快晴。久しぶりに走った京丹後市ジオパークラインは碧い海、青い空をバックに桜、菜の花、らっぱすいせんのフラワーロード。昨日の雨と風は今日のためのクリーニング役だったことを知りました。。
畑に目をやれば、フキはとうがたって、畔には、キジむしろ、たちつぼすみれ、ひめおどりこそう。そして、たんぽぽ。耳を澄ませば、カエルの「さえずり」。世屋では、のびをしている春も、ここではすでに爛漫の域に達していました。
走った目的は、A中での授業参観。一年生の授業。これから新たに中学校生活を始める彼らのために、私達大人が準備した初めての教材はこれ、『ねがいごと』という詩。 ~お孫さん、甥御さんなどのおられる方のためにレポートしますねMさん、姪御さんもしっかり勉強されていましたよ~
作者は、たんぽぽ はるかさん。ええ、姓はたんぽぽ、名ははるかさん。こんなかわいらしい詩です。
ねがいごと
たんぽぽ はるか
あいたくて
あいたくて
あいたくて
あいたくて
・・・・・・
きょうも
わたげを
とばします
作者のはるかさんは、中学一年生の女の子。4月生まれ、お父さんお母さんは。春香・春花・春佳とも考えたらしいが、まろやかなひらがなでと考えられた。その思いの通り優しい、しかし、しっかりと根を張る頑張りやさん。中学生になって、前には、真っ白な雪野原。どんな道をつけようかと胸を膨らませている。そんな気持を書きました。
、、、ははははは!冗談につきあっていただいて、ありがとうございます。実は、工藤なおこさんの詩集「 野原うた」に収められている作品の一つです。タンポポは、ロゼットで冬越し、花は地面に張り付くように咲かせますが、綿毛になるころには、花茎をぐーんと伸ばし、風にのせます。
生き物は次世代の生育場所を確保してやらねばなりません。そのために、さまざまに試みました。球根でやろう、地下茎でいこう、蟻に運ばせよう、鳥に食べさせよう、動物にくっついてやろう。
タンポポはどう考えたか、彼らの好きなのは、日のよくあたりしかも、湿度のある土地。しかし、そんな条件は自然界にはそうそうあるものではないのです。どうするか、風を利用しようよ、しかし、風任せは運任せだよ、じゃあたくさん飛ばさなくっちゃあと思いついたのが、彼らたんぽぽ。
そんなたんぽぽの習性!と人の旅立ちの緊張感とを重ねて、詩にされたのです。大人にもほろ甘い思いがにじんでくるいい詩です。
■ あいたくて が四回繰り返してある よほど気持が強いのだと思いました、
■・・・・・はどういう意味なのかと思いました。
手を挙げはきはきと発表するのに、やるなあと感心しながら、エコツアーガイドは、あのなあ、タンポポの綿毛を数えてごらん、とつぶやいていました。