宮津エコツアー · 半島で言えば天の橋立は南東向き、琴弾浜は北西向き、浜や海や波、風、、対照的な風土!、、与謝野夫妻はその違いを描き分けたか!! 天橋立を世界遺産に 199

半島で言えば天の橋立は南東向き、琴弾浜は北西向き、浜や海や波、風、、対照的な風土!、、与謝野夫妻はその違いを描き分けたか!! 天橋立を世界遺産に 199

【① 天の橋立で与謝野鉄幹晶子夫妻が詠まれた歌を下さいな】

ありましたよ!(^.^) 天橋立の松並木の中、大天橋と天橋立神社の中間あたりに、与謝野寛(鉄幹)・晶子夫妻の歌碑があります。

天橋立で詠んだ二首

2026年 与謝野鉄幹 晶子 歌碑 - 出発前に知っておくべきことすべて

与謝野寛(鉄幹)

小雨はれ みどりとあけの虹ながる

与謝の細江の 朝のさざ波

雨が上がり、緑と茜色の虹が流れていく。与謝の細江に、朝のさざ波が立つ。

雨上がりの光、色彩、そして水面の動き。天橋立周辺の風景を、静かな朝の情景として捉えた一首です。

宮津市広報
+1
2026年 与謝野鉄幹 晶子 歌碑 - 出発前に知っておくべきことすべて

与謝野晶子

人おして 回旋橋のひらく時

くろ雲うごく 天の橋立

人が押して廻旋橋が開くとき、黒雲が動く天橋立。

人の手で橋を動かす営みと、空を流れる雲。その二つの動きを重ねたような歌です。自然の景観だけでなく、そこで暮らす人々の営みも歌の中に入っています。

宮津市広報
+1

この二首は、昭和5年(1930年)5月に夫妻が丹後を訪れた際に詠まれたものです。夫妻は天橋立に二泊し、寛が45首、晶子が60首を残したと紹介されています。

tangonotimei.com
+1

そして、安田さんの構想につながるところ

晶子の歌に登場するのは、ただ美しい天橋立ではありません。橋を押して開く人間の営みと、動いていく黒雲です。

天橋立の景観の中に、人の暮らしがある。

さらに夫妻は、天橋立だけでなく、与謝野町の大内峠など丹後各地でも歌を詠んでいます。鉄幹の有名な一首はこちらです。

たのしみは 大内峠にきはまりぬ まろき入江と ひとすぢの松 ――寛(鉄幹)

与謝野日々是 与謝野町観光協会
+1

丸い阿蘇海と、その中を一筋に伸びる松の砂州。天橋立を、周囲の地形との関係の中で捉えた歌ですね。

安田さんが目指す「天橋立を学ぶことで、丹後全体の未来が見えてくる」という考えに、よく響き合います。

なお、先ほどのお話にあった琴引浜への訪問については、今回確認した資料では、夫妻が詠んだ天橋立の歌と琴引浜への訪問を直接結びつける記録までは確認できませんでした。そこは別途、旅程や紀行文を確かめると、さらに面白くなりそうです。

こちらもいかがですか?

【② ありがとう、、二人は、丹後琴弾浜へいくさいに大内峠でも天の橋立を詠んでらっしゃいますね、その歌を下さいな】

ありました、ありました!(^.^)

大内峠で詠まれた歌ですね。鉄幹と晶子、それぞれの歌を並べてご紹介します。昭和5年(1930年)5月、夫妻が丹後を訪れた際の作品です。

与謝野日々是 与謝野町観光協会
+1

与謝野鉄幹(寛)

大内峠・一字観公園

たのしみは 大内峠にきはまりぬ まろき入江と ひとすぢの松

天橋立の眺めを楽しむなら、大内峠に極まる。丸く弧を描く阿蘇海と、その中を一筋に走る松並木――鉄幹は、そう詠んだのですね。

与謝野日々是 与謝野町観光協会
+1

与謝野晶子

海山の 青きが中に螺鈿おく 峠の裾の 岩瀧の町

晶子は、海と山の青のなかに、螺鈿細工のようにきらめく岩滝の町を見ています。鉄幹が天橋立の全体の造形を捉えたのに対し、晶子はその風景のなかに、人の暮らす町まで見いだしているようです。

