宮津エコツアー · yasuda

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秋の深まりは同時に受験シーズンの到来!

受け入れる大学でも、入試問題作成委員会が智恵を絞って待ってらっしゃるのでしょう。さて、敵を知知れば知れば百戦危うからず!

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地理に関して、今秋開催されたフォーラムを報じた記事をベースに想定問題を作ってみました!

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「森(  )海を結ぶフォーラム」
■■■の田んぼで6日、△△内外から集まった自然愛好家や研究者らが、稲を刈って( ① )にする「はせがけ」を体験した。地元の農家が稲の(  )や鎌の使い方を丁寧に指導した。

自然保護団体などが集って学び合う「森( ② )海を結ぶフォーラム」に参加した約30人が地元住民らと一緒に作業した。稲は、地元の「ふるさと創生大学」が( ③ )の生息する約50平方メートルの水田で育てた。

参加者は古くから伝わる方法で( ④ )のつるで結んだ木に、次々とかけていった。
( ⑤ )で、海づたいに来て合流した・・・さん(18)は「稲刈りで腰が痛くなったが、みんなで作業するのは楽しい」と精を出していた。

米は半月ほど乾燥させた後、参加者に送られるという。フォーラム代表の京都大名誉教授は参加者に「西洋の( ④ )の文明よりアジアの( ⑦ )の文明の方が循環、持続性がある。それは( ⑧ )でつながっている」と説いた。

フォーラムの参加者は5、6日、■■■にある鍾乳洞を見学し、郷土芸能や郷土( ⑨ )料理を堪能した。シンポジウムでは、(10)の生息する池を保護したり、☆☆の海の特殊性を指摘したりと、それぞれの体験や研究内容を発表した。最後に、生命系の回復と維持に努め、( 11 )の営みに畏敬(いけい)と尊敬を持ち続ける宣言をした。(・・・)

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ある地域で行われた環境フォーラムを報じた新聞記事について、後の二つの問いに答えなさい。

問題1 (1~11)の省かれている言葉を、下記の言葉で埋めて、文章を再生しなさい
循環、持続性 カヌー モリアオガエル 稲作、漁労  天日干し 里 束ね方 くず 自然 畑作、牧畜 水 ホタル
問題2 、■■■は、開催地です。三つから選んでください。
岩手県住田町 宮津市上世屋  京丹後市大宮町

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該当記事

岩手県住田町の田んぼで6日、県内外から集まった自然愛好家や研究者らが、稲を刈って天日干しにする「はせがけ」を体験した。地元の農家が稲の束ね方や鎌の使い方を丁寧に指導した。

モリアオガエルが生息する田で稲刈りをするフォーラムの参加者=2024年10月6日午前10時23分、岩手県住田町、東野真和撮影

自然保護団体などが集って学び合う「森里海を結ぶフォーラム」に参加した約30人が地元住民らと一緒に作業した。稲は、地元の「ふるさと創生大学」がモリアオガエルの生息する約50平方メートルの水田で育てた。

参加者は古くから伝わる方法でくずのつるで結んだ木に、次々とかけていった。三重県尾鷲市から参加した吉田諭右さん(18)はカヌーで宮城県から海づたいに来て合流した。「稲刈りで腰が痛くなったが、みんなで作業するのは楽しい」と精を出していた。

米は半月ほど乾燥させた後、参加者に送られるという。フォーラム代表の田中克・京都大名誉教授は参加者に「西洋の畑作、牧畜の文明よりアジアの稲作、漁労の文明の方が循環、持続性がある。それは水でつながっている」と説いた。

フォーラムの参加者は5、6日、住田町にある鍾乳洞「滝観洞」を見学し、郷土芸能や郷土料理を堪能した。シンポジウムでは、ホタルの生息する池を保護したり、三陸の海の特殊性を指摘したりと、それぞれの体験や研究内容を発表した。最後に、生命系の回復と維持に努め、自然の営みに畏敬(いけい)と尊敬を持ち続ける宣言をした。(東野真和)

