宮津エコツアー · ヒメヒオウギスイセンと「すってんしょ」と

ヒメヒオウギスイセンと「すってんしょ」と

2012/08/02

夏の里の風景になじんでいるこの花。

和名は、姫檜扇水仙。

しかし、外来種なのだそうだ。しかも、来日したころが特定できる。1879年にフランスで南アフリカ原産のヒオウギズイセンとヒメトウショウブ(姫唐菖蒲)が交配されできたものが姫檜扇水仙。

1879年といえば日本では文明開化にわく明治の初期、ショッキングオレンジと表現する人があるくらいアピールする色は、暗い封建時代を打ち破る西欧文明を象徴する花として、歓迎されたに違いない。

ところで、森の民の村・木子の方言に「すってんしょ」という言葉があることを木子小学校に赴任した先生が記録している。駅という言葉があるのに、木子ではすってんしょと言っていると。1872年(明治5年)に開業した鉄道はイギリスからものも人も言葉もセットで導入した。「ステーション」は文明開化の感動を伴って全国津々浦々に広がった。姫檜扇水仙も鉄道網の広がりと共に全国に広まったのではないだろうか。


盆花として欠かせない花になったが、今では手折る人も絶えてしまった。

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