「食事中なんだ、話なら、あとにしてくれないか」
失礼いたしました、
ミスターヤマカガシ、ユーは何をお召し上がりなんですか?
「これだよ」
オー、ヒキガエル!
「あんたも食ってみるかい?」
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ヤマカガシ
1932年に咬傷時に出血傾向が見られるなどの数例の咬傷時の報告例はあったが、以前は無毒種であると考えられていた[7]。咬傷時の症状がブームスラングと一致すること・後述する死亡例などから、1974年に有毒種と報告された[8]
毒性は強い血液凝固作用で、血管内で微小な血栓形成を引き起こす[9]。咬傷直後には局所的な激しい痛みや腫れはあまり起こらない[9]。毒が患部から血液に入ると、血液凝固作用によりフィブリノーゲンが大量に消費される[9]。フィブリノーゲン、続けて血小板が血栓の形成に伴い減少することで全身の血液が止血作用を失う[9]。並行して血栓を溶かす作用(線溶血性)が亢進し、毛細血管が多い鼻粘膜・歯茎・消化器官・肺からの出血、全身の皮下出血を引き起こす[9]。出血あるいは血栓が原因と考えられている一過性の頭痛が起こることがあり、頭痛が発生した場合は毒量が多いと考えられ重症化する例が多い[9]。赤血球が血栓で狭窄した血管を通る際に損傷し、赤血球内のヘモグロビンが血中あるいは尿に溶出するため褐色尿も見られる[9]。重症例では脳出血・急性腎不全・DICなどを引き起こす[9]
頸部皮下にも毒腺(頸腺)があり[9]、頸部を圧迫すると毒が飛び散る[2]。目に入った場合の症例として刺激痛や結膜炎・充血・角膜混濁・デスメ膜の線状混濁・角膜知覚麻痺・瞳孔反応の遅鈍・縮瞳・散瞳・虹彩炎などがある[10]。2007年に本種が獲物であるヒキガエル類から得た毒物(ブフォトキシン)を蓄積し、頸腺の毒として用いているという説が提唱された[11]。この報告例では岡山県・京都府産のメス4個体にモリアオガエルとヤマアカガエル・キンギョのみを与えた後にアメリカ合衆国に送り、これらの個体から得られた幼蛇の頸腺に毒物が含まれているか検査するという方法が用いられた[11]。このうち1個体を除いてこの実験では母親となった3個体では頸腺から毒物は検出されないかほとんど検出されておらず、捕獲以前からヒキガエル類を長期間捕食していなかったことが示唆されている[11]。これらの幼蛇からは毒物が検出されなかったが、アメリカ合衆国に分布するヒキガエル類Anaxyrus quercicus(2007年の時点ではBufo quercicus)の幼体を餌として与えると頸腺から毒物が検出されるという結果が得られた[11]。ヒキガエル類が分布しない金華山産の個体はヒキガエル類を食べていないと仮定し、金華山産の個体でも同様の実験が行われこちらの実験では幼蛇の一部に餌としてニホンヒキガエルが与えられた[11]。餌を与えなかった幼蛇やニホンヒキガエルを食べなかった幼蛇では頸腺に毒物は検出されなかったものの、ニホンヒキガエルを餌とした幼蛇の頸腺からは毒物が検出されるという結果が得られている[11]。