宮津エコツアー · 8月 2019

8月 2019

萎凋 なんと読みますか?と恥ずかしながら、尋ねました!

(イチョウ) はぁ!

い‐ちょう ヰテウ【萎凋】. 〘名〙. ① しぼんで衰えること。 ② 草木の水分が不足してしおれること。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 … しぼ・む【▽萎む/×凋む】[動マ五(四)] 1 草花などが生気をなくしてしおれたり縮んだりする。「花が―・む」 2 いっぱいにふくらんでいたものが張りを失い、縮む。「風船が―・む」 3 好ましいものへの期待で大きくふくらんでいたものが、勢いを失って小さくなる。「気持ちが―・む」「夢が―・む」 デジタル大辞泉 それじゃあ「萎凋病・いちょうびょう」というのは?

ええ、「病徴は根や茎の地ぎわの導管の部分に病原菌が繁殖し,水分の上昇が妨げられ地上部がしおれてついに枯死する、そういう植物の病気の一種です」 IMG_9186

つまり、なら枯れというのは、 「ぶなかじゅもくいちょうびょう・ブナ科樹木萎凋病」

かしながきくいむしによって運ばれた病原菌が道管から樹細胞内に侵入し水分通導を停止させるというもので、とくに枯死被害が大きい樹種はミズナラとコナラ、なかでも、ミズナラとりわけ直径10cm以上が枯死しやすい。繁殖効率が良いためたくさん羽化し、それが翌年の被害拡大につながっていくというわけです。 IMG_9187

ちなみに、「昔の薪炭林は20年前後の若齢林のため,カシノナガキクイムシの繁殖は,ほとんど見られませんでした。」と神戸大学 森林資源学研究室 黒田慶子さん。 このナラ枯れが、林道成相線一帯で広がっています。 IMG_9203

いぜんにもこういう状態が起きたことを記憶していますが、それは、四十年ほど前の事だったように思います。大径木のミズナラが無くなる!といっても、幼木が枯れる訳ではないので、また再生してくるといいますが、あまり気持ちのいいものではありません。 IMG_9204

これについての対策は?

「森林病害虫等防除法」という法律があるそうです。 「農林水産大臣は、高度公益機能森林又は被害拡大防止森林につき、第一項第一号の規定による命令(松くい虫等が付着している樹木の伐倒及び薬剤による防除に係るものに限る。)又は前項の規定による命令をするに際し、又は命令をした後において、特定原因病害虫により当該特定森林に発生している被害の状況からみて、これらの命令のみによつては早期に、かつ、徹底的に、松くい虫等を駆除し、又はそのまん延を防止する目的を達することができないと認めるときは、その必要の限度において、これらの命令の区域及び期間の範囲内で区域及び期間を定め、当該特定森林を所有し、又は管理する者に対し、松くい虫等が付着しているおそれがある樹木(枯死しているものに限る。)の伐倒及び薬剤による防除(以下「補完伐倒駆除」という。)を命ずることができる。」 ということで、ひたすら駆除防除が対策と言うことのようです。

それにしても、カシナガキクイムシはなぜナラの木をいじめるのでしょう。

「はた迷惑なだけでなく、木を枯らしてしまったら自分たちも困るのではないですか」と質問したら、

「 成虫、幼虫ともに木の中にすんでいて、菌をエサにしています。メスは背中に菌を貯蔵していて、菌はエサになるもののほか、木を枯らす原因の菌が含まれています。」という回答。
住処であること、キノコ食であること、いじめる気があるのかどうかはわからないが、背中に貯蔵している菌の中に無害のモノと有害のモノとがあるということなんです。

緑の山肌に増えていく「茶褐色のひろがり」を眺めながら、
遺伝子レベルで木を枯らす原因の菌を持たないかしながをつくり放つことも対策の一つになるのかなぁと思っていると、後ろに人の気配。

そして、おっしゃるのです

「森の世界にはな、
何一つ無駄がないんじゃ
植物も 動物も 微生物も
みんな つらなっている
一生懸命生きているんだ」
は? 何一つむだがない!

「メスは背中に菌を貯蔵していて、その菌の中にはかしながのエサになるもののほか、ブナ科の木を枯らす原因の菌も含まれている」というところだよ!

どういうことですか?
「一種の生きものが
森を支配することの
ないように
調和の世界が保たれるように

神様はさまざまな仕掛けをもうけられている」

ということは、ミズナラキラー菌も神様の仕掛けの一つ、ミズナラという種を守るために人が手を出しミズナラキラー菌をなくす、そういうのはいけないことだとおっしゃるのですか?

