「炎天の似合うサルスベリの花が雨に濡れている。いつもの年なら、なごりの炎暑にあえぐ時なのに、ゆく夏の背中を見送るいとまなく秋の長雨である。」と天声人語8/29。
さて、サルスベリは和語。
(↑ 大宮町 下常吉 常林寺)
猿が滑る幹を上ろうとしてそれで尻も顔も紅くなったという意味もあるのかなぁとふと笑っています。
季語としては漢語表現の「百日紅・ひゃくにちこう」。赤い花咲く期間が実に長いので。
◆野の中の小寺や百日紅咲けり
◆半里さきに見ゆや庄屋の百日紅
◆きらきらと照るや野寺の百日紅
◆酒好の昼から飲むや百日紅
以上子規さん。

ところで「百日」にまつわって美しくも哀しい物語が、朝鮮半島では作られ伝わっているということです。
「ある旅をしていた王子が、竜神の生贄(いけにえ)にされていた娘を救うため、勇敢に闘い見事、竜神を退治しました。その後、助けた娘と王子は恋に落ちますが、王子は使命を終えるまでは旅を続けなければなりません。旅を終えた後、必ず再会すると約束するのですが、その約束は100日後。ところが、約束の100日を目前にして娘は亡くなってしまったのです。
帰ってきた王子は嘆き悲しみました。その後、娘のお墓からは一本の木が生え、紅色の可憐な花が咲き、いつまでも美しく咲き続けました。

村人は、これは、百日もの間恋人を待ち続けた娘の生まれ変わりに違いないと考え、この花を「百日紅」と名付けたそうです。」※「知って得する雑学情報 サルスベリ 花言葉」から



















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