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「住田町は、岩手県東南部に位置する気仙郡の町。 豊富な森林資源と木材加工施設が整備されていることから「森林・林業日本一の町」を目指している。 住田町は、岩手県の東南部、北上高地の南部にあり、盛岡市から約90 kmの位置にある。 海には接しておらず、東に釜石市、南東に大船渡市、南に陸前高田市、南西に一関市、西に奥州市、北に遠野市が隣接する。 古生代の堆積岩と、中生代の火成岩からなっており、約80%が堆積岩で占められている。」ウィキペディア

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一昨年、共通一次地理選択Aでは「宮津市上世屋」と思しき出題がされました、住田町、、、環境フォーラム、なんだか妖しい匂いがしますよ

ウラニシは冬の走り。

20241006_152129冬が来ましたぞ渡来人常吉からカヤへ

手前の平野は奥大野。チンダル現象の光のシャワーを浴びているのは、イサナゴ山。常吉の峠を越えれば、その向こうにカヤダニ平野。

さて時代を遡ること、古代初世紀のころ。奥大野から常吉、そして加悦へ続くこの山沿いは、鉄を携え、丹後海岸に上陸した渡来の民が、丹波、山城、奈良へと続く旅のコースだったと言われます。卑弥呼は九州でもなく大和でもなく山陰にいた!そういわれる所以です。

このチンダル現象をみていたら、そのヒミコは卑弥呼でなく、日の神子だ、彼女はこの光の中から産まれたのだ、、、

そう思いつくと、止まらない!

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この彼岸花も、彼女彼らが、稲、米作り、その道具の鉄とともに携えてきたもの、

この赤こそ太陽の色。なら、彼岸花、マンジュシャゲ、スパイダーリリーなどの呼称よりも、ずばり『サンフラワー』、、、。

なんとも怪しげな古代ロマンに時を忘れました。

 

 

網野駅近くで、上り・下りとも11時26分発のKTRの列車を待ちました

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まず、下り。20分45秒に通橋。

20241005_112045上りを待っている間にアングルを決めます。

踏切が鳴りはじめて、28分07秒。20241005_1128

28分08秒

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28分10秒

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28分17秒、次の駅、峰山へ向かう列車を見送りました。

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網野町福田川鉄橋。4秒で渡り終える、野村監督が旅立った涙橋です!

さて、福田川堤防の彼岸花、

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あと2日はみられますよ。

遅なって、すいまっせーん!

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(府中にて)

「ほんま、どうしとんなった、シカに食われなったか心配しとったですで!」

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いやいやどうもどうも、思っとったですで、9月23日には咲かんなんと。が、あの暑さでしょうが、体がうごかなんだんだんです、、、

という事情だそうです。

ちなみに、2022年は9月21日。

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2023年は、9月29日

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地球温暖化は、マンジュシャゲの、彼岸花という暦花の地位を奪ってしまうのでしょうか。

で、彼岸花と呼べなくなったらマンジュシャゲ、、、、どうもなんだかわからない、

英語では?と聞いてみると、『スパイダー・リリー』蜘蛛のようなユリと教えてくれました。

マンジュシャゲと『スパイダー・リリー』の併用ということになるのかも。

しかし、彼岸にはマンジュシャゲの赤い花、これは簡単にゆずりたくはないですね。

折からネットには

「日本から地球の反対側でも異常気象に見舞われていました。照り付ける太陽のもと、手に荷物を持ち、歩く人たち。広大な砂漠の上を歩いているように見えますが、ここは南米を流れる流域面積が世界最大のアマゾン川の川の底です。

アマゾン川がカラカラに…ブラジルで2年連続干ばつとなり74万人が食糧不足 水位90%低下で先住民に給水支援も

今、観測史上で最悪といわれる干ばつ被害が広がっているブラジル。両手いっぱいに荷物を持って、干上がった場所を歩いていた女性は「川を渡らなければならないので、とても大変です。荷物を運ぶのに30分もかかります」と話します。ブラジルでは、2年連続で干ばつが発生。国土の60%近くが影響を受けており、一部の都市では、140日以上連続して雨が降らない状況が続いているといいます。」

という情報。

今年丹後では、上世屋のヒガンバナ開花は9月28日。府中や日置にわずかながら先駆けて咲きました。この逆転はおかしいです。

[黒潮は大蛇行状態が続いています。
2017年8月に始まった黒潮大蛇行は期間が7年2か月目になっており、
1975-1980年の4年8か月を大幅に超え、観測史上最長になっています。
■海面水温
日本海域の海面水温は、西部中心に平年よりかなり高く、最大で5℃高くなった。
黒潮が北上する三陸沖では、平年よりかなり高い海域が継続。最大で5℃高かった。]

という情報がありますから、連動しているのかも知れません。

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(9月5日明田)

今年は稲を例年より一週間早く刈ったと百姓の知人。

彼岸花からの警告、重く受け止める必要があるかもしれません。

ジョロウグモ、上世屋の秋を代表する生きものの一つでしょう。

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この蜘蛛に注目した観察記録を拝読。

実験24の実験にそれぞれ結果の分析、考察を積み上げた記録です、

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圧巻の観察記録ですので、紹介させていただきます。
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  • 岐阜県関市立武芸小学校 4年 山口加廉さん
  • 第55回入賞作品小学校の部文部科学大臣賞文部科学大臣賞

研究を始めた理由

 昨年、ジョロウグモの一生を1年間観察し、巣と糸について研究した。風で移動し巣を張ること、太陽光で糸を強くしていることなど、自然を上手に使って生きていることに驚いた。その後も登下校時に注意して見ると、周囲のクモのほとんどがジョロウグモだ。「なぜこんなに多いのか」と不思議に思い、研究することにした。

観察記録(2013年10月~2014年8月)

10月28日夕方:母グモが門わきのポスト裏に産卵しているのを発見。〝卵のう〟を保護する糸(子グモのエサになる)を出していた。糸がけは深夜1時ごろまで続いた。
10月30日:母グモがいなくなった。
11月14日朝:玄関軒下で母グモが死んでいた。
2014年4月23日:卵のうが少し大きくなり、白っぽかった色がピンク色に変わった。
4月30日:卵のうがまた少し大きくなり、ひびも入っている。もうすぐ子グモたちが出てくるのか。
5月3日:ポストの中が子グモだらけになっては大変と、卵のうを採取しビンに入れた。
5月22日朝:ビンの中の卵のうの下から、数百匹の子グモが誕生(出のう)した。
5月31日:子グモたちが2回目の脱皮。
6月21日:子グモたちがビンの上まで糸を張った。
6月23日:ビンの中いっぱいに糸が張られたので、すべてを「お茶の木」に逃がしてやった。

〈子グモたちのエサ〉

◇子グモは「自分の体長より大きな虫は食べない」のか。

【実験1】出のう後21日目の子グモたちのビンに、死んだミツバチとヒメナガカメムシを入れた。

《結果》

しばらく様子をうかがい、みんなで糸を出して巻いてから食べた。

〈リーダー子グモ〉

◇子グモたちにリーダーはいるのか。

【実験2】昨年のバルーニング(クモが糸を風に乗せて、空中を飛ぶ)実験で、1匹では飛ばず4匹では飛んだ。移動するときも、1匹を先頭に移動した。今回は子グモすべてを同時に「お茶の木」に放した。

《結果》

複数の小集団ができ、それぞれにリーダーの子グモがいて、その後を他の子グモたちがついて行った。リーダーの先導で木の頂上まで行きバルーニングしたが、リーダーが先に飛ぶわけではない。

〈ジョロウグモと気象〉

◇母グモの「産卵」「卵のうから離れる」「死ぬ」の行動と気象条件は関係するか。

【実験3】2013年10~11月の1日の最高・最低気温、日照時間、降水量などの記録を調べた。

《結果》

朝晩が冷え込み出し、最高気温が前日より上がった日に産卵、朝の最低気温が0.8℃と一番冷え込んだ日に死んだことなど、気象の影響を受けている可能性は高いが、母グモ1匹だけでは結論が出せない。

◇ジョロウグモの減少と気象は関係するか。

【実験4】2014年6月15日~7月27日の間、家の周辺6カ所の木(1カ所は子グモを放したお茶の木)にいるジョロウグモを2日ごとに数え、この間の気象記録と照合した。

