人々の祈りの場、神社を巡るのが毎日新聞の正月記事。正月だから神社、は普通。けれど記者は阿部さん。切り口が違います!「異常気象が当たり前に起きる時代!が迫っているとして、そんな時代をどう受け止めればいいのだろう、、」と。
自然の前に人間は無力であるというのはウソ、人は力を合わせた、そして祈った、人事を尽くして天命を待つ、天命を待つというのは別の言葉では祈るということ!寒暑豪雨豪雪旱天など気象の異常はその地域特有の形であらわれるわけで、その地の闘いと祈りの歴史に着目されたわけです。 たいへん興味深いシリーズです。
さて、大地の美というのが天と地と人との葛藤のバランスだとしたら、学術的にも注目される典型的な地滑り地形・世屋の棚田はまさに極致の美。
その真ん中に鎮座されているのが世屋姫神社。 かって湖沼に堆積した土壌が隆起して形成された世屋高原、崩れるのは宿命です。
しかし、ずれて崩れたら、新たな棚にしての田畑の経営、狂気にも似た絶望的なけれど楽天的な生活愛によって今に至っているのです。尾根のブナをなぎ倒し、稲のかかった稲木を引っこ抜いた台風二十三号の記憶はまだ生なましいとろ、そんな大規模な地滑りを誘引する豪雨豪雪に、過去幾度も見舞われたのでしょう、なぜここに世屋姫様?と問えば、ここしかないでしょ、と返事が返ってきそうです。大きく崩れることなく、田畑を守ってくだされと。
異常気象と祈りと暮らし、世屋の里でも大切なテーマです。