宮津エコツアー · 9月 2013

9月 2013

“月月に 月見る月は 多けれど 月見る月は この月の月”

(詠み人知らず)

今年の中秋の名月は9月19日、しかも満月になるとのことです!

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さてお月見は旧暦の時代の習慣です、稲刈りは今よりもっとあとでした、収穫を前にして台風もこれから、そういうことがおこらないようにということを祈願する儀式なのです。

団子や里芋をお供えします。、 萩を飾るのは、神様がお供えをいただくための「箸」の意味ということです。 ススキは切り口が鋭いことから魔除けの力があるから。

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ここは世屋高原休憩所二階展望フロア、

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東南方向に広く開いた窓はお月見の新名所、

「あなただけのお月見、お手伝いしますよ(^.^)

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キャンドルの台はナツガキの殻、

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ここからいただいてきました。

 

なんですって、、、「シュウメイギク」は「菊」ではない?

ちょっと驚きます(^.^)

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古い時代に中国から入ってきて野生化している帰化植物で、「秋明菊」の名前が古文献にfは記載されているということです。

しかし、、 学名:Anemone hupehensis var. japonica。アネモネとあるように、キンポウゲ科の植物の一種なんですって、、、。

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本草学者貝原益軒さんは、 「秋牡丹」と呼んでられるそうです。

こちらはアキノノゲシ、

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「ケシ」と名のっておられますが、こちらはキク科。

 

かおるさんの畑の自慢は、牛糞と草をたっぷりとすき込まれた土です。

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ピーマンもなすびも木は硬くて太くて林の木のよう。

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ツヤツヤと光るナスビ、

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黒々と風に揺れるサトイモ、

緑の水を空に放たんばかりのヤマノイモ、

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みんなその苦労に応えています

一説によると、、、、

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この花の色、あなたは何色とおもいます?

茶色、こげ茶、紫、えんじ色、、、、。

花に聞いてみましょうか

「わたしの色?紅のつもりだけど、見えない!」 といったとか。

「花が自分で言っているのだから、私たちもしたがいましょうよ」で「我亦紅」(^.^)。

、、、、かなり「くるしい」ですえ!!

もう一説は、インドにあるもっこう木香という植物に対して、「吾」の国の木香というので、「吾木香」。インドの植物に対抗するぐらいですから、かなりの薬草。タンニン、サポニンを含んでいて、止血、下痢止めあるいは口内炎、かぶれ、汗疹などにも薬効があったということです。

説得力はこちらにありそうです。、

日本の山野でごく普通に見られる植物ということです。しかし、世屋の里、だいぶん探しましたが見当たりません。これは移植した物です。

黄金色に色づいて波打つ稲穂への感動は古代から連綿と続く国民的なもの。

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「波音の稲がよう熟れてゐる」 と 山頭火さん。

「熟れて垂れて稲は刈られるばかり」とも。 その通りの秋です。

実った稲穂に触れた虚子さんは、

「握り見て 心に応ふ 稲穂かな」。

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万葉集でも、

「わぎもこ(我妹子)が なり(業)と作れる 秋の田の

わさほ(早稲穂)のかづら 見れど飽かぬかも」

(あなたが心を込めてお作りになった秋の田の稲穂で作ったかづらは、ずっと見ていても見飽きることがありません。) と大伴家持さん。

しかし、この美観、心の原風景の彩りもピンチです。グローバルな時代とはいうもののTPP交渉等で揺らぐことがあってはこの景観は崩壊します。ほんとうの「互恵」とはなにか、しっかりと議論して欲しいものです。

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ちなみに金色は、黄緑・黄色・オレンジ・赤が混ざって、ややオレンジ寄りの乱反射せず強い指向性を持つ色なんだそうです。

 

「秋雲の 下そこはかと 人住めり」  角川源義

ほほーん

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「飛ぶ鳥を こえて行なり 秋の雲」  一茶

ふーむ

 