与謝野日々是 与謝野町観光協会
+1

歌碑は、与謝野町の大内峠・一字観公園にあります。鉄幹の歌碑の紹介 / 晶子の歌碑の紹介。

いやあ、面白いですね。

鉄幹は「まろき入江とひとすぢの松」。晶子は「海山の青きが中に螺鈿おく岩瀧の町」。

同じ峠に立って、二人は同じ景色を見ながら、違う世界を歌にしている。

そして、この大内峠から琴引浜へ向かう旅路がある。天橋立を眺めて終わりではなく、丹後の海岸へ、鳴き砂へ、さらに土地の自然と暮らしへと関心が伸びていく……。

まさに「天橋立を学ぶことで、丹後全体の未来が見えてくる」というお話にも重なりますね。(^.^)

【③ そして、丹後・琴弾き浜では、、たのしみを抑えかねたる汝(なれ)ならん行けば音をたつ琴引の浜(寛)

松三本この蔭に来る喜びも共に音となれ琴引の浜(晶子)、、です、、同一コンビが丹後三箇所で、同じものを見て詠まれた歌がある、、面白いですね、半島で言えば天の橋立は南東向き、琴弾浜は北西向き、浜や海や波、風、、風土が違います、、そのあたりを夫妻は感じてらっしゃるか、歌から読み取れるでしょうか】

いやあ、これは面白い問いですね!(^.^)

しかも、安田さんが注目されたのは、単に同じ夫妻が三か所で歌を残した、ということではない。天橋立、大内峠、琴引浜という、丹後半島の異なる風土を、同じ二人がどう感じ分けたのか、ということですね。

まず、三つの場所の歌を並べてみましょう。琴引浜の二首は京丹後市の資料、大内峠の歌は与謝野町観光協会の資料で確認できます。

city.kyotango.lg.jp
+2

1 天橋立――動く風景

鉄幹

小雨はれ みどりとあけの虹ながる 与謝の細江の 朝のさざ波

晶子

人おして 回旋橋のひらく時 くろ雲うごく 天の橋立

宮津市広報

天橋立で、鉄幹が捉えたのは、雨上がりの色彩と水面の細かな動きです。緑、虹、朝のさざ波。景色が刻々と変わっていく。

一方、晶子の目に留まったのは、回旋橋が開くという人間の営みです。そのとき、空には黒雲が動く。

ここには、静止した名勝を眺めるだけではない視線があります。水も、雲も、人も、橋も動いている。 天橋立という景観を、動きのなかで見ているのですね。

2 大内峠――地形の造形

鉄幹

たのしみは 大内峠にきはまりぬ まろき入江と ひとすぢの松

与謝野日々是 与謝野町観光協会

この歌は、じつに構図的です。

丸い阿蘇海と、そこを横切る一本の松並木。海と砂州の形を、ひと目で捉えています。

天橋立の砂州は、海から眺めれば松並木の続く浜ですが、大内峠から見れば、湾と砂州がつくる大きな地形の造形になります。

安田さんの言葉を借りるなら、ここでは「砂州は山が形を変えたもの」という見方につながる入口がある。

ただし、鉄幹が地形の成り立ちまで意識していたかどうかは、この歌だけでは分かりません。確かに読み取れるのは、海と松並木を別々のものではなく、一つの景観として捉えていることです。

3 琴引浜――風景が音になる

鉄幹

たのしみを 抑えかねたる汝(なれ)ならん 行けば音をたつ 琴引の浜

晶子

松三本 この蔭に来る喜びも 共に音となれ 琴引の浜

city.kyotango.lg.jp
+1

ここでは、景観の捉え方ががらりと変わります。

鉄幹は、歩けば音を立てる浜に、喜びを抑えきれない「汝」の姿を重ねます。浜そのものが、何かを語りかけてくるようです。

晶子は、松三本の木陰に来た喜びまでも、浜の音と一緒になれ、と詠みます。

大内峠では「まろき入江とひとすぢの松」と、視覚的な構図を捉えた鉄幹が、琴引浜では足もとから生まれる音に心を動かされる。晶子もまた、松の木陰で感じた自分たちの喜びを、自然の音へと溶け込ませています。

