宮津エコツアー · ふるさとの今とこれから 講演会に150名 協賛ツアー 天空の里巡りに21名

ふるさとの今とこれから 講演会に150名 協賛ツアー 天空の里巡りに21名

2012/06/17
世屋に関心がある方、世屋の教育に関わってきていただいた方、に加えて、私の生まれ在所なのでこの機会に、といって参加くださった方、それにガイド部会の皆さん、遠くは京都市内から、早朝の出発、 21名の顔ぶれです。

80歳を越えたおばあちゃん四人に参加していただいたのは感激でした。谷を隔てて村があります。移動手段のないお年寄りには、訪問し合うことはなかなか難しいのです。畑では、訪れたおうちのおばあちゃんと下世屋のおばあちゃんとの同窓会でした。

世屋の里五地区巡りで同窓会

また、下世屋では、高崎さんの奇跡、竹イノシシ柵を、

下世屋の竹垣畑

上世屋では、白石さんに合力の家の再生を、
合力の家で白石さん

松尾では小谷さんにふるさとの暮らしをと、部会員の持ち味を輝かせていただきました。

松尾の一本桜で小谷さん

案内したのは、世屋地区を形成する次の地区です。
標高     集落名  人口;世帯(直近)  明治21年戸数
450-490m   木子   16人・7戸        戸数55
340-370m   上世屋  20人・13戸           戸数68
160-280m   松尾   11人・4戸            戸数39
190-230m    畑   30人・17戸     戸数37
110-150m   下世屋  54人・25戸       戸数51
大正9年 402世帯・1,394人を擁した世屋の里、それが、直近では、 66世帯・ 133人、高齢化率60%を超すという状態に至ったその「現在」を見ていただいたわけです。

午後からは、京都府の里力再生企画の中心に座って指導いただいている岡田先生のお話。

先生は、地域を右肩下がりに衰退させ、過疎化、高齢化させてきたものの正体を、経済学の視点から解き明かしてくださいました。正体が見えれば対応はできます。対策を講じることも可能です。地域の衰退を食い止め反転させた事例もたくさん話してくださいました。

地域の宝を自覚し、皆さんでそれを輝かす努力を地道に大胆に試みておられるところが成功していると言うことです。

エコツーリズムは、そうした地域の宝とお客さんとを結ぶ仕事です。
石の美しさ水の美味さ、田畑や伝承技を復興させたしぶとさ、曲がった畦の柔らかさ、海から空へ続く伸びやかさ、野に息づく命のたくましさ、一つ一つが人間と自然が共にある世屋の里の宝物です。地域の振興とエコツーリズムの関わり、そしてガイドへの期待の大きさも実感させられたお話でした。

さて、午前中の「天空の里巡り」、 「経済」の視点でまとめておきます。
お金の動き、52,500円です。(2,500円×21人)をいただきました。これから、まずお弁当代をお支払いします。お弁当は木子のペンション「自給自足」さんでお世話していただきました。うわばみそう・たけのこ・ふき・そばの葉のごまあえなど地元山菜に手間をかけ工夫して準備していただきました。三色おにぎりは、朴葉の上にのせてありました。

ニシン以外は地元で自給自足のお弁当

万葉集には、「家にあれば 筍(け)に盛る飯を 草枕旅にしあれば 椎の葉に盛る」(有馬皇子)
の歌があります。椎の葉は、神様のお供えでしょう、人間が食べるご飯を盛るには小さすぎます。大きな葉っぱの朴が利用されたのは、確実です。アイデアに満ちた心づくしを満喫させてもらいました。

地元で摘んだ山菜天ぷら

このお弁当予算は 1人1,000円です。また、お手伝いを地元の方にお願いして準備していただいています。自給自足さんは、お弁当代の中から人件費をお支払いされます。ささやかな雇用が生まれているのです。バスは、京丹観光、地域のバス会社。25000円。運転手さんに日当が払われます。保険は、農協、一人100円。手数料が農協に入ります。合力の家で、休憩させてもらい、木戸銭・1000円をお支払いしました。維持管理に使っていただきます。
52,500円、ささやかではありますが、「地域のミニ経済」活動に寄与したことは間違いありません。
ガイド部会は、その「残り」をいただきます!!※ふるさと会議世屋様より、助成をいただきます。

エコツアーには、今後ますます、企画、準備、運営を自主的に主体的に地域の皆さんと一緒に進めることが求められます。お客さん目線で、必要な対応を判断し動いていただくことも必要になってきます。その点で、意味のある大きな体験をさせていただきました。
前野さん、小谷さん、市川さん(講演会司会)、役員の皆さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。

 

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