2012/05/24
「のうだ」から「馬場」にかけての最も世屋らしい美しい棚田を経営しているのは、一本一本苗を指す二人の手だ。
地滑りによってブナ林道通行不可になった際、その棚田を見る里コースについて、いつでも草道を通っても差し支えないと開拓に協力してくれたのも彼らだった。感謝してもしたりない。
世屋の里の農は、地元農家経営に加えて、現在お酢米栽培する飯尾醸造と放棄田の再生に取り組む合力の会との三タイプで維持されている。あとの新規参入がなめらかに地域に定着したのは彼らの理解と協力があってのことだ。
畜産と米作りの複合、それが僻地農業の生きる道だ、というのは、世屋の暮らしと自然と景観をこよなく愛した父親S,O氏の信念だった。NHK新日本紀行「小さな花の歌」でのエンディングで、耕耘機を動かす青年の姿を映し出していた。約30年前のことである。そのころ父親の信念を継ぐ決意をしたという。
世屋の里が、「日本の里100選」なら、里の柱のこの二人は、まごうことなく「日本の百姓100選」!