庭に野に春到来を告げ、気分をそわそわさせる紅梅。
紅梅を見てみちのくの旅を恋ふ 稲畑汀子
紅梅を覚えてますかあのときの 中原幸子
(↑ 大宮町 奥大野付近)
「東風(こち)吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて 春な忘れそ」
「紅に色をばかへて梅の花香ぞことごとににほはざりける〈凡河内躬恒〉」
紅梅や見ぬ恋作る玉すだれ 松尾芭蕉
紅梅に干しておくなり洗ひ猫 小林一茶
紅梅の落花燃ゆらむ馬の糞 蕪村
(↑ 伊根町寺領 )
紅梅の雑学
1 別名
好文木(こうぶんぼく)、春告草(はるつげぐさ)、木の花(このはな)、初名草(はつなぐさ)、香散見草(かざみぐさ)、風待草(かぜまちぐさ)、匂草(においぐさ)などがある
2 教訓
① 「桃栗三年、柿八年、柚(ゆず)の馬鹿野郎十八年、梅はすいすい十六年」種を植えてから実を収穫できるまでの期間を指す俚謡。本来は「桃栗三年柿八年」で一つの諺。「物事は簡単にうまくいくものではなく、一人前になるには地道な努力と忍耐が必要だ」という教訓である。
(↑ 株立ち3本 周径529cm 環境省巨樹リスト 紅梅の部 二位))
②「梅の木学問」『広辞苑』では「梅の木が成長は速いが大木にならないように、進み方は速いが学問を大成させないままで終わること」である。反対は「楠学問」で「クスノキが成長は遅いが大木になるように、進み方はゆっくりであるが学問を大成させること」。
紅梅や六分の侠気失わず 苑田ひろまさ