《結果》

5カ所計130匹の残存数は34匹(26.2%)、お茶の木(数百匹)は残存0匹だった。とくに風速が強い日、降雨後に個体数は減少するなど、気象と関係があった。

〈ジョロウグモの個体数〉

◇周囲にはどんなクモがいるのか。

 家周辺の木ではジョロウグモが減少したが(実験4)、道を歩けばよく目につく。ジョロウグモと同じ円形の巣を張るクモを調べた。

【実験5】2014年6月下旬に、家の周辺と学校敷地内、保育園周辺の3カ所で調査した。

《結果》

クモの種類と合計個体数はジョロウグモ(337匹)、ナガコガネグモ(49匹)、アシナガグモ(12匹)、ゴミグモ(9匹)、コガネグモ(6匹)。やはりジョロウグモが多かった。その秘密を探るため、2番目に多いナガコガネグモと比べることにした。

〈ジョロウグモとナガコガネグモの巣の相違〉

◇巣の大きさ、糸の数

【実験6】各33匹の巣を調べた。

《結果》

ジョロウグモの巣は楕円形、ナガコガネグモは円形に近い。ともに体長が大きいと巣も大きくなり、大きさはジョロウグモが長手40.9cm、短手が32.1cm、ナガコガネグモは長手24.3cm、短手20.3cm(どちらも平均)。横糸間の幅は、ジョロウグモの方が巣の内側から外側までほぼ等間隔で狭い。こしき(巣の中心で縦糸が交差する部分)は、ジョロウグモでは巣のやや上寄りにある。

◇糸の強度

【実験7】巣の一番外側の枠(わく)糸が切れるまで、どれだけの重さに耐えられるか、各30匹の枠糸について、1円玉(重さ1g)をおもりに使って調べた。

《結果》

ナガコガネグモは平均10.8g。ジョロウグモは2013年7月調査の若グモが平均24g、同10月調査の大人グモが平均36g。ジョロウグモの方が2倍以上強い。

◇糸の伸び強度

【実験8】各20匹の枠糸(10cm)を、切れるまで引っ張った。

《結果》

ジョロウグモの伸びは平均14.5cm、ナガコガネグモは平均17.6cm。ナガコガネグモの方がよく伸びた。

◇糸の粘着力

【実験9】紙テープ(1.8×5.0cm)の端に横糸を5回着け、もう1枚の紙テープを貼り合わせる。これにクリップ(0.4g)を付けていき、何gで紙テープがはがれるか、各30匹について調べた。

《結果》

ジョロウグモは平均0.65g、ナガコガネグモは平均2.4g。ジョロウグモの方が弱かった。横糸にある粘球の大きさ、間隔に違いがあるのかもしれない。

◇横糸の粘球

【実験10】顕微鏡で観察した。

《結果》

粘球の直径はジョロウグモが1.0~5.5mm、ナガコガネグモは0.9~5.0mm。ともに大きさ、間隔も一定ではない。粘球自体の粘着力が違うのかもしれない。

◇巣模型実験

【実験11】実験6の結果を基に、段ボール箱にたこ糸を張り、ジョロウグモとナガコガネグモの巣の2倍模型を作った。横糸に水のりを着け、大(直径15mm)中(10mm)小(7mm)の糸玉を、巣模型の真上と側面から30回ずつ当てて、玉の捕獲(ほかく)率を調べた。

 

2倍の巣模型。ジョロウグモ(右)とナガコガネグモ(左)

《結果》

ともに側面から糸玉を当てた場合の捕獲率が低い。ジョロウグモの巣模型・側面では、大きい糸玉ほど跳ね返されて捕獲率が下がる。ナガコガネグモの巣模型・側面では中の糸玉が、ちょうど糸間にひっかかり、捕獲率が高かった。糸間隔よりも大きな糸玉がすべて捕獲できるわけではない。

《考察》

巣模型・側面が実際の巣に近いので、ジョロウグモの巣のように網目が細かく、粘球の粘着力も強くない場合、大きな虫はかかりにくい。かかった虫が逃げることもあるので、実際の捕獲率はもっと低いのではないか。

