モクレン、黄花種。
「モクレンは巨木になります。花美世屋の幸せの黄色いモクレン!見守ってくれましょうぞ」と御伊勢様も太鼓判。
イエローバードという品種名にころり、でした。
さて、色はともかくモクレンのおもしろいのは、風にゆだねるより虫に頼む、これのほうがより確実だと気づき、花を発達させた植物のもっとも古い形を伝えていること。そして、この花と関係を結んでいるのはコガネ虫たち、自家受粉しない仕組みを作った上で花粉を食べさせて、体についたのを他の花に運んで貰うのだそうです。
白雲や 林檎の花に 日のぬくみ 大野林火
♪君なき里にも春は忍びよりぬ♪、リンゴは早春の花、というのは春の遅い北国のはなしで、花美世屋では、桜、やまなし、そしてリンゴの順です。
山里暮らしの楽しみにうえられたものでしょう、花美世屋にいまでも残っているのを数えると6本。
さて、林檎といえば、島崎藤村の新しい時代の到来を告げた「初恋」
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな
林檎畑の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ
遠い信州に行かずとも初恋を偲べるのですからありがたいことです。
牛鳴いてのどかなるかな花林檎 星野立子
苗代や 林檎の花は 散りつくす 正岡子規
高原とはいえ暖地でリンゴをならすのは大変手のかかることなんだそうです。世話をする人がいらっしゃった頃は実もなったそうですから、、草刈りくらいはして、何とか一つくらい、小さくても実をみてみたいものです。
金引きの滝から題目山~妙見山~平岩山~滝上山と宮津の里山を巡って来ました。
この日はお昼から晴れ予報で少し青空が出かけています。
まずは金引きの滝スタート
日本の滝百選にも選ばれている滝です。
なかなか見られないこの向きの天橋立。このコースの中間点
コースの半分ぐらいから杉山が望めます。
右奥に見えるのが滝上山展望台。12時40分過ぎに金引きの滝を出発~滝上山へ降りたのが16時25分頃少し早足で回りました。約6キロの健脚コースですが素晴らしいコースです。
谷うつぎ前線が、下世屋まで登ってきました。
5月の連休ころにこの花に出会えるのが毎年の楽しみ。丹後に住んでよかったぁ、と思わせてくれる裏日本植物の一つです。
『ヤマウツギ、ウツギ、タウツギ、ミヤマガズミ、サオトメウツギ、サツマウツギ、エイザンウツギ、カンザシバ、カザ、ガサノキ、ガザ、ガサキ、ガジャ、ガサ、ガンジャシバ、ガンザノキ、カサノハ、ガンジャ、ガジャバベニウツギ、ベニザキウツギ、アカウツギ、ボタウツギ、ヘイナイウツギ、ドウダンウツギ、アカツゲ、ヘイナイ、ズクナシ、アカチョウジ、ケタノキ、ヒキダラ、ミヤマガマズミ、シイバナ、イワシバナ、イワスンバナ、ウノハナ、ドオッペ、カジバナ、タウエバナ、カテノキ、シャボングサ。』などを上原敬二さんはその著 樹木大図説Ⅲに集めていらっしゃるということですが、
タニウツギを上世屋ではひいながさいたら粟を蒔けと「ひいな」、弥栄町舟木では「ひいなご」とよんでいることについては、調査が及んでいないようです。その解釈のポイントは
「な」なんでしょう、つまりおひたし、和え物、みそ汁、ご飯に混ぜるなど食用にしたということです。りょうぶも「な」を含む方言がある、「ギョーブナ(静岡・愛知・熊野・奈良)、ジョーブナ(三重・奈良・和歌山)、サダメシ(青森・岩手・宮城・秋田。サルナメシの転訛か)がそれで、このナは食糧となる『菜』を意味する。」と和泉光一さんがおっしゃっています。
慶長検地資料に残っている山の田の生産力では、よくできる田 豊作で4俵、平年で三俵。馬肥が使えるのはわずか、草をいれるだけ。病虫害防除の方法も知らなかった時代、食べられるものを求め保存するのは、知恵でもあったのです。
ただ「な」はそうだとして、「ひい」という修飾語の意味は不明!ひもじさを救ってくれる葉ということなんでしょうか。
