谷うつぎ前線が、下世屋まで登ってきました。
5月の連休ころにこの花に出会えるのが毎年の楽しみ。丹後に住んでよかったぁ、と思わせてくれる裏日本植物の一つです。
『ヤマウツギ、ウツギ、タウツギ、ミヤマガズミ、サオトメウツギ、サツマウツギ、エイザンウツギ、カンザシバ、カザ、ガサノキ、ガザ、ガサキ、ガジャ、ガサ、ガンジャシバ、ガンザノキ、カサノハ、ガンジャ、ガジャバベニウツギ、ベニザキウツギ、アカウツギ、ボタウツギ、ヘイナイウツギ、ドウダンウツギ、アカツゲ、ヘイナイ、ズクナシ、アカチョウジ、ケタノキ、ヒキダラ、ミヤマガマズミ、シイバナ、イワシバナ、イワスンバナ、ウノハナ、ドオッペ、カジバナ、タウエバナ、カテノキ、シャボングサ。』などを上原敬二さんはその著 樹木大図説Ⅲに集めていらっしゃるということですが、
タニウツギを上世屋ではひいながさいたら粟を蒔けと「ひいな」、弥栄町舟木では「ひいなご」とよんでいることについては、調査が及んでいないようです。その解釈のポイントは
「な」なんでしょう、つまりおひたし、和え物、みそ汁、ご飯に混ぜるなど食用にしたということです。りょうぶも「な」を含む方言がある、「ギョーブナ(静岡・愛知・熊野・奈良)、ジョーブナ(三重・奈良・和歌山)、サダメシ(青森・岩手・宮城・秋田。サルナメシの転訛か)がそれで、このナは食糧となる『菜』を意味する。」と和泉光一さんがおっしゃっています。
慶長検地資料に残っている山の田の生産力では、よくできる田 豊作で4俵、平年で三俵。馬肥が使えるのはわずか、草をいれるだけ。病虫害防除の方法も知らなかった時代、食べられるものを求め保存するのは、知恵でもあったのです。
ただ「な」はそうだとして、「ひい」という修飾語の意味は不明!ひもじさを救ってくれる葉ということなんでしょうか。