宮津エコツアー · 8月 2016

8月 2016

台風一過の里のキバナコスモスレストランにお客さん

キアゲハ

IMG_0192キアゲハ
ほうじゃく

IMG_0203ほうじゃく

うらぎんすじひょうもん

IMG_01974og@yrd@

やれやれと吸蜜を楽しんでているかれらに、「引き返してくるかもしれないよ!」という冗談が冗談に聞こえないような台風10号でした。

DSCF2212
その強風大雨は今も東北北海道方面をおそっているということですがそのなか毎日新聞が「棚田の防災機能」を話題に。

img008

谷の田は作り続けろとの言い伝えもあると。

IMG_0181せやひめ
上世屋や波見の棚田での米作りプロによると、ここらには「あとずり」百姓という言葉がある。くずれたらまた、崩れたのをなおして、そのくりかえし、気づけばずいぶんさがっている、という意味だ。「維持が大変」というのだが、あとずりしながらでもそれでもつくりつづけたというのは、米作りだけでない意味が込められているのかもしれません。

また、かれらいわく、棚田は維持だけではない肥料管理も難しいと。

IMG_0187

同じ田でも、風は同じに吹いたのだが倒れるところと倒れないところが出てくる。上手の方から水が湧く、濃度にムラがでる、安定しないからだ、気をつけていてもこうなる、と話してくれました。

「日本一や」

IMG_9782原風景のきんさん

そうおもいませんか、世屋の金さんのロケーションは!

ところで、世屋には巨岩がごろごろ埋まっていて地滑りのたびに現れます。

IMG_9717

それらは成相山付近から北西にかけて、500mの厚さで埋もれているということです。

IMG_9502

この金さんも、もとはそれらの巨岩の一つ、目利きの石屋さんが選んで丁寧に彫り上げられたんだということです。

IMG_9506きんさん
岩質は新生代になって貫入してきた宮津花崗岩ということです。

img_0[1]
Ishihara・久城原図による花崗岩の系列別分布図(高橋正樹著書から)
花崗岩にはチタンをたくさん含むタイプと磁鉄鉱をたくさん含むものとに分かれるそうですが、宮津花崗岩は磁鉄鉱を含んでいて、磁石を当てるとくっつくということです。

ところで、金さんには、弟がいらっしゃいます。

IMG_9507

世屋在住の仏師さんの作です。

IMG_9509

ジオパーク延長に、田圃の巨岩と、金さんと成相聖観音さん、これら花崗岩の文化財には一役かっていただかなくてはなりません。

おっとも一つ!

IMG_9659

六地蔵さんも。

 

真名井神社のなみせき地蔵様

IMG_0087
その看板

IMG_0085
大宝年間1300年ほど前に大地震と大津波。

一方、世屋成相新観音

IMG_7098-500x333[1]
その看板

IMG_0144
慶雲元年年704年に真応上人世屋高原来山。

大宝といえば、慶雲の前。701年 – 704年の期間といいます。。
半島をおそったとされる地震、津波伝承
その直後に、半島に点ったとされる法灯伝承、

IMG_9352こたき
「地滑り地形の典型とされるせやの形成となにか、つながりがあるのかもしれませんね。」とジオ&エコウオークで小滝篤夫先生。
地学の専門家の眼にかかるとこの二つの看板が結びつきます。

加悦奥の秋、

IMG_0069^1

実りの秋景色、

IMG_0067

さて、こんなに広々したのはいつ頃からなのでしょうか。

上画面の一番奥の山並み、雲と接するあたりに位置する上世屋の秋。

IMG_9814cf@

加悦奥の田圃もかっての様子はこんなだったのでしょう。

前者は里町に適応した風景のすてきさ、後者は、里山原風景のすてきさ。

IMG_9821てるみさん

どたらも日本人の勤勉さや、人間の可能性が想像できてすてきな秋です。が、そば、小豆、白豆、米、など暮らしの組み立て方の緻密さや宿す命の濃密さに、心がより強く反応するのは後者です。

大型機械対応していないで、この愛おしいほど超稀少な景観をうむのがこのくさかり鎌。

IMG_9836
この維持保全をといいます。

それもまず、うつくしいわぁ  ほれほめれするなぁと惚れるところから!

IMG_9890
24、25日のツアーは里山に惚れ込んでいただくことそんなミッションももっています。
里山にかならず惚れさせます
ぜひいらしてください。

どうだ、すごーいだろ!

IMG_9699しもだ

しんじられなーい、すてきー!!!

IMG_9702しもだ
で、
人の運命は里山の運命、現代はこの「里山」に何ができるか
それを問うのが里山500
9月24日25日、波見・上世屋里山500選定記念ツアー秋版を行います。
水田環境止水環境渓流環境洞窟環境湿地環境人の伝えてきたもの戦争と環境海軍上世屋見張り所の再生を巡り、遺伝子も含めて種のことを考える内容です。

IMG_9735水面
この景観、誰が作っているのそれを聞いてなお感動。
里山の運命ははあなたの手に、私たちの手に!

IMG_9724まつお
他人事が自分のことに変わること必定のツアーです。

プランの詳細は現在鋭意調整中。

ともかく是非空けておいてください、9月24日25日!

日置妙圓寺のさるすべり、

IMG_9650さるすべり

宮津にこの株に勝る百日紅は他にあるでしょうか。

さるすべり

さるすべりが寺におおいのは、お盆をはじめ何かと訪問客の多い時期に咲き、訪れる方の心の癒しになるということなんでしょうね
「京都ではやけに目に立つ百日紅 保坂加津夫」

IMG_9657日置さるすべり

花期が長いのも重宝します。

「百日紅いつからとなく咲きつづく 稲畑汀子」
おやおや
「坊さまが女と握手百日紅  中川二毫子 」
さて、百日紅がお題の俳句の極めつけはこれ
「百日紅燃え白雲は峰をなす (林翔 さん)」
白い雲、青い空に雲は白い峰をなすかのように盛り上がり、そして紅に燃え立つように咲く花、それは百日紅。

白雲峰をなす、

IMG_9787くも

そんな積乱雲が今日は、妙圓寺の上に立っていましたよ。

世屋川

IMG_9600

正面の岳山を水源として日置田圃の米を養います。

IMG_9599
さて、この世屋川にかかるのが、世屋川橋。

IMG_9607

丁寧に、ひらがなでも。

IMG_9602

あれ! 「せやがは」でしたっけ?

まあいいじゃないですか、

「せやがっぱのいたずらですよ、がはがはがはがは!」

ちなみに、この橋は新橋。架け替える以前の橋の表記が「せやがはばし」だったので、踏襲されたものということでした。

以前のものに敬意をあらわさずなんでも新しければいいという風潮の中、「快挙」です。

「」がついていれば、その意図がよけい伝わったかもしれませんね、

それはともかくあらためて、がはがはがはがは!

若狭湾21日、

IMG_9420

晴れた日、松尾から見る若狭湾の空と海と半島と雲のバランスは絶妙です。

IMG_9422

(↑ 晩秋の一本桜)

さて、明けて22日、宮津湾の上に巨大な雲の臼。

IMG_9531

(↑大江山ふこう峠付近)

「冬のブリ起こし」が鳴る時の雲です。

IMG_9546

空と海と半島と雲のバランスを一変させた原因は関東に上陸し、東北沿岸を北上している台風九号でした。

IMG_9514

この風は上世屋の稲も倒しました、わずかでもてるみさんには重い被害です。台風はさらに10号が接近中。取り入れまで気の休まらない日々が続きます。

宮津湾は美しい!