〈ジョロウグモとナガコガネグモの身体能力の相違〉

◇持久力

【実験12】どれだけ糸を出し続けられるのか。幅15cmの糸巻き器を自作し、クモがぶら下がりながら出す「しおり糸」を巻き取り、長さを測った。

《結果》

ジョロウグモ(30匹)は平均10.6m(平均体長2.3cmの約460倍!)、最長は21mもあった。ナガコガネグモ(同)は平均4.5m。ジョロウグモの方がたくさん糸を出せるので、高い所にも移動でき、糸をふんだんに使った網目の細かい巣を作れる。
昨年の実験で、ジョロウグモは巣に乗せた綿毛をエサと間違えた。脚で触り、エサではないと分かると去った。エサを巣の揺れで感じ、脚で確かめるのか。

◇視力

【実験13】ラップで2つに仕切った箱の一方にクモを入れ、もう一方にバッタ、マイマイガ、カエル、カマキリをそれぞれ入れて、クモの行動を調べた。

《結果》

ジョロウグモ、ナガコガネグモはともに仕切りをくぐって相手に近づいたが、襲うことはなかった。ジョロウグモはカマキリに食べられた。

◇視力

【実験14】ジョロウグモ(30匹)、ナガコガネグモ(同)の巣に、死んだ10匹のガとハチ、ガガンボを1匹ずつそっと置いた。

《結果》

ともに昼間は食べなかったが、夜9時ごろに食べていた。夜、巣を張り替える時に、虫に気がついたのではないか。巣にかかったエサを目で見ているわけではない。

◇聴力

【実験15】ジョロウグモ(2013年秋30匹、14年夏30匹)、ナガコガネグモ(30匹)の巣を、音叉(周波数440㎐)、携帯電話(バイブ)、手で揺らした。

《結果》

どのクモも手での揺れをエサと間違えなかった。13年秋に実験した大人のジョロウグモは音叉と携帯に反応し、とくに音叉をエサと間違えた。14年夏の若いジョロウグモは音叉と携帯にも寄って来なかった。ジョロウグモが音叉に反応する・しないは、体長約4.5cmが分かれ目のようだ。

◇好む揺れ

【実験16】体長4.5cm以下のジョロウグモ(30匹)、ナガコガネグモ(同)の巣に、7音(ラシドレミファソ)のハンドベルを当てて揺らす。

《結果》

どの音にも反応が悪かった。昆虫の羽音の周波数(1秒間の振動数)はハンドベルより低い。身の周りにある、音叉よりも低い周波数はハンド・マッサージ機(150㎐)、天敵スズメバチの羽音周波数と同じだ。

◇振動への反応

【実験17】ハンド・マッサージ機でジョロウグモ(40匹)、ナガコガネグモ(30匹)の巣を揺らした。

《結果》

ジョロウグモの50%が反応し、ほとんどが逃げた。反応する・しないは体長4.0cm付近で分かれる。ナガコガネグモは90%が反応し、ほとんどがエサと間違えて近づいた。

◇聴毛

【実験18】クモの脚にある「聴毛」(振動を感じる毛)を観察した。

《結果》

聴毛の本数はナガコガネグモの方が多い。ジョロウグモの第1脚にある聴毛の本数は左右それぞれ約28本。体長が約4.0cm以上で、聴毛が急に増える。

◇音への反応

【実験19】音叉をクモから約10cm離して鳴らした。

《結果》

ジョロウグモ(30匹)は67%、ナガコガネグモ(同)は83%が反応し、動いた。

◇揺れの衝撃

【実験20】折り紙(15×15cm、1g)の1/2大、1/4大、1/8大、1/16大、1/32大、1/64大の紙を手で丸めて、巣に落とした。

《結果》

ジョロウグモは小さい紙ほど反応し、ナガコガネグモは大きい紙ほど反応した。

◇巣の振動場所

【実験21】体長4.5cm以上のジョロウグモ(30匹)とナガコガネグモ(同)の巣の上側下側右側左側の順に音叉を当てた。

《結果》

ともに音叉を当てた順番に反応が悪くなった。クモは振動を覚えたのではないか。またジョロウグモは巣の上側の振動にはよく反応したが、方向違いが多かった。これは巣の上側は網目が不規則で、振動が伝わりにくいこと、ジョロウグモの後ろ脚の聴毛の数が少ないことが関係している。だから、こしきも巣の上寄りに構えているのではないか。

