大槻さんのお宅に伺い、ホオの絵を拝見させていただきました。
ホオを描かれた墨絵です。
墨の濃淡で描く技、相当な修練の賜物と見入りながら、灰色の滑らかな幹はそういえば墨絵に向いているときずきました。
さて、宝石や花のように木にも誕生月があって、このホオ、九月の「誕生樹」、樹言葉は、「友情」なんですって。
このホオをこよなく愛したのが、宗教詩人のと、坂村真民さん。
朴よありがとう 朴の花がつぎつぎに花ひらく 本当に今年はうれしくありがたい 念ずれば花ひらく まったくその通りだ
朴よありがとうありがとうと 何百ぺんとなえても少ないと思うほど うれしくありがたい朴の花よ
(坂村真民全詩集 第四巻より)
真民さんが、もひとつ愛されたのはタンポポ。
朴とタンポポ
わたしが一番好きなのは
朴(ほお)とタンポポだ
一つは天井高く
枝を伸ばしてゆく
野の木であり
一つは地球深く
根をおろしてゆく
野の草だからである
この天井的なものと
この地上的なものを
こよなく愛するがゆえに
願えることなら
この二つを
わたしの眠るかたわらに
植えてもらいたい
風ふけば
朴の花は
ほのかに匂い
タンポポの種は
訪れた人の胸にとまって
わたしの心を
伝えるであろう
山のシンボルが朴、
限りなく里山の本質をとらえた言いえて妙な詩です。
ちなみに 朴の雑学。
ホオモクレン科 | 広葉樹
乾燥後の狂いが少ない事もホオノキの特徴のひとつです。
また、狂いが少ないという良い特徴を持つ事から木工家が使う下端定規の材料などにも用いられます。
ホオ | 朴 | ホオノキ | 木材博物館
名前の由来・・・ホオノキの「ホオ」は、「包(ほう)」の意味で、大きな葉で食べ物などを包むことに由来する。
木言葉【友情】
ホウノキの「ホウ」は「包む」の意味で、大きな葉に食物を盛ったり、包んだりしたことが語源といわれています。
万葉集にも「ほほがしは」としてホウの葉が詠まれており、「かしは(柏)」は食べ物を盛る葉のことで、古代よりホウの葉が食器代わりに利用されていたことが分かります。
あるんですね、宝石 花 以外に
ちなみに