IMG_9153
海星公園の風の谷から見る宮津湾の光ったり風が走ったりする海としての美しさ、これは海の真珠だ!とつねづね思うこと。

さて、「京都府は5日、「京都宮津湾・伊根湾」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)後援の非政府組織(NGO)「世界で最も美しい湾クラブ」に正式加盟することが内定したと発表した。府内初で国内3カ所目。府と宮津市、伊根町は国内外に発信し、環境保全活動や観光客増加につなげる。」  と京都新聞。おおぅと思いました。ようやくみとめられたか、と。

IMG_9148

が、湾の美しさを表すものはなんなのか、いまいちわからない、ひきがえるの雄はひきがえるの雌を美しいといいますし、あばたもえくぼですし、、と思いながら続きを読みました、
「同クラブは自然保護や観光振興などを目的に、1997年3月に設立。これまで25カ国38湾が加盟し、うち7湾が世界遺産に登録されている。日本では松島湾(宮城県)と富山湾(富山県)が加盟している。魅力的で優れた自然を有することや地元のシンボルであることなどの基準を満たす必要がある。7月20日、フランスでの同クラブ役員会で内定した。両湾は、「海の京都」の魅力を連携して発信するため、2015年1月に加盟を申請。宮津湾は日本三景・天橋立があるリアス海岸の地形が特徴で、宮津市は加盟を天橋立の世界遺産登録への弾みにしたい考えだ。」、、、、
あまのはしだて、「海の京都」の魅力を発信、けっきょくそこかぁとなると周辺の地域は引いてしまうところがあるというのは、毎日新聞宮津支局安部記者の指摘したところ。
、、、、、、
信頼築く努力を  昨年の海の京都事業では7市町に重点地域を設けて受け入れ態勢の強化を図り、メディアプロモーション効果でテレビ番組も取り上げた。だが、それ以外の地域は「蚊帳の外」。山海を愛する住民は「対象外」とされ、事業との接点はなかった。誰のための観光なの? と疑問を抱く人は少なくない。日本海岸の旅館の女将は「テレビで絶景が流れて多くの観光客が訪れても、地元はよそ事でしかない」と訴える。
「住民が自然や歴史に根ざす暮らしの価値を共有して、その価値を向上させること」。観光庁がブランド観光圏を選定する上で課す要件だ。海の京都DMOも「地域主導」を全面に掲げる。ならばまず、住む人と信頼を築く努力が必要だ。やる気ある人の声に耳を傾け、それを実現する方法を一緒に考えることこそ、府民が願う「観光地域づくり」ではないだろうか。毎日新聞2016年6月29日 地方版【安部拓輝】
、、、

IMG_9151はしだて
湾のビューポイントを天橋立に固定化する傾向は強く、それに拍車をかけるだけのことになるのなら、寂しいかぎり。しかし、幅広く宮津湾の自然の多様な美しさを探す機会になるなら大いに賛成、
まあ、天橋立に来られて、伊根へ行かれるときには、「京都府立丹後海と星の見える丘公園風の谷展望台経由で動かれることをおすすめしますよ。

IMG_9276うみほし
さて、20日 、橋北エリアの地形・地質・風土と人々の暮らし「モデルフォレスト運動・世屋の森 第二年次第六回プログラム」は、ここからスタート。海星公園・道路崖→世屋の棚田下川橋と龍渓→ せや観音堂と銚子の滝(地滑り崖の堆積岩地層と石炭試掘跡)

IMG_9325

→藤織り見学( 京都府無形民俗文化財 国指定重要有形民俗文化財)

IMG_9316

→湿地再生畑  (森の整備、炭焼き再開、放棄湿田の再生を目指した農園の巨石と黒ボク)→おおふけ湿原 (高層湿原のボーリング調査からわかったこと)→松尾田圃の農業用水池→木子植物化石地層をめぐり、講師の小滝篤夫先生に、世屋高原の暮らしを、大地の成り立ちまでさかのぼってスケール大きく掘り下げていただきました。

IMG_9352
このプログラムの目的は、~みんなの力で丹後の海里森のつながりを豊かにつむぎ直そう~と言うところにあります。今回の参加数は25人、地元の方が見学に参加してくださって案内してくださったり、高校から先生や生徒さんの参加、また遠くは大阪から朝五時出発で参加などをえたことは、また一つ成果を得たということなのだと思います。
さらに、観察中にみかけた大型のコウモリ、初めてみました。

