ほほう ゲンゴロウ米ですかぁ
(毎日新聞2018,01.17)
この森本・三重田んぼはこんなところ
丹後半島の西の端っこに面し左に山田断層を形成して隆起する山に囲まれ盆地状になった平野です。
ここに動植物5668種とも。両側の山にはいくつも小さな谷があり、そこにはため池もたくさんあります、コンパクトですが環境が複雑なのでこんなにたくさんの種類が生息しているんでしょうね。
さて、話題のゲンゴロウ米、ちょっとかんがえてもいいのではないの、と思いました。
理由その①
話題のゲンゴロウ!日本全国ゲンゴロウはゲンゴロウでしょという雰囲気なのです。が、そうではない、
ちょっとチェックしてみると「新潟 ごうがめ 魚津 がめ、沖縄 カーミーグワー」!
がめとは形が亀のようなのでとは見当がつきます。沖縄でも「カーミ」とは丸いドーム状のもの、さらに、小さいものには「ぐわー」をつける、それでカーミーグワーと謎解きされています。
学校教育の普及とともにごうがめもカーミーグワーも姿を消していったのでしょう。昆虫方言は絶滅!そんなことを思うと、絶滅危惧種ゲンゴロウが息づいているので、という命名も一ひねりしたいですね、「ごうがめ米」とか「カーミーグワー米」とか。ちなみに「竜蝨」という漢字をなんて読むかと問題を出されると正解する人は何人あるでしょうか、正解は「ゲンゴロウ」!
理由その②その「新潟 ごうがめ 魚津 がめ、沖縄 カーミーグワー」をほうむりさった「ゲンゴロウ」とは何者!チェックしていると素敵なブログに遭遇、「奥比叡の里より「棚田日詩」 | 強欲代官tanada-diary.com/5399」。
引用させてもらいます。
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漢字で書けば「源五郎」、どう見ても人の名前である。落語に出てくるどこかユーモラスな人物をイメージした。それが不思議でネットで調べてみることにした。やはりネットにはあるものである。「杜の日記」というブログに面白いことが書かれていた。全文引用させていただくことにした。
『ゲンゴロウの語源については二説がある。一つは民話。むかし、貧しいが親孝行な少年がいた。自分は木の実を食べながら病気の母を看病していた。ある日、木の精霊が少年を憐れみ打ち出の木槌をくれる。それは人を助けるために振ればいくらでも金を産むが、欲のために振れば体がだんだん小さくなるという不思議な木槌だった。少年はそれで小判を振り出し、高価な薬を買って親の病気を治した。この噂が評判になると強欲な代官の源五郎が木槌を取り上げてしまった。ある日、代官の姿が見えなくなった。怪しんだ村人が代官屋敷に行ってみると小判の山の下から一匹の虫が這い出してきた。我欲のために木槌を使った代官は体がだんだん小さくなり、遂に虫になってしまったのだ。それ以来、村人はこの虫を源五郎と呼ぶようになったとさ。
もう一つ、この虫が琵琶湖に棲む源五郎鮒の幼魚を好んで食べるからだという説もある。では源五郎鮒の語源は? ・・・これも民話が謂れとなっている。源五郎という男が天狗に貰った豆を蒔くと、天まで届く大木になる。男はそれを登って天に行き、雷と出合って雨を降らせる手伝いなどをする。ところが雨を降らせ過ぎてできた琵琶湖に落ちて鮒に変身してしまう。これが源五郎鮒というわけ 』
源五郎さんは人のいいおじいちゃんかと思っていたら、なんと強欲代官だったとは思いもしなかった。ひょっとすると、彼らの体型が小判を想像させたのかもしれない。いずれにしてもこの地球上で、強欲な生き物は人間だけだと思っていた。人間のような財産や所有というもののない昆虫たちの世界に強欲はない。彼らは、生き、そして子孫を残すために必要なものだけを求めている。実に慎ましやかな存在である。だからどうしてこの虫が強欲代官と結びついたのか? 少し申し訳なくもあり、可哀そうでもある。
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どうやら「ゲンゴロウ」というのは「実在」する人名。しかし「きんじろうさん」というように尊敬されるタイプでなく強欲だったりそそっかしかったりする人だった、つまり「さん」付けで呼ばれるような人ではなくて、、あの「ゲンゴロウが」と呼び捨て、後ろ指をさされるような人物であったということなのです。
まあいえば、「げんごろう」というのは、「嘲笑語」。ゲンゴロウに稲を食べるとかがあるのなら、お百姓にとってそういうむしだ、と疎まれ、そういう嘲笑語に置き換わるのに抵抗がなかったのでしょうが、そういうことはありません。つっこむようですが、「ゲンゴロウ米」は気持ちはわかります、売ってあれば買いますよ、が、引き合いにだされた「げんごろう」くんの戸惑い顔も浮かびます。
ところで、気になったのが源五郎話のなかの「木の精霊が少年を憐れみ打ち出の木槌をくれる。」のところ。打ち出の木槌をくれた『木の精霊」とは、樹種を特定するのでしょうか。特定するとしたら、どんな木なのでしょうか、それにこだわってみたいと思いました。