「雪畑を耕して何を植えなるですかぁ」とちょうけると、よういいなるわぁといような表情しながら「ほんまになんぞええもんにゃあですかえ!」と笑いながら付き合ってくれるTさん。
鎌と鍬だけを使って手塩にかけて作物をそだててきたTさん、本能のレベルにまでしみこんでいる1年の段取りプラン、1日でも早く土に向かい合って畑仕事を始めたいのです。雪の下の土の声が聞こえるのでしょう。
それをしみこませたのは、戦争中の食糧難の体験。供出、米つくっとったって食えることない、決められた分だすと食べるものがのうなる、なんだって食べたジンネゴ(ササの種)、これも粉にしたです、ほて゛もこれがなるとササが枯れ、屋根がふけんことになりましたし、、それとオノハ(リョウブのこと) 若い芽を蒸して乾かして、ご飯に混ぜて、、
そのTさんから、ジャガイモを頂きました。
有毒な芽が出ていない艶と張りのあるきれいなイモでした。芽掻きをちゃんとするという手間がかかっていなければとっくにしわくちゃになっているはず。春の種芋にしなるのを!というと、それは農協から買う、冬を越したのは種芋にはしない、木が弱々しく、出来たイモも小さかったりするのだということ。
だから、食べきらんなんのだと。
ありがたくいただき、煮物に。さすがに世屋ジャガ!ホコホコ感がしっかり残っていました。