宮津エコツアー · 「明日を織る」のご紹介

「明日を織る」のご紹介

『漢字でおはなし』シリーズ 五,六年生 汐文社 刊

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史実と体験、それを踏まえながら、夢のあるファンタジックなお話にしたててある、それがこのシリーズの特徴なんですが、このシリーズ、お話を楽しみながら、知らず知らずのうちに漢字に親しめる学習の要素も持つという優れものなんです。
書かれたのは丹後の海や川に住む妖怪ガ-タロに取材した『うちゅうでいちばん』(岩崎書店)の児童文学者・川北亮司さん。
さて、このなかの「明日を織る」というお話、これも、イメージが丹後発のお話なんですよ。

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日本人はクズやカラムシや藤などの植物から繊維を取りだして糸にし、織り上げて衣類などにつかっていたのです。

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それらの技術も用具も販路も、あたらしい繊維木綿が普及していくなか、、急速に廃れて姿を消していったわけです。

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(上・下 川北亮司さん撮影)

ところが、その中の一つ、藤の織りもの、一九七〇年代まで、丹後の世屋にはそれを、暮らしの糧としておりつづけるお年寄りたちがいらっしゃったのです。
このお話、そのお年寄りたちと作者との出会いを元に大きく膨らませていただいたお話なんですよ。

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四季のある国で、日本人は自然を恵みに変えて暮らしてきました。冬、雪は深くても、それは、地下に溜まって春からの米作りに大切な水になるのです。

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雪を恨んだりはしませんでした、雪の下、春に望みを託して黙々と糸を績み織り続ける暮らし方、現代人にも重いものを問いかけているようです。
お子様におまごさんに、ご希望の方、本屋さんにお問い合わせください。

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