世屋・雪解けの大地が美しい 2012.4.6
「林道角突山線は通れるか、」と聞かれました。丘の前で。通れるわけないじゃありませんか。林道角突山線は家族旅行村から伊根方面の林道です。「民家までの生活道路だけは確保してありますけど、まだ一メートルはありますよ。」
「遅いですなあ、ここらは解けるのが」。
車道から玄関口までを埋めている雪を掻く静香さんが見えます。本当に遅いです。 しかし、遅いと言ったって、雪の解けない冬が日本にあったことはありません。雪解けは確実に進んでいます。その世屋の大地がいま、とても美しいです。ススキがつんつんと立ち上がっている光景は、ざらざらとした荒廃感を漂わせています。それがないのです。実にまろやかです。枯れ草をわって芽を出すフキノトウが緑の星のようです。
これは、秋に里山環境整備作業として行っていただいた部会・草刈りの賜物です。斜面の急な作業の困難なところや硬いススキの株、放置樹木などの伐採にも積極的に取り組んで頂きました。里山ってうつくしいねぇ、そういいながらカメラを向ける人があれば、汗も苦労も吹っ飛ぶ!というものじゃあないですか。まさしく心のデトックス!この喜びを一人我がものにするには、惜しすぎる、広く共有したいですね。(ほんまぁ!)
自然はこれから命の季節。スギナもスイバも叫んでいます。「やったるぞー」 「のびたるぞー」。 フキノトウもシシウドもファイティングポーズ。「よっしゃー いくデー」
上農は草を見ずして草を刈る。命のエネルギーを利用して生きてきた里山の先人は、みんな上農でした。けれど命のエネルギーを操った里人はもう数えるほど。あばれ放題の自然をどうするか、エコツーもその課題を共有しなければならない、そう思いませんか。厳しさを楽しさにかえる智恵を出せるのもエコツー。
林から、鳥のさえずりが聞こえました。ウグイスです。雪解けを寿いでいるのでしょうか。 ・・・・・・・・・ O君のように、書きます。
「なーんだひとりじゃないんだ、 ウグイス君もいる。」
林に向かって返しました。
「いっしょにやってくれるか!」
また鳴きました。元気といっしょにふと浮かんだ一句。
『春風や 闘志いだきて 岡に立つ』 (高浜虚子)