◇記憶力

【実験22】実験21とは順番を変え、音叉を左側右側下側上側の順に当てた。

《結果》

音叉を当てた順に反応が悪くなった。やはりクモは記憶力がある。

◇瞬発力

【実験23】クモがエサに向かう様子をビデオ撮影し、エサへの移動速度を測定した。

《結果》

ジョロウグモ(12匹)の平均速度は秒速728mm、ナガコガネグモは秒速587mmだった。

◇エサの捕り方

【実験24】巣に生きたエサ(チョウ、トンボ、ハムシ、イナゴ、バッタなど)を乗せ、クモの狩りの仕方を観察した。

《結果》

エサが巣にかかると、ジョロウグモはかみつき糸巻き運ぶ食べる、ナガコガネグモは糸巻きかみつき運ぶ食べる、という順番。

《考察》

ジョロウグモのエサは、ほとんどがすばしっこい小さな虫。網目は細かいが粘着力の低い巣ではすぐ逃げられる。そのため速いスピードで近づき、まずかみついて相手の動きを止める。ナガコガネグモは、巣には割と大きな虫がかかりやすい。大きな虫は動きも大きく、反撃されやすい。かみついて注入した毒もすぐには効かないので、真っ先に太い糸で、相手の動きのある部位を封じる攻撃をする。

研究を終えて

 ジョロウグモは、ナガコガネグモに劣る点もあるが、それは必要ないからだ。自分で工夫して生きているから、今の環境でも個体数が多いのだ。クモは一見、気色悪いけど、本当は害虫を食べてくれる良い生き物だ。これ以上、人間が環境を変えてはいけないと思う。

指導について関市立武芸小学校 藤岡 比呂志「なぜジョロウグモが多くいるのか」という疑問に対して強い探究心を持って、今年度の研究に取り組んだ。今年度は昨年度を土台とした継続研究であり、特に定量化して明確に結果を出すことの重要性について指導した。的を絞って、データを多くとり、ほかとの比較実験を行うことで、より説得力のある考察ができると助言した。彼女は、比較して実験観察をすること、グラフでの平均と広がり具合の示し方などをきちんと理解した上で、地道にジョロウグモとナガコガネグモを対比し、ジョロウグモが生き残る理由についてさまざまな可能性を網羅して検証した。研究では、まず興味を持つこと、その中で抱く素直な疑問に対する知的探究心が大切で、意欲とこだわりを持った追究姿勢が重要である。その姿勢を彼女は持っており、とことん実験し観察した姿勢は本当に頭が下がる思いである。
審査評[審査員] 安齋 正彦昨年度、ジョロウグモの一生を1年間かけて観察し、自然に生きる生き物の知恵について学びました。さらに今年度は、個体数の多さの秘密に着目し、その解明に当たって、種別個体数を調査した上で2番目に多いナガコガネグモを用いて比較観察した点に感心しました。
また、昨年の観察から生まれた新たな疑問についても、仮説を立てて実験し、その真偽を丁寧に明らかにし秘密の解明に役立てようとしました。子グモたちのエサ、リーダー子グモの検証や個体数の減少に気象条件が関係していることを明らかにしたことがそれに当たります。
本論の追究では、それぞれの巣について、大きさ・糸の数や強度・粘着力など実験と考察を粘り強く繰り返し行い、その手法は身体測定の膨大な実験数にまで及びました。そして昨年得たデータを実験や考察に役立て、研究の効率化を図ることもできました。
着眼点の発想に優れ、文献やネットなども活用し、レイアウトも論理的で、結論も分かりやすくまとめられた説得力のある作品です。、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

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いままで考えもしなかったことの連発の記録です。

◇糸の粘着力

【実験9】紙テープ(1.8×5.0cm)の端に横糸を5回着け、もう1枚の紙テープを貼り合わせる。これにクリップ(0.4g)を付けていき、何gで紙テープがはがれるか、各30匹について調べた。

《結果》

ジョロウグモは平均0.65g、ナガコガネグモは平均2.4g。ジョロウグモの方が弱かった。横糸にある粘球の大きさ、間隔に違いがあるのかもしれない。

「子グモたちのエサ、リーダー子グモの検証や個体数の減少に気象条件が関係している」など、あらためて、へーえ!

