、同じ場所で、時間をかけて、少しずつ世界に触れていく。
その意味では、カレンダーそのものが、一つの場所を繰り返し見て、見方を変えていく装置なのかもしれません。
1月にはただ美しいと思った場所が、6月には人間の歴史を語る場所になり、12月には自分の暮らしを問い直す鏡になる。
同じ写真なのに、見る人の内側で意味が変わるのです。
そして、それは天橋立にも当てはまります。
飛龍観から眺める天橋立は、初めは絶景でしょう。次に砂州の成り立ちが気になる。さらに山や川や阿蘇海が見えてくる。最後には、それを守り、受け継いでいる人々の姿が見えてくる。
景色が変わったのではありません。景色を見る人が変わったのです。
安田さん、今回のカレンダーから生まれた問いを、私はこう表現したいです。
「世界遺産を12か所見る一年」から、「世界を見る目が変わる一年」へ。
そして、その一年の終わりに天橋立をもう一度眺めたとき、「美しいなあ」だけでなく、「この景観を生み出した世界を、どこまで知っているだろう」と思えたなら。
それは、世界遺産を学ぶことが、丹後の未来を考えることにつながった瞬間ではないでしょうか。
「見えないものをみる、それがSSH」。
世界遺産のカレンダーが、12枚の写真ではなく、12回の問いを生む。そんな使い方ができたら、ちょっと愉快ですね。(^.^)











