2種類並んだ幹。
どちらも、「うつぎ」と呼ばれるものです。
左が「たにうつぎ」、右が「うのはな・うつぎ」、
「うのはな・うつぎ」には髄がありません。
おなじように左が「たにうつぎ」、右が「うのはな・うつぎ」。
「うのはな・うつぎ」の枝の出方は互生です。
この枝の出ているところに竹のように節があります。
卯木・空木・打木と標記するうつぎですが、「空木」と標記するのは「うのはな・うつぎ」のほうです。
一方、開花の早いのは谷うつぎ。5月の始めには咲き始めます。
卯月に咲くので卯の花とするのは、「たにうつぎ」の方がいいようです。
ちなみに「樹木になるのはシダ植物と種子植物です。木、特に樹幹は中心から順番に、髄、木部、形成層、樹皮から構成されています。髄は木が若い頃の芽の部分で、成長に伴ってここを核として樹木は外側に大きくなります。」
さて、髄のある「たにうつぎ」、この軟らかいスポンジ状の髄は容易に抜けるのですが、戦前、その髄が海軍の兵隊さんの救命胴衣の材料になるからと、小学生の夏休みの宿題にされたというのです。教えて下さったのは、丹後の元先生たち。
秘境せやの里巡りというテーマでウオークをプランニングし案内したおりのことです、
夏休み、たにうつぎ・ひいなを切り、髄を抜く子どもたちの姿を想像しながら、
戦後の技術立国を可能にした日本人の資質、自然の特徴を観察し、集中力、根気、手先の器用さ、こういうところで育ったのだなあと思ったたことです。