2012/12/31
守さんは形も規格外なら、味も規格外の野菜を作るお百姓だ。
その守さん、特に里の虫たちからは好かれている。
農薬を使わない のが彼のポリシーだからだ。
「だいじょうぶなんですか?」
「結局なあ、美味しいものは、体力があって強いもの、虫なんかにも負けないもの。そのために まずたいせつなのは そういