宮津エコツアー · はきだめ〔に〕キク

はきだめ〔に〕キク

その地の山野に普通に見られるとか園芸店にあるというおなじみ感がない物にであうことがあります。外来種です。この方もそう。

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初めてであったその当時の植物入門程度の図鑑には掲載されていませんでした。
畑の畝のような場所に特定して生育しているようです。さしあたり「転校生!」、と見当をつけて探ってみたらやっぱり。原色牧野植物大図鑑570-1708。転校生の名は「はきだめぎく」。
違和感を感じました。!
言葉は強い力を持っています。食品偽装がそれ。コーラだと差し出された番茶をのんだらだれもウエッとなるということをどなたかがおっしゃっていましたが、番茶といわれてたら何でもないのに、それと同じで「はきだめ」はきついっすよ、と。
思いながら一方、まてよ、名付け親は牧野先生なんだそうです。愛情と尊敬を欠いた不用意な命名をされるはずがない、としたら考えられることは二つ。一つはその当時の[はきだめ]の意味と受け取る感覚は今とは異なっていたのではないか、肥やしとして大小便は売買され、牛と同居し「みゃあごえ」を背負って畑へもっていった時代です。肥料にするための刈り置き場程度の意味ではなかったのか。もう一つは、「はきだめに鶴」のように、かわいらしい妖精のような花なので、「はきだめのキク」でなく「はきだめにキク」だったのではないか。
他の呼び方もあるのだそうです。この草は、新しい大地にどんどん進出していく旺盛な繁殖力を持っています。そこでイギリスでは[勇ましい戦士]と呼ばれていると稲垣さん。しかし、雨霰の弾幕に突撃を強要される兵隊のいのち、それを勇敢というなら哀しいです、、[勇ましい]というところは同感、「勇ましい妖精たち」ということでどうでしょうか。

今のところ、上世屋の畑では見られないと思います。がであったときは、 「はきだめにキク」「勇ましい妖精たち」とお話ししようと思います。

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