何を考えているのかね 君は?
1月になるかならんかのころには咲き始めて、雪ぼうしをかぶってもへいちゃらだし、
①花に匂いは無いし、②色は真っ赤だし、赤いもの ③花びらは、高いところから落ちても壊れないほど丈夫だし、、
それに、甘い蜜をたっぷりだしているのに、「ツバキ蜜」が市販されてはいない!
考えて見ると複雑な花です。
なんじゃ、これは? とおもっていたら、お答えしましょう、と次のように講義してくださいました。。
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1 開花期の謎
花のルーツは南方にあり、9月頃から入る休眠の眠りがとても浅いのです。なぜかといえば、南国の気候は、日本などのように四季がはっきりしていません。そのため冬が来たといっても気温がほんの少し下がるだけなので、桜などのように深く眠ってしまうと、その微妙な変化に気付かないのです。つまり眠りが浅く、気温のちょっとした変化に敏感なツバキは、1~2月頃に少しでも暖かい日があると、眠りから醒めて花を咲かせてしまうというわけなのです。
2 花の色、花びらの堅さ、ツバキ蜜が集められないなどの謎
ツバキはトリが受粉させる鳥媒花です。そしてツバキはトリのために様々な工夫をしていました。ツバキの花びらは、一見すると5枚あるように見えますが、実は下のほうですべてつながった1枚の花びらだったのです。そのためトリが勢いよく飛びついてもはがれないほど頑丈なのです。さらに、花の根元は大きなガクでガードし、内部もおしべが固い筒状になることでトリが花粉の付く正面からしか蜜を吸えないようにしているのです。
鳥媒花植物の花は、赤いものが約80パーセントを占める。花には模様が無いものが多く、鳥が止まりやすいよう、花器は固くなっている。 虫媒花の植物に比べ花期が長く、匂いがほとんど無い。これは鳥の嗅覚が鈍いためである。 蜜は大量に出し、味は割合薄くなっている。 また、ほとんどが昼に花を咲かす。
◆ 白昼の 椿に舌を 入れる鳥 ロッキイ
また、「赤いものが約80パーセントを占める。」という鳥媒花植物の花の色。信号の赤信号の理屈で説明できるそうです。
つまり、「色には波長があり、この波長が長ければ長いほど人間は色を認識しやすい。信号に採用されている「青・黄・赤」の3色は全て波長が長く人間の目で認識しやすい色になっています。特に赤に関しては色の波長が長いことと、視神経を強く刺激する色であったため、重要な止まれの色に赤が割り当てられることになりました。」鳥は、この三色に加えて、紫外線も受容できる力があって、4色を組み合わせて見ているということですが、鳥媒花は、そのなかで、赤の色の持つ性質を採用したと言うわけです。
虫のいない季節に咲くと決めたのですが、受粉というその大役を鳥に委ねることでその課題をクリアしようとしたツバキ、ではその色は!試行錯誤した結果、赤に行き着いたと言うことなのでしょう。
◆ 紅ほのと 見えて隠れて 藪椿 稲畑汀子