森には
美もあり 愛もある
はげしい闘いもある
だが
ウソがない

、、、、もしかして、その人はどろ亀さんだったのかもしれません。

 

つゆ草です、

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いいえ、蛍です!

いえいえ、トンボの顔だよ

ほらほら、帽子に似てないかい!

花びらの青が素敵だわ、、

花の名は一つだけとおもうことなかれ、それはあくまで、標準和名。

視点を変えて表した味のある名前をいくつも持っています、それを調べるのは意外に楽しいものです。ツユクサのばあいも、螢草とか、青花とか、とんぼ草とか、万葉集では、つき草とも。

俳人はそのあたりの違いを知って、句でも使い分けていらっしゃるようです。
■■■きそひ摘む子や今朝の秋       佐野青陽人
○○○摘む朝の光を摘むごとく     大串章
飛ぶとんぼ仰ぎ見るかに△△△    西山美枝子

▲▲▲咲けばとて雨ふるふるさとは 種田山頭火

朝咲き夕は消ぬる□□□の消ぬべき戀も吾れはするかも(巻10 2291)

上の作品で省略した部分には、螢草→、青花→、とんぼ草→ ツユクサ→つき草の順に使われています。

さて、この花、いわゆるツユクサは、いろいろ楽しめるその見かけとは異なり、生存のために持つしたたかさは相当なものと言うことです。

『目からウロコの自然観察』(唐沢孝一 著 中公新書)によると、、、

①一日花であるため、虫による受粉が出来ないときに備え自家受粉できること

②雄しべを三種類準備しておびき寄せること

③花弁の青を背景にして雄しべの先端の花粉の黄色が目立つように工夫していること

④花びらが三枚なのに、一枚は半透明で見えないこと

⑤蜜を作らず、製造に必要なエネルギーを節約していること

など。

しってかしらずか、ヒラタアブがおとずれました。

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ハチとクモ。

コピー (1) ~ IMG_8835

ハチにとらえられたクモというか、クモをとらえたハチ というか、、、、

このハチはオオモンクロベッコウ 、クモはアシダカグモというものだそうです。

このハチについては、

◆クモバチ科のオオモンクロクモバチという種類。クモバチは以前はベッコウバチと呼ばれていたグループ<<<<<<<<
という向きもあるようです、しかし、広く認知されているかどうかはわからないので、 ここでは「 オオモンクロベッコウ」 としておきましょう!

なぜ「クモバチ」と言われるのか、教育番組のシナリオ風にたどってみますね。

○かっこいいねぇ  黒騎士みたいで!
○クロにオレンジの腹巻きもきまっている、雄にも雌にもあるのかしら!
◆単独性カリバチの主要なグループには、ベッコウバチ科(既知種の概数は世界で4000種、日本で100種)、ドロバチ科(世界で3000種、日本で50種)、アナバチ科(世界で7700種、日本で300種)がある。
カリハチってなんなの?
狩りをすると言う意味だよ、
自分が食べるの?
◆「狩り」は、ハチの雌成虫が自分の子供(幼虫)のための動物性食物を調達するときの行動である。「狩り」と表現するのは、幼虫を育てるため小部屋(育房)をもつ構造物(巣)を設け、毒針によって麻痺させた餌をそこへ持ち運ぶという行動を伴うからである。つまり、これらのハチの雌は、1つの卵を産むためにそのつど「狩り」と「巣作り」という仕事を全部自分でこなさなければならない。単独性と呼ぶゆえんであり、1子あたりの保護投資のきわめて大きい、昆虫としてはもっとも少産のグループである。

◆ 狩りの対象となる餌は、ベッコウバチならクモ、ドロバチならチョウ目の幼虫(一部の種はハムシ幼虫)、アナバチなら種によってクモやさまざまな昆虫(科全体では対象は16目に及ぶ)と決まっており、、、、、

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捕らえれたクモは大きいのは、そこそこ大きいものでないと幼虫を育てることができない
というわけかぁ
で、このクモをとるといっても、網を張るクモをねらっても逆に餌食になる可能性大。
なぜこのクモは、みすみすハチの餌食になったの?

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◆  クモ
半数は巣を張りません。 造網性に対して、徘徊性と呼んでいます。 徘徊性の蜘蛛は、 文字通り歩きながら獲物を探します。 徘徊性も2種類に分類されます。 二爪類:足の爪が2つの種類で、ずっと徘徊性の種類 (アシダカグモ・ハエトリグモ)
徘徊性も2種類に分類されます。
二爪類:足の爪が2つの種類で、ずっと徘徊性の種類
(アシダカグモ・ハエトリグモ)
三爪類:足の爪が3つの種類で、以前は造網性でしたが、徘徊性になったものです。

◆日本には千種を越えるクモがいるそうですが、そのうち400種ほどは徘徊性だそうです。

網を張らないクモ!