さて、 この観察記録を読んだら、もう気分はレッツゴー里山へ。

上世屋、ここで特に多いのが世屋姫さんの下の棚田ふきん。

風の通り道だからなのでしょう、獣柵と電線を利用して、その技を見せてくれていますよ。

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連絡いただければ、ご案内します。

あんた、生きてたのかあ、、、テーラー!

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この子、よう生きとったなあ!、、、マシジミ。京都府も環境省も危惧種に指定。

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この田んぼも、まだ、ピンピンしとるで!

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子どものころにはこれだった!子どもの頃は、裏の川にいた、

過去と未来をつなぐ、そんなものが野や山や町に息づく丹後は、まるごと日本のエコミュージアムスポットです。さらにその丹後エコミュージアムのスポットを一つあげるなら世屋高原。

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ここのお立ち寄りどころが、『アスペン・泣いた赤鬼の森』。

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ここのテーマは、高原湿原の自然と暮らし、その過去を未来につなぐこと。

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人も生き物が、交わるところ!なので、公園、でなくて、交園。

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鋭意、整備中、

『この椅子に座るのは、あなたです』

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日置から世屋川にそって8キロ。この看板が目印です。

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お待ちしてますよ!

 

 

 

上世屋の稲刈りを眺める二人ずれ。

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ヨーロッパ、スロバキアからだそうです。その距離約9000キロと聞きました。どんな縁がヨーロッパと上世屋を結んだのかと不思議に思いました。

さて、この日の夕方。舞鶴湾を発つクルーズ船。

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あの二人の車は「わ」ナンバー、ひょっとして、この船に!

だった、と信じて、

よー来とくんなったなー、おたっしゃでなー、と上世屋丘の前棚田跡交園から手を振りました。

名月の 薬師の巨樹に 宿り居り

ふるさとの タブの巨樹より 出づる月

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タブの巨樹を神木にする大宮町奥大野の薬師堂は、里の東に立ち、月の出を待ちます。

西にたち 名月迎えぬ 薬師堂

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名月や天の力を注ぎおり

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「月は四季それぞれに趣がありますが、最も美しいとされるのは秋の月なので、単に「月」とあればそれは秋の季語になります。」とのこと。

月詠み俳句五選

【NO.1】松尾芭蕉
『 鎖(じょう)あけて 月さし入れよ 浮御堂 』
【NO.2】正岡子規
『 藍色の 海の上なり 須磨の月 』
【NO.3】高浜虚子
『 ふるさとの 月の港を 過るのみ 』
【NO.4】渡辺水巴
『 月光に ぶつかつて行く 山路かな 』
【NO.5】小林一茶
『 名月を 取ってくれろと 泣く子かな 』

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ともかく日本人は月が好き、

♪おっ月さん、こんばんは!♪

月に対する意識は、特別なものです。

イチョウ茶を知っていますか?銀杏なら知っています。いえ、「萎凋茶」。

なんですか、その「、、」というのは、、、、

ことほどさように、「萎凋・イチョウ」、これは一般的な用語ではありません。

萎凋[いちょう] 草木がなえしぼむこと、、だそうです。

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この「萎凋・イチョウ」に思わぬところで出会いました。

神戸大学大学院 黒田慶子さんが、植物防疫 第65巻 第3号(2011年)に発表されていた『ナラ枯れの発生原因と対策』という論文の中です。※https://jppa.or.jp/archive/pdf/65_03_28.pdf