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「天高し 雲のひらくに せばむるに」  皆吉爽雨

うーん

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「天蓋の 高きを知るや 巻層雲」   たかし

うんうん

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秋の高気圧は大陸生まれ、海洋希の高気圧と比べると水分が少ないので、空が青く澄んで天が高く見えるのです。

「世屋の里 稲木の上の 天高し」世屋野蕪村

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こうゆうのを天タカ俳句というんですって(^.^)

ツユクサにミツバチ、、、

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アキノノゲシにミツバチ

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ヤマハギにミツバチ

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幾つの花が咲いているのだろう

幾匹のミツバチが飛び回っているのだろう

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(↑ たつおさんげがまず稲刈り)

必ず 冬は来る

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(↑ ニンジン、大根を蒔く守さん)

人が稲を刈り、大根を蒔くように

「合力(こうりょく)」しあって冬に備える生き物たち

このミツバチに迫る暗い影があるといいます。大量に巣に戻ってこない、大量に死ぬ!

異常気象なのか、ストレスなのか、ダニなのか、農薬なのか、、、

今クローズアップされているのが農薬説。中でも「ネオニコチノイド系農薬」。

EUでは、使用停止に踏み切ったということです。メーカーは当然そんかことーと空とぼけていますが、「疑わしい物は罰せよ」と、二年間ながら使用を停止して調査研究するそうです。

この 「ネオニコチノイド系農薬」、カメムシに有効というので、日本でも稲作に欠かせない農薬になっています。

、、、生態系を守った上で農業を!という命の里の意味を、世屋のミツバチが語っています。

 

 

日本の自然や生活に根ざした詩人といえば、 田中冬二。

その1つに 「くずの花」

・・・・・・・

ぢぢいとばばあが

だまって湯にはひってゐる

山の湯のくずの花

山の湯のくずの花

・・・・・・

露天の湯船の側に迫って咲くクズの花には、じいさんとばあさんの心の通い合いが聞こえるのでしょう。自然が人間を包み込む美しい詩です。

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山の湯というのは、越中の黒部峡谷から、一寸側へはいつた谷間にある黒薙温泉でのことといいます。

簡潔な四行詩ですが 「或は書いては削り、あすこまでするのに半年位かかった。制約を極めた作品である。」と作者。

「ぢぢいとばばあが

湯にはひってゐる

だまってはひってゐる

山の湯のくずの花

山の湯のくずの花」

だったり

「ぢぢいとばばあが

だまって湯にはひってゐる

山の湯にくずの花

山の湯にくずの花」

だったり

「ぢぢいとばばあがだまってはひってゐる

山の湯にもくずの花」

だったり、、

“制約を極めた”と冬二さんがおっしゃるその過程を遡るのも楽しいことです。

 

 

 

この空の色、何日ぶりでしょうか(^.^)

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(↑ 弥栄町国営奈具岡農道)

夏から秋へ、「太平洋高気圧」と「オホーツク海高気圧」とがオシクラマンジュウする時期、今年は勝負が複雑に長びいて大雨竜巻被害を出したりしていました。が、 ようやく決着がついたようです。 吹く方角が季節によって変化する風、モンスーンの方向も変わりました。

それにしてもよう書いたものです、「氵」に「竜」「龍」で「滝」!滝は、「太平洋高気圧」と「オホーツク海高気圧」とのオシクラマンジュウの産物です。

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(↑ 銚子の滝 2013.9.4)

ですから、その龍は「太平洋高気圧」にはかないません!2012.8.26の銚子の滝!

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20mの懸崖を濡らす水も、底までたどり着けず、乾いてしまうような常態でした。

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(↑ 13.9,2)

無くてはならず、かといって多すぎても近寄りがたく、ほどほどにあるのがいいのが滝の水。

 

 

 

 

雨上がりの里に響く草刈り機の音。

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守さんが、和子さんの植えたマリーゴールドのソバに生え込んだ草を刈っている。

誰に頼まれたことではないけれど道端に花を植え、、誰が言った訳でもないけれど草を刈る!

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美化が、、阿吽の呼吸で図られる、それが村だ!

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