万葉の歌は、鉄やコンクリートや油の音や匂いがないところでうまれたもの。それらがわずかでも紛れ込めば、歌への共感がにごります、とくにこの歌は!
☆我妹子が 植ゑし梅の木 見るごとに 心咽せつつ 涙し流る
天平2年730年 大伴旅人
太宰府から奈良に戻った旅人が亡くした妻のことを偲んだ歌。

底知れぬ哀しみの中で死者との一体化の時間の共有は、土と空との間のきーんと音がするほど澄んだ空気がなくてはなりません。

『梅』を詠ったこの歌に限らず、万葉植物の宝庫、世屋の里は万葉歌を味わうのには最適の場所。
万葉の里世屋の郷!いらっしゃいませんか。

あ、我妹子はわぎもこ、咽せるはむせる、なに、読めなくてもいいですよ!