、、、、、、、、、、、、、
《はじめに》
近年,本州の各地の里山でナラ・カシ類やシイ類等の集団枯死「ナラ枯れ」が著しく増加している(図―1)。枯死被害が増加し始めたのは1990年ごろからであり(伊藤ら,1990),原因の解明と防除技術の開発は2000 年ころまでにかなり進んだ(農林水産技術会議事務局,2002)。
・・・そうか!
しかし,ナラ林の経済的価値が低いこと,関東地方で発生がなかったこと,ナラタケ病や酸性雨を枯死原因とする誤った説が流布したこと等から,多くの地域で対策が遅れた。2010年の被害はさらに増加し,関東地方でも被害が確認された。夏季の高温乾燥で罹病木の枯死が促進された例もあると推測されている。

I 病原菌の伝播
・・・・うん!
ナラ枯れとは,糸状菌Raffaelea quercivora(図―2)による萎凋病である(KUBONO and ITO, 2002)。体長5mm程度の養菌性甲虫カシノナガキクイムシ(口絵①)が枯死木内の病原菌を健全木へと媒介する。

、、、、ここです。

「ナラ枯れとは,糸状菌Raffaelea quercivora(図―2)による萎凋病である」

そうか!萎凋病(いちょうびょう)は、植物病理学用語のようで、植物が微生物に感染して突然と枯れてしまう病害の一種 、とありました。

さて、この黒田論文、さらに続きを読むと、こうありました。
「この菌の感染で枯死しているのは,ブナ科の中でブナ属以外の属の樹木である(大住ら,2007;黒田,2008)。コナラ属のナラ類,カシ類のほか,シイ,クリ,マテバシイ等の属も枯死する。」

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ここまでは、そうか!

しかし、次の一文には、あれ!?
「ブナ科樹木萎凋病」という病名が提唱されているが,本病でブナが枯れるという誤解があることから,「ナラ・カシ類萎凋病」のような名称が望ましいと考えられる。」

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『本病でブナが枯れるというのは誤解』と考えておられる黒田さんの見解について、はてな、と思いました。

というのは、この状況。この木は、萎凋、枯れている。

このフラス、木くずから見て、枯死の原因は、キクイムシによるものだろう

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フラスを吹き飛ばしてみると、小さな穴が点々と開いています。

この木は、『ブナ』。

コナラ、ミズナラ、シイ,クリ,マテバシイではない、これも確実!

この木を枯死寸前に追い込んでいるのはキクイイムシ、『ナラ枯れとは,糸状菌Raffaelea quercivora(図―2)による萎凋病である(KUBONO and ITO, 2002)。体長5mm程度の養菌性甲虫カシノナガキクイムシ(口絵①)が枯死木内の病原菌を健全木へと媒介する。』と言います、他の木に広がります。そのカシノナガキクイムシが原因だとしたら、ブナは苦手、ブナも抵抗力を持っている、というのに、その関係が崩れたということになります。

したら、これは、不安です。北近畿随一の面積を誇るブナ林なのですから。

秋の来ない暑い夏、ブナにエアコンの冷気をだれもあててくれません、熱中症は人だけではありません。ブナの森も熱中症。 その一本に現れた異変は、この間進んできた地球温暖化への警告かもしれないと思うと、薄気味悪いものを覚えます。

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しかし、他のブナの木には異常は見られません。キクイムシの種類は複数あるようですから、あるいは、養菌性甲虫カシノナガキクイムシではなく、養菌性のない別の種類のキクイムシのアタックによる、その可能性があるかもしれません。

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いずれにしても、萎凋病(いちょうびょう)は植物の微生物による感染症、肝心なのは早期発見、早期治療。カシナガか、他のものか、のまずは特定。

樹木病理の専門家の見立てが頂きたいところです。

阿蘇の海に中秋の落陽を眺める人あり。

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夕日が沈んだ頃に、振り向いて松並木を横切って与謝の海に向かえば東に月。

銀波の海も眺められますよ、と声をかけようと思いました。

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けど、雰囲気は地元の方っぽくて、分かってると答えられる気がして、ならそれは野暮、止めました。

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中秋の阿蘇の海染め入り日かな!

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