宮津エコツアー · 2月 2012

2月 2012

  2/9(木)、上世屋の里は積雪量約280cm、総勢7名はかんじきやスノーシューを履いて雪の降るなか新雪60cmをラッセルしながら田んぼや林の中を歩き回りました。木子などで伝わる「バイ投げ」と呼ばれるうさぎ猟を体験するためです。木子出身のYさんが若いときからされていた方法を直接に教わりました。以下、その要点を紹介します。

 ①早朝で、ある程度しまった雪面に10cmほど新雪が積もった状態の時が良い。                                                         ② 地形的には北向き斜面の林内が良い。雪が解けずによくしまっていて、木々の元にできる雪穴がさほど深くないからと思われる。 そして、ウサギの居そうな雪穴を谷を挟んで反対側の南向きの斜面から観察する。                                            ③ウサギは夜行性なので活動を終える日の出前には②の木々の元にできる雪穴に入り休む。そのとき頭を外側に向けて隠れるようにして休む。    ④ウサギを見つけたら静かに大回りしてその雪穴の上部に出る。そして穴の上方の空中を飛ぶように ある秘密兵器(※)を投げる。                  ⑤Yさんの説明では投げる(※)は、いろいろと試してみたが「クツゴミ」が一番効果があるとのこと。クツゴミとは今は使われていないが、ワラを編んで作った浅い靴のようなもの。現地のヒノキの枝を切り輪っかにして投げたり、数十cmの棒状の木の枝を投げたりすることもあるとのこと。                        ⑥(※)を投げるとかすかに風を切る音がする。その音がタカなどの猛禽類の羽音に似ているので、襲われると錯覚してウサギは頭を穴の奥に向けて隠れる。ウサギの習性を巧みに利用していると言える。                                                     ⑦そして素早く近づいて「後ろ足」を捕まえて獲物とする。その後、皮を剥ぎ肉は野菜と一緒にすき焼き風に煮て食べる。山里の冬の貴重なタンパク源となる。毛皮はあまり利用価値がないとのこと。

  当日は雪が深く十分な時間もなかったが、参加者の一人が偶然に雪穴に潜んでいるウサギを見つけました。残念ながら逃げて捕まえることはできまさせんでしたが、実際に雪穴にいることが確認できたことはよかった。その後は、「合力の家」の囲炉裏で暖を取らせていただきましたが、次は是非とも捕まえてその囲炉裏でウサギ鍋を食べてみたいと息巻く参加者もいました。

(※)について、東北地方など雪国のマタギは、ワラをドーナツ状に編んだものに木の取手をつけて投げるそうです。それを、「なげわ」、「わらだ」、「わだら」などとよぶそうですが、全国的には他の呼び名や他のいろいろな方法があるのではないかと思うと、とても興味深いですね。                       

 

平成24年2月12日(日)、午前中のスノーシューウォークの後、上世屋の老人家庭の雪かきの合力をしました。

屋根の雪降ろし

棚田の田植えなど、時々合力に来てくれている京大の学生さん7名に、世屋・高山ガイド部会の9名、そして地元の5名が、3戸の家へ分かれて作業開始です。

除雪前の和子さん宅

▲ 1箇所目は、休憩所下の和子さん夫婦宅です。母屋のトタン大屋根から滑り落ちた雪が裏側の下屋に山盛りになっており、下屋が押しつぶされないか心配です。

屋根の雪を降ろす場所の除雪

まずは、下屋の雪を放り上げる場所の除雪作業です。左上は、30cmくらい間隔の空いた藤棚ですが、雪が間から落ちずに50cmくらい積もっており、びっくりです。

下屋の屋根の除雪中

下屋の上にたまった雪がかなり除雪できました。もう少しです。

できましたよ、和子さん

下屋は掘り出せましたが、その前は屋根の高さまでの除雪で時間切れです。でもまあ、よくがんばりました。若い学生さん達のパワーは、やはりすごいです。7人で2時間の成果です。

下屋の掘り出し作業

▲ 2箇所目は一人暮らしのシズカさん宅です。茅葺き屋根に瓦模様のスレートをかぶせた大きなお宅です。

下屋の軒先はまだ下の方

家の裏側の下屋が完全に雪に埋まっており、その掘り出し作業です。手前下の黒いところが顔を出している下屋の軒先です。この前の除雪作業の時はまだ雪の上に出ていた電線も完全に雪の下です。

まだまだだよ

5人でがんばりましたが、しっかり屋根を掘り出すところまではなかなかです。雪の持ち出し場所に困ってきました。

すっぽり埋まった下屋

▲ 3箇所目も一人暮らしの弥生さん宅です。大屋根が出ているだけで、家がすっぽりと雪に埋まっています。

屋根へ登ります

下屋の軒先がかろうじて左下に見えていますが、 深雪の中にすっぽりです。

家の出入口を確保

家の裏側の除雪に精一杯で、前側は大屋根まで雪がつながっています。大屋根に頭をぶつけないよう、低くなってしか通れませんが、何とか出入口は確保できました。

重機での除雪作業

▲ 重機を使っての除雪作業も続いていますが、大雪のため足場が不安で、大変な作業です。

老夫婦での雪降ろし作業

▲ 自力で何とか頑張っておられる老夫婦もおられます。毎日大変な作業と気苦労です。

終了後の笑顔

▲ 作業を終了し、合力の家の前で学生さんたちと記念撮影。みんな良い笑顔です。大変お世話になり、ありがとうございました。大変な不安の中で暮らす上世屋の方達に非常に喜んでいただくことができました (^_^)v <midorimushi>

