「打つ田にも ひえはしあまた ありといへど 択(え)らえし我そ 夜ひとり寝る」 (万葉集人麻呂歌集・巻11・2476)
たくさんあるヒエから選りすぐったといっておいて、ほっとくのはどういうことよ!と突っ込む女性(`ヘ´)
すまん、すまん、忙しかったんだ、今夜いくよ(^.^) そんなやり取りが目に浮かびます。
さて、そのヒエ。
今は、稗という漢字を当てます。「禾」イネ科植物ではあるが、「卑」身分が低いものの食べるもの、と。
ただし、『日本書紀』に、ヒエは、保食神(うけもちのかみ)の目から生まれた、といい、五穀の一つだったのです。
「貧乏人はムギを食え」といった政治家いましたが、稗の字のあまりにも生々しい差別感に少し引いてしまいますね、「比要」と標記した万葉仮名のままでいいのではないでしょうか!
(↑ 8/12 京丹後市)
穂が出る前は酷似してはいますが、茎の節に葉舌のあるのがイネ、ないのがヒエ、そこを目安に草取りをしたのだそうです。