宮津エコツアー · 冬風去れとフクジュ花 菜の花のごと 咲きており

冬風去れとフクジュ花 菜の花のごと 咲きており

フクジュソウAdonis ramosaは、キンポウゲ科。
「キンポウゲ科には、アルカロイドやプロトアネモニンなどの毒性のある成分を含んでいる植物が多くみられます。成分の一部は医薬品として利用されてもいます。毒の強さは、手折った時に汁に触れると皮膚がかぶれるものから、口にすると死に至る危険なものまであります。茎を切ったり折ったりしたときに出た汁が肌に触れると皮膚炎や水泡を引き起こすことがあります。」

食うな、食わば死ぬぞ!とフクジュソウは言っているのに、虫媒花です。この蜜でなければ物足りない、といって吸蜜するすごい虫がいるんですね、

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さて、能登半島の「のと」は、語源はアイヌ語で、突き出た形を意味する地形語と言います。丹後町の「後ヶ浜・ノチヶ浜」の「ノチ」同じという解説もあります。では、標準和名でフクジュソウという花を、北海道のアイヌの方たちはなんと呼んでらっしゃたのかなと思って、チェックしてみました。
札幌発のサイトに、語り伝えの説明が丁寧で、好感度120%の説明を見つけました。

https://homepage-nifty.com/y_misa/sansaku/haru/haru47.html

引用させてくださいね。

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「 正月の祝花用として栽培もされている福寿草は、元日草とも呼ばれます。根を煎じて飲めば強心剤としての効果もあるといいます。(え、?)
アイヌ語では「クナウ・ノンノ=クナウの花」と呼びますが、これは雷の神の末娘である霧の神クナウの名から付けられたものです。
クナウは神々のなかでも最も美しい女神でしたが、父の雷神は大地の支配者である醜いモグラの神と結婚させようとします。しかし、この縁談を嫌ったクナウは婚礼の席から逃げ出すと、ひとり草むらに隠れてしまいました。けれどすぐにモグラの神に見つかってしまい、その怒りにふれて一本の草、つまり福寿草に変られてしまったのだと伝えられています。

※ちなみに、これがモグラの地下王国の出入口。また丹後弁では「もぐらもち」

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では、どちらが古い形かというと、丹後弁のもぐらもち。平安時代には土を盛り上げるという意味で使われていた、その「もつ」が落ちたとされます。さらにこのモグラの漢字に『土竜』があてられて驚いているのが当のモグラ。『土竜』は中国ではミミズのことなのですから。、、、、

もうひとつ、魚のイトウ、アイヌ語ではチライが川を遡る頃に咲く花だということで、「チライ・アパッポ(イトウ魚の花)」という呼び方もされるようです。

野幌森林公園内では、春の初めに散策路沿いにたくさんのフクジュソウを見ることが出来ます。それこそ、どこででも見られる花なので、この花が『絶滅危惧種』に指定されていることを知ったときには、本当に驚いてしまいました。

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『絶滅危惧種』指定に驚いたとおっしゃってます。明るい広葉樹林の下が生育場所。都市化と園芸目的の採集そして、そこに生え込もうとする笹やススキ、竹等から守ってやれるかどうか、がポイント。そこを頑張ってらっしゃる所も多くありますが、その一つ。

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長野市七二会小坂地区のフクジュソウ群生地
1ヘクタールほどの斜面に約5万株が植わる。整備を行う小坂福寿草群生地愛護会の北島和彦事務局長(72)によると、花は2月末に咲き始めた。今月中旬に見頃を迎え、4月上旬まで楽しめる。27日まで、フクジュソウの苗などを販売する「福寿草まつり」を開催中。「急斜面に密集して咲く光景を楽しんでほしい」と呼びかけている。

この愛護会方式、上世屋でも参考にしてほしいとフクジュソウの呟けり、

その呟きを、受け止めて、

「冬風去れとフクジュ花 菜の花のごと 咲きており」

そんな状況を創りたい、ですね。

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