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平成24年2月12日(日) 宮津市木子(きご)

高山ブナ林を遠望

3メートルほど積もった大雪の丹後半島の高原、宮津市木子(きご)から上世屋へ、ガイド部会の研修会を兼ねて、スノーシューウォークを行いました。時々青空も眺められる天候にも恵まれ、一般参加5名をまじえた総勢14名で雪山を楽しみました。

雪の壁の間で出発準備出発前の準備運動

背丈を越える雪の壁の前に勢揃いして念入りに準備運動を行い、スノーシューやカンジキに身を固めて出発です。

雪原ウォークに出発

湿原地帯も全くの雪野原です。締まった雪の上に60センチの新雪が積もって数日後であり、膝下あたりまで沈みますが、気持ち良く歩けます。

藤の実をゲット

藤の木にいっぱい豆(実)が残っています。これを囲炉裏で焼いて食べるとうまいので、少しいただきました。

ウサギの足跡の多い斜面でバイナゲ猟の講習

ウリハダカエデやシデの林の中も天気が良いので最高です。この木子で古くからやられていたバイナゲ猟(ウサギ捕り)を教わりました。2月9日に猟師さんから習ったやり方の伝達です。ワラグツやサンダワラ(米俵の口を封するワラ製の円盤)、または桧木の枝でつくった環などの投げやすくて音の出る物を投げて、その鷹の襲来のような音にびっくりしてウサギが木の元の雪穴に逃げ込んだのを手づかみする猟法です。ウサギの習性をうまくつかんだベテランにしかできない猟です。

大雪原から高山ブナ林を遠望

3メートルの積雪で、どこでも歩ける雪野原です。休耕田です。向こうに高山のブナ林が遠望できます。でも気を付けないと斜面のデコボコも見えにくく、雪の下の空洞もわかりません。水路の近くは十分な注意が必要です。

女性に囲まれ幸せな記念写真

女性に囲まれて記念写真を撮ってもらい、大変幸せなウォークです。

高山をバックにみんなでバッチリ

丹後半島で最高峰の高山(704m)を遠望しながら、記念写真です.お天気が良くて最高です。雪にいろどられて、山の谷が良くわかります。

合力の家の薪ストーブ

無事に下ってきて、上世屋の合力(こうりょく)の家に到着。薪ストーブが暖かいです。

囲炉裏で豚汁豚汁とキュウリの奈良漬け、おにぎり

囲炉裏では豚汁を温めて待っていてくださいました。煙が目にしみますが、何とも良い風情です。豚汁はたくさん作っていてもらい、地元で作ったキュウリの奈良漬け、そして無農薬栽培・稲木天日干しコシヒカリのおにぎりと、贅沢な特上品が並びます。ほんとに美味しかったです。ありがとうございます。

自治会長さんからごあいさつ

自治会長さんからごあいさつをいただき、美味しい昼食でのんびりして、午後はみんなで上世屋地区の老人家庭3戸の雪かき合力に行きました (^_^)v   <midorimushi>

宮津市上世屋は警戒積雪量2mを大きく越える大雪です。世屋・高山ガイド部会では、日頃お世話になっている上世屋地区の皆さんが疲れ切っていると聞いて、昨2月1日に5人の部会員が雪かきの合力(こうりょく)に出かけました。

道路はロータリーでしっかり除雪されていますが、すごい雪の壁です。我が愛車のずっと上まで雪の山です。

上世屋の道路に止めた愛車

藤織り保存会・合力の会、里山ネットワーク世屋及びガイド部会の有志7名で、人の背丈を超える雪の壁の中を歩いて作業に向かいます。急斜面の横では雪崩が起きそうな状況です。屋根からの雪も滑り落ちてきます。

除雪された道路

自力でできない老人家庭を訪ねて、下屋(げや:一階に差し出して取り付けられた片流れの屋根部分)がつぶれないように、大屋根から落ちてきた雪を取り除く作業です。下屋は足下あたりです。踏み固めた狭い通路を下ったところが家の出入口です。

雪に埋まった民家の入口

雪囲いの内側

しっかりと雪囲いが設置されていますが、雪に埋まっています。

この雪にすっぽり埋まった形の家で、おばあさんが一人で暮らしておられます。

入口付近は何とか除雪されていますが、そこ以外は下屋が雪に埋まって、家の中に明かりが入りません。

雪囲いの出入口

足の下の下屋を守るために、雪を運んで取り除きます。雪と格闘中

電線も埋まりそうになっています。

電線も雪に埋まりそう

下屋の屋根を掘り出して見ました。足下の黒いのが瓦です。3m近い雪の下です。

午前中の2時間、3人がかりで家の一側面と裏側の半分を除雪するのがやっとでした。

下屋の屋根を掘り出したよ

午後は世屋高原休憩所への登り道「野菊の坂」横の作業場屋根の雪下ろしと落とした雪の除雪です。屋根の上からの眺めは良いけど、みんな雪に埋まっています。

屋根の上からの眺め

屋根の雪下ろし

トタン屋根なので、命綱を付けての作業です。まあ落ちても深い雪の中なので怪我はしないでしょうが、雪の中に埋まってしまうと大変です。

5人がかりで3時間で何とか下屋に落とした雪の除雪も完了できました。

熱くておいしい生姜湯をいただいて、作業をおえました。

<midorimushi>

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