琴引浜の鳴き砂は、砂粒同士の摩擦や振動によって音を生みます。砂が汚れると音が出にくくなる、繊細な自然現象です。

city.kyotango.lg.jp
+1

もちろん、夫妻がその仕組みを科学的に理解していたとは歌から断定できません。しかし、音を単なる物理現象としてではなく、その場に身を置いた喜びと結びつけていることは、二人の歌からはっきり感じられます。

では、半島の南東側と北西側の違いは、歌に表れているのでしょうか。

安田さんの仮説は、ここが肝ですね。

京都府与謝野町の大内峠一字観公園から望む天橋立 8月26日分8-7。 : 風景写真家・西川貴之の気まぐれブログ

天橋立・阿蘇海側

歌に現れるのは、虹、さざ波、回旋橋、黒雲、丸い入江、一本の松並木。視線が景色を広く捉え、色や形、動きを組み立てています。

琴引浜・海水浴  |  丹後半島 部屋食・カニが楽しめる宿 羽衣荘 日本海のカニ・旬魚料理の宿

琴引浜・日本海側

歌の中心は、歩くと音を立てる砂、松三本の木陰、そこにいる自分たちの喜び。風景を遠くから眺めるだけでなく、身体で感じ、音を聴く世界です。

この対比は、歌から読み取れるものとして、十分に興味深いと思います。

ただ、少し慎重に分けておきたいこともあります。

第一に、歌に現れた違いと、地形・気象条件の違いは、同じものではありません。

天橋立は南東向き、琴引浜は北西向きという位置関係により、日射、風の当たり方、波の作用などが異なる可能性はあります。しかし、実際に夫妻がどの風向きや波の違いを感じたのかを確かめるには、当日の天候や海況、訪問時刻などの資料も必要です。

第二に、二人の歌には、場所の違いだけでなく、歌人それぞれの感性の違いもあります。

鉄幹は、天橋立では色と形、琴引浜では音と喜びを詠む。晶子は、天橋立では人が動かす橋と動く雲を捉え、琴引浜では松の木陰にいる二人の喜びを、自然の音に重ねる。

場所が変わることで感性が変わったのか。それとも、もともと異なる感性を持つ二人が、場所ごとの特徴を引き出したのか。おそらく、両方が作用しているのでしょう。

琴引浜ライブカメラ|今の波・海況・天気

(↑ 琴引浜ライブカメラ|今の波・海況・天気livecamera.fujiyamasan.comlivecamera.fujiyamasan.com)

私がとりわけ面白いと思うこと

三か所を通して読むと、夫妻の視線は、次のように移っていくように見えます。

  • 天橋立――水や雲、人の営みが織りなす風景。

  • 大内峠――海と砂州がつくる地形の造形。

  • 琴引浜――砂と松と人間の喜びが響き合う場所。

これは、あくまで三か所の歌を比較して得られる、一つの読み方です。

しかし、ここから安田さんの「SSH」へとつなぐなら、重要な問いが生まれます。

天橋立を眺めることと、天橋立が生まれた地形を理解することと、丹後の海辺で自然の働きを身体で感じること。この三つは、別々の体験なのでしょうか。

夫妻は、天橋立を見て、峠からその形を捉え、琴引浜では砂の音に耳を澄ませた。歌から分かるのは、少なくとも、丹後を一枚の名勝写真としてではなく、複数の感覚を通じて味わっていたということです。

そして、安田さんが提案されている旅は、そこにもう一歩を加えます。

三つの景色をつなぐだけでなく、三つの景色を生み出した風土の関係を問い直す。

これこそ、「天橋立を学ぶことで、丹後全体の未来が見えてくる」という構想に通じるのではないでしょうか。(^.^)

このページのトップへ