黄金色に色づいて波打つ稲穂への感動は古代から連綿と続く国民的なもの。
「波音の稲がよう熟れてゐる」 と 山頭火さん。
「熟れて垂れて稲は刈られるばかり」とも。 その通りの秋です。
実った稲穂に触れた虚子さんは、
「握り見て 心に応ふ 稲穂かな」。
万葉集でも、
「わぎもこ(我妹子)が なり(業)と作れる 秋の田の
わさほ(早稲穂)のかづら 見れど飽かぬかも」
(あなたが心を込めてお作りになった秋の田の稲穂で作ったかづらは、ずっと見ていても見飽きることがありません。) と大伴家持さん。
しかし、この美観、心の原風景の彩りもピンチです。グローバルな時代とはいうもののTPP交渉等で揺らぐことがあってはこの景観は崩壊します。ほんとうの「互恵」とはなにか、しっかりと議論して欲しいものです。
ちなみに金色は、黄緑・黄色・オレンジ・赤が混ざって、ややオレンジ寄りの乱反射せず強い指向性を持つ色なんだそうです。