宮津エコツアー · 「我焼きし野に驚くや草の花」を巡って

「我焼きし野に驚くや草の花」を巡って

研究しつくされているされた蕪村さんの句が発見された、その数200以上!と朝日新聞。

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蕪村ファンとしても「おおう」。

その記事は、見つかった句の一つに「我焼きし野に驚くや草の花」。それを、藤田真一・関西大教授が「ちょっと前に自分が放った火が燃え広がり一面の草の花が焼けている」と紹介。
さて、その解釈には「え?」解釈に季節感がないのです。さらに、草の花が焼けていることに蕪村さんは驚いていると説明されている。しかも、その草の花を焼いたのは蕪村さんだと。
はたしてそうなんでしょうか?

「我焼きし野」とは野焼き、単純にそう解釈できないでしょうか。

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(↑2014年3月24日 当ブログ 土手焼き 参照)
西行さんも「すそ野やく烟ぞ春は吉野山花をへだつるかすみなりける」と詠います。
我、野を焼きしとは、早春、新しい草が出るように冬越しの枯れ草を焼き払ったということ、
「驚くや」とは、感動したなぁもぉ。なにに感動したかというと、黒々とした焼け跡から芽を出し早くも花をつけている花を見つけて!
春が来た、枯れ草を焼き払った野に春の草が芽をだし早々に花をつけた、さらにそこに、待ち焦がれた春もどんどんと深まっていく時の早さを見て驚いたと蕪村さんはおっしゃっているではないでしょうか。

野を焼くことについては、蕪村さんご自身の作があります。

野とともに焼る地蔵のしきみかな 蕪村

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