銚子の滝、ここがある物語の舞台になっています。。
『だまし討ちにされた一色家の残党が、復讐のために味土野に身を隠している玉子(たまこ)を狙っている。しかも玉子の警護役につけた一色宗右衛門が、この計略に加わっているという。
「まさか、そんなはずがあるか」
与一郎は打ち消したが、宗右衛門は一色家の出身である。だまし討ちに与一郎も加わったと考え、一門の者たちと行動をともにする恐れは充分にあった。
「馬を引け。供は無用」
大勢で行けば残党たちを刺激する。味土野は一色家の勢力圏の真っただ中なので、ひそかに行って玉子を安全なところに移すしか助け出す方法がなかった。
(玉子、無事でいてくれ。宗右衛門、わしを信じろ)
与一郎は心の中で祈りながら天橋立(あまのはしだて)を突っ切り、日置(ひおき)から山間の道に馬を乗り入れた。
世屋川(せやがわ)ぞいをさかのぼり、銚子(ちょうし)の滝の側にさしかかると、前方からかすかに剣戟(けんげき)の音が聞こえた。滝の水音にかけ消されそうだが、刃を打ち合わせる音にちがいない。
(もしや、敵が)
ここまで迫ったかと先を急ぐと、杉林の中で宗右衛門が斬り合っていた。四人の攻撃を、杉の木を盾にして懸命に防いでいる。すでに三人は討ち果たしていたが、自分も肩口に深手を負っていた。
「宗右衛門、わしだ」』
与一郎とは細川忠興さんのこと。ほほう!
作者作品名は安部 龍太郎・作『味土野へ』~ガラシャ物語。
はて、銚子の滝でこんなことがのう!!「味土野は一色家の勢力圏の真っただ中」だったかのぅ?
それにしても、こんな小説家がいらしたかしら、こんな物語があったんのだぁと聞いてみると、
『ガラシャ物語とは『ガラシャ物語全集 – OpenMatome
Amazon.co.jp: ガラシャ物語全集/京都フラワーツーリズム編 eBook: 花房観音, 宮木あや子, 安部龍太郎, 斎藤肇, 遠藤徹, 小林泰三, 寒竹泉美, TaMa, 京都フラワーツーリズム: Kindleストア
この作品は、京都フラワーツーリズムが提供する「ガラシャ物語」シリーズ中の一編として出版されています。
■「ガラシャプロジェクト」とは
2011年4月に、細川ガラシャ、明智光秀、細川幽斎、細川忠興ゆかりの長岡京市、宮津市、京丹後市、亀岡市、福知山市、大山崎町、舞鶴市の7市町が大河ドラマ誘致推進協議会を設立したことを受け、京都フラワーツーリズムは「ガラシャプロジェクト」を立ち上げました。
ガラシャプロジェクトでは、「ガラシャ物語」「ガラシャなび」で全国へ情報発信し、民間の立場で支援・協力していきます。
■「ガラシャ物語」とは
「ガラシャ物語」は、7市町のいずれかを舞台として、ガラシャ、光秀、幽斎、忠興のいずれかを描いた短編小説シリーズです。
ガラシャ物語の作品群はスマートフォンアプリやWebを通じて発信され、「小説・文学の力によるまちおこし」を目指しています。 「ガラシャ物語」とは
「ガラシャ物語」は、長岡京市、宮津市、京丹後市、亀岡市、福知山市、大山崎町、舞鶴市の七市町のいずれかを舞台として、ガラシャ、光秀、幽斎、忠興のいずれかを描いた短編小説シリーズです。』
「小説・文学の力によるまちおこし」を目指しています。』ということですから銚子の滝での剣戟!!「味土野は一色家の勢力圏の真っただ中」などという設定も可能なんですね。
宮津から天橋立、日置、世屋谷、上世屋、銚子の滝、単騎でかっ飛ばす姿は、さしずめダットサンハーリーにまたがったにいさん!
絵になるなぁとよみました。
けれども、当の地元にも一言下さいね、銚子の滝はどこですかぁ、ここで剣劇が繰り広げられたんですかぁ、味土野は一色家の勢力範囲だったのうと尋ねられたら、そんなことしりませんなぁじゃなくて、そうそうそうんなですってと話のつじつまをあわさんなんじゃぁないですか!
でないと「むらおこし」にはなりません!
ところで、ガラシャさんのお歌のとなりのやまふじ、満開ですよ。
フラワーツーリズムの言葉に甘えて一報、