徐福さん上陸の地の一つとされる伊根。
冬でも波静かなこの伊根浦には、その船団の船がつながれていたのかもしれないと思わせるほどの太古感をただよわせるのは、伊根浦が、黒々としたシイの原生林の島、青島を真ん中に置いているからなのでしょう。
この青島では、シイの木を切ることはもちろん一本の枯れ枝も持ち出すことを禁じてこられたそうです。
「近世初めまでは伊根湾内(「間内」と呼ぶ)の漁業であった、こんな狭い所で…と思われるかも知れないが、若狭湾の全体が巨大な天然の大敷網のようなもので、魚類が若狭湾内を陸地に沿って時計回りに廻遊すると、伊根湾が最後の袋網になって、この直径1㎞ばかりの円形の湾内に魚は自分から入ってきた、しかも一度迷い込むとなかなか出にくい地
形をしている。鯨もイルカも鰤も鮪(マグロ)も真内のすぐ岸近くでたくさん捕れたという。そうした信じられないほど
に超めぐまれた湾であった。」と丹後の地名・「亀島」。
ところで、すてきなニュースを見つけました。
平成12年 京都府会場で開催された第20回全国豊かな海づくり大会の関連行事として、丹後の山に広葉樹800本を植樹したという記事です。
その植樹が行われた太鼓山は、画面正面奥の丹後半島の山並みの右あたりに位置します。
ちなみに、太鼓山風力発電機、従来機が撤去され、新たに立て直す、そういうことならうちもやりたいわと別の業者さんも名乗りを上げられ、併せると計18基が、この尾根筋に並ぶかもしれないと報じられています。
その計画がかりに実行されtとするとこうなる、という予想図を見せてもらいました。
その高さは、京都タワーより高い180m、
しかも、待針を突き刺すような訳にはいきません。
1基につき60m×60mの面積が必要で、さらに道路も取り付ける、という荒技が伴います。
こういう工事がおこなわれるとしたら、。
山と海の深い連関のそのことを一番知ってらっしゃる漁師さんたちが、植えられた樹たちはどうなるのでしょう、また海の魚の栄養は山からもたらされる、というのに、どれだけの樹が新たに伐採されることになるのでしょうか。
伊根町の環境行政施策方針はどうかチェックしてみましたら、
「良好な景観は、地域の自然、歴史、文化とそこに住む方々の生活や経済活動などとの調和により形成されたものであり、良好な景観の形成を促進するためには、その調和を崩すことがないよう発展させていく必要があります。
町民、事業者、及び行政が適切な役割を持ち協働しながら、更なる地域資源の発掘やまちの魅力の再確認を行い、潤いのある生活の中で地域活力のあるまちづくりを進めていきます。」と掲げていらっしゃいました。相当積極的です。
ただ、「良好な景観は、地域の自然、歴史、文化とそこに住む方々の生活や経済活動などとの調和により形成されたものであり、良好な景観の形成を促進するためには、その調和を崩すことがないよう」という条件がつけられてはいるものの、「地域活力のあるまちづくり」の部分が独走するきらいがないとはいえません。
そのためには、本当の意味で、「町民、事業者、及び行政が適切な役割を持ち協働する」こと、山と海のエコロジーと投資・雇用などのエコノミーの立場からとそんな対立軸をはっきりとさせ、エコロジーの破壊された丹後にどんな魅力があるというのでしょうか、いやいやそうはいうけれどなあ、、、それはそうだがしかしだで、、、妥協することのない議論、これが必要でしょうね。
ちなみに【伊根町の環境景観行政施策のあらまし】は以下の通り。
景観
良好な景観は、地域の自然、歴史、文化とそこに住む方々の生活や経済活動などとの調和により形成されたものであり、良好な景観の形成を促進するためには、その調和を崩すことがないよう発展させていく必要があります。
町民、事業者、及び行政が適切な役割を持ち協働しながら、更なる地域資源の発掘やまちの魅力の再確認を行い、潤いのある生活の中で地域活力のあるまちづくりを進めていきます。
景観行政団体
豊かな自然や歴史的景観など伊根町の良好な景観の形成について、伊根町が主体となって進めていくため、伊根町では景観行政団体となるための手続きを進めてまいりました。
平成23年2月7日に京都府知事の同意を受け、平成23年4月1日に景観行政団体へ移行しました。
景観行政団体になると、景観法に基づく景観計画を伊根町で独自に策定できることとなります。
景観行政団体とは
伊根町の持つ豊かな自然や歴史的な景観は、先人の方々が残した「財産」です。
この資産を育み後世に残すか、取壊し切り崩すかは現在の伊根町に関わる全ての方々の行動により大きく変わります。伊根町は、この財産を後世に残すための保全活動と合わせて、この財産をさらに磨いていくことが必要であると考えております。
伊根町が景観行政団体になると何が変わるのか
伊根町の景観は、景観法や京都府景観条例に沿って整備や保全が図られていました。しかし、景観法や府条例に基づき伊根町で行われている具体的な政策は限られたものでした。
伊根町が景観行政団体になると、伊根町独自で策定した計画に沿って整備や保全を行うことができ、景観保全のための規制誘導や、地域住民の自発的な保全活動や景観保全に対する要望への対応が迅速に行えるようになります。
伊根町景観計画
伊根町景観計画は、伊根町景観計画策定委員会で伊根町景観計画(案)の策定に向けて審議を重ねてきました。
平成26年3月4日(火曜日)には、策定委員会の八木会長、藤原副会長が来庁され、景観計画(案)とその審議結果について町長に報告され、平成26年4月1日に伊根町景観計画を策定しました。伊根町景観計画の施行は、伊根町景観条例の施行日(平成29年4月1日)としています。
景観計画区域
町全体を見ると、山間部の山々、河川、自然海岸を経て海へと自然が繋がる中に集落が点在しています。自然といったいになっている農山漁村景観をひとつの区域として、町内全域を伊根町景観計画区域としています。
景観形成基準
建築物の建築等及び工作物の建設等の基準
形態及び意匠 周辺の景観との調和に配慮し、統一感のあるものとする。
色彩 周辺の景観との調和に配慮し、低彩度の落ち着いた色彩を基調とする。
素材 周辺の景観との調和に配慮し、金属やガラス等の光沢ある素材を外部壁面等に使用する場合 は、周辺の景観を阻害したり、浮き出した印象を与えたりしないようにすること。
その他の基準
土地の形質の変更については、壁面や法面に植栽を施し、町並みや自然など周辺の環境と調和するものとする。
届出について
届出が必要な行為
建築物 高さ15m以上、または又は建築面積が500平方メートル以上の建築物で新築、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替え又は色彩の変更(以下「建築物の建築等」という)
工作物 高さが15m以上の工作物で新築、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替え又は色彩の変更(以下「工作物の建設等」という)。
その他
都市計画法第4条第12項に規定する開発行為であって、3,000平方メートル以上の区画形質の変更。
届出対象行為の適用除外
上記の届出対象となる行為であっても、次の場合は届出を不要とします。
建築物の建築等又は工作物の建設等のうち、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替え又は色彩の変更を行う場合であって、それらの部分の見付面積が全体の見付け面積の半分以下となるもの。
お問い合わせ先 企画観光課商工観光係〒626-0493 京都府与謝郡伊根町字日出651番地
電話番号:0772-32-0502ファックス:0772-32-1333