大きさは鳩のようと思ったほど、

「京都府レッドデータブック2015では、府内にすむ11種のコウモリのうち、ヤマコウモリやテングコウモリなど7種がもっともランクの高い絶滅寸前種(ぜつめつすんぜんしゅ)になるなど、府内のコウモリをとりまく環境はきびしいものになっています。コウモリがねぐらやかくれ家としているほら穴や樹洞(木の穴)が、森の開発(かいはつ)や大木を切ったことで少なくなってしまったことが大きな原因といわれています。これらを保全(ほぜん)して、コウモリのすみかを守っていくことが大切です。」と京都府。

どうも「きくがしらこうもり」かもしれないということのようです。

「生息地の現状」については「京丹波町質志鍾乳洞や京都市右京区京北下中町新大谷マンガン廃鉱で発見例があったが、いずれも1~5頭である。どちらもそこには常駐せず、時々数頭のみ見かけるという状況であり、もちろん繁殖をしていない。一方、南丹市美山町京都大学芦生研究林では林内を飛翔しているのが1回のみ発見されたので、林内にあるというマンガン廃鉱を昼間の隠れ家にしている可能性が高いが、未確認である。本種は通常は数百の群れをつくるが、京都府ではそのような群は発見されていなかった。しかし、2003年以降、新たに舞鶴市の3つの戦跡、福知山市の2つの隧道など、京丹波町の導水路、京都市右京区の隧道と放棄人工洞、和束町の廃坑から生息が確認された。しかも京丹波町では、50頭もの幼獣が見つかり、繁殖していることが明らかになった。これら新たに発見された洞窟での生息確認数は1~100頭であり、ほとんどが30頭を越える群れであった。すなわち、もっと調査が進めば、100頭を越えるような大きな群れは少ないかも知れないが、京都府全域から生息が確認される可能性もあり得る。」

だとすると、発見があいついでいるので、ランクは2012年は絶滅寸全種から2015年は準絶滅危惧種に変更ということですが、京都府北部でも生育しているということをしめす初めての事例ということになりますので、大切にしなければなりません。

松尾池の松尾メダカ、

IMG_9363

これは遺伝子から調べましょうと小滝先生!

「生物多様性~遺伝子・種・生態系※~保全上重要里地里山500(環境省)」の里の面目躍如。

※□生態系の多様性  山、川、海など様々なタイプの自然があることです。
□種の多様性  動物、植物、昆虫や微生物を含めた様々な生きものがいることです。
□遺伝子の多様性  同じ種類でも遺伝子的特性によって、色、形、生態などに様々な個性があることです

これらも成果でした。

次のプログラムは、森と鳥。朝日がでる瞬間に鳥は鳴き始めます。それを聴く予定です。

頭を垂れそろえる稲穂たち

IMG_9030たなだ

稲の一生は大きく二つに分けて考えることが出来るといいます。前半は、苗が成長して稲になり、穂を出すまでの成長期、後半は、その穂に炭水化物を送り込んで溜め込む登熟期です。 種まきからおよそ125日頃、 いまが、その登熟期、

IMG_8983のうだ
稲は 光合成によってデンプンを生産し、それを胚乳に溜め、種子であるお米を充実させているのです。

IMG_9005

お米は太陽エネルギーそのものという言葉を聞いたことがありますが、山の田も里の田も、大きな田圃も小さな田圃も今が稼ぎどき、とフル稼働をしている工場のようなものです。

IMG_8937

(↑与謝峠付近)

盆がすぎました。稲刈りは、種まきからおよそ155日、あと一ヶ月、

この時期の手入れが質や収量に関わってくるのですがそれを助けるのがお百姓、そのポイントは水の管理なのだそうです。

IMG_9092

きりっとした夏の稲田の風情はいうこと無し、すこし黄色がまじってくるのをみるのもうれしい、

IMG_9007たなだ

けれども関東東北方面からは台風情報、刈り取りまでにはまだ一山二山こえねばなりません、ぶじにこぎ着けられることいのります。

« Older entries