宮津エコツアー · 「奥の細道」ワラジ代しめて144000円

「奥の細道」ワラジ代しめて144000円

古民家に残るわらじの束、、、

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『京丹後市の民俗』の中の「国久くにしゃの生業」の項にはワラジの耐久性と必要数についての記述。いわく「わらじやゾウリは冬仕事として作った。これらは、約4キロの距離を履くと破れてしまうので、1日に一足、一年分として一人に約300足が必要であり、家族分すべてを一月から二月の間に作った。」、、、、この計算でいうと、「八朔や天橋立たばね熨斗」の句のある松尾芭蕉さん、千住から大垣までの奥の細道では、約1870kmを歩かれたと推定されているそうです。単純に割ると、はきつぶした数450足あまりということになるわけです。

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そこでワラジに関する数字をネットから拾い集めてみました。
①富士登山には往復で3足 程度のわらじが必要
②  高橋千劔破著『江戸の旅人』には、3,4里歩けばすり減って履けなくなる。当時の旅人は一日6~10里ほど歩いたそうですから、毎日2足ずつ必要とした。
③草鞋の値段は一足16文程度。一文20円として320円、
④作ろうと思えば日に20~30足でも作れたでしょうけど丹念に叩き繊維を柔らくしてからひも状に編みそれから草鞋作りとなれば一晩で5足ぐらい作るのがやっとの状態
これらの数字を当てはめると、芭蕉さん、ワラジ代としては450足×320円=144000円を支出されているということ。立ち寄り先からの差し入れとしてワラジは喜ばれたのかもしれません‥

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もう一つ、「約4キロの距離を履くと破れてしまう」というのと「3,4里歩けばすり減って履けなくなる」というのとの食い違い、どなたか調整していただけませんか(^.^)

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