宮津エコツアー · 大伴家持さんの見たカワラナデシコは!

大伴家持さんの見たカワラナデシコは!

2012/06/24

ナデシコ満開!

ただし、今咲いているのは、移入した栽培園芸種。

地物ナデシコに先立って一足先に咲きました。
ナデシコはキクやサクラソウ、ハナショウブ、アサガオなどと共に盛んに栽培され、
「めづらしきなでしこ一重八重十重百重千重数百種あり。筆につくしがたく又なでしこにて撫子をはなれ物有」というぐらい、奇種、変種が作られたといいます。
今咲いているのは、茎が太く長く固く高く、花も大柄。 中国伝来のセキチクともかけ合わされて丈夫で長持ちして見栄えするよう改良されたものでしょう。
常夏の別名を持つほどに夏の日差しを受け、咲き輝きます。

生き物も、楽しんでいます。
一方、 在来の地物の世屋ナデシコは、栽培園芸種と比べると、細くしだれ、花が小さく優しいのが特徴です。


なでしこが、花見るごとに娘子(をとめ)らが笑(ゑ)まひのにほひ、思ほゆるかも
《なでしこの花を見るたびに、少女の笑顔の美しさを思い起こします。》
とナデシコを詠んだのは、大伴家持(おおとものやかもち)
彼が見ていたのは、改良される前のものであったはず。
「一本(ひともと)の、なでしこ植ゑし、その心、誰れに見せむと、思ひ始(そ)めけむ」
秋の七草に列するぐらいで、「万葉ナデシコ」が楽しめるのはもう少し先。

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