桜、古民家、空は薄く青、そして菜の花
さて、菜の花の向こうに回れば、天橋立。
丹後も野の春の主役は菜の花。なので菜の花季題の俳句は、つみ重なって大山塊!
ふるさとの訛にもどる花菜径 栗山妙子
雨に暮るゝ日を菜の花のさかり哉 松岡青蘿
近づけば菜の花の黄の密ならず 山本歩禅
菜の花を身うちにつけてなく蛙 李由 二 月 月別句集「韻塞」
菜の花は下より枯れてゆくを知る 対馬康子 吾亦紅
いちめんの菜の花といふ明るさよ 行方克巳
寺田寅彦さんも。「野に老て菜の花のみは見飽かざる 」
芥川龍之介さんも。「菜の花は雨によごれぬ育ちかな 」
芭蕉さんも。「菜畠に花見顔なる雀哉」
もちろん蕪村さんは、「菜の花や月は東に日は西に」
もちろん詠んでらっしゃいます。
「菜の花の盛りに一夜啼く(ァ)」
でも、えーーーぇですよ、さすがにいっささんのサプライズ。
さて、(ァ)には里山のある生き物が入ります。
では (ァ)に入る生き物とは四択でお答え下さい
《 おけら・ たにし・ カエル・ まむし》
正解は二番(たにし)!
これは、一茶さんのおふざけかというとそうではなく、よく詠まれています。
□(ァ)啼いて土臭き春の夕べかな 保吉
□ 鳴く(ァ)きかんともなく聞く夜かな 保吉
□ (ァ)なく夜は淋しいに蚤ひとつ 撫節
タニシは啼く!私も半信半疑です。昔の人の聴力を現代人は失ってしまったのか、ほんとに啼くのなら上世屋でなら聞くことが可能かもしれません、調査して頂けませんか。「菜の花」の時期ですから、今、今ですよ。