◆「うわお!
そうだったんですか。
蜘蛛はほとんどの種が巣を張ると思ってましたよ。」

◆ 1つの卵を産むためにそのつど「狩り」と「巣作り」という仕事を全部自分でこなさなければならない。単独性と呼ぶゆえんであり、1子あたりの保護投資のきわめて大きい

◆カリバチは、「狩り」をするという行動的特徴によってつけられたグループ名なので、分類学的なまとまりとは対応しない。ふつう、アリとハナバチを除く有剣類をカリバチと呼び、スズメバチとアシナガバチを社会性カリバチ、それ以外を単独性カリバチと称する。

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なるほどベッコウバチは、木枯らし紋次郎か、寅さんみたいなたいぷなんだ!

きつねのかみそり!

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(しろうとやろうめ、キツネノタイマツというんじゃ、葉見ず花見ずの植物で、カミソリの刃にに見立てられたのは、春に出る葉のほうでな、昔の人はな林の中で咲くオレンジの花に狐火をみて、キツネノタイマツと呼んだんじゃ!)

キツネノカミソリ!

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(ちょっとまて、「おおきつねのかみそり」かもしれんぞ、鼻毛の飛び出しかた、それが異常だったらおおきつねのかみそり!鼻毛とは雄しべのこと。おおきつねのかみそりだっら、京都府の要注目種、どうかね、鼻毛の伸びかたは!)

明田の清水付近に咲いていました。路肩の草刈りが盆前に定期的に行われることによって笹やススキなどが刈り払われて、遷移がとまり、生育環境が作られていたということです。

下のは、中国山地のとあるお社の境内に咲いていたもので、いわゆる「キツネノカミソリ」。

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雌しべは突出していますが、雄しべは花の中に収まっています

さて、キツネノカミソリは地獄花!

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この植物を「オオシ」と呼ぶ宮崎県には、球根をあく抜きし、有毒成分を洗い流して、でんぷんだけを取り出して食べる技が伝えられているということです。

、、、、、、、

▼ 京都新聞 丹波・丹後版 令和元年8月2日付け

20190802京都・縦貫林道冊子発刊

▼ 毎日新聞 丹後中丹版 令和元年8月5日付け

20190805毎日・出版記念会

発刊のご挨拶
img070.林道
再全通に当たって、沿線自然ガイドのパンフレットをというお話をガイドの会にいただいたのが2017年でした。
歩く人が多くなればそこに道ができる、、、ということですけれども、逆もあり得ます。
再び閉ざされることのないように、なにができるのだろうか。
その時に浮かんだのは、「ストーリーを持っての周辺との連携」ということばでした、

跡見女学園大学の安島先生が、宮津市の観光を俯瞰するというタイトルで、指摘されていたことのなかで、使ってらっしゃいました。

地域間の連携!これ当たり前
もう一つ言葉が加わっています、
ものがたりのある連携、ストーリーのあるつながり!
これがキーワードじゃないか、丹後は一つです、とおっしゃり続けたのは、伊根の向井酒造のおかみさん、20サミットの晩餐会オフィシャルドリンクとして世界をも一つになさいました、そんなことはできないけれど、おや指の先くらいですがそのスケールの、丹後のエリアを一つにするものがたりを持つ力のあるのがこの林道だと、、この冊子は、こう考えた末の試みと理解して頂いたら嬉しいと思っています。

編集に著作の提供、寄稿、写真、情報提供いただいた皆さん心から感謝申し上げます。中でも、こん思いに重なる詩がありました。あんのみつまさ様、田園まさにあれなんとす、母なる川へ、扉にあるのがその詩です。著作権使用のお伺いをだしたら変事が返ってきました、
いらねえよ、生かしてくれ、そんな応援に支えられたということもご紹介させてもらいます。

風雨にさらされる自然の道は当然ながら、崩れます。けれども、命と命の間に通ったものがたりの息づく道は、時空を越えて存在し続けると思います。
そういう存在になるように、「ものがたり」とつけました。

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丹後半島の中で地域と地域、人と人、人と自然を結んでいた 「ものがたり」が蘇り、また新たなものがたりが紡ぎ出される時間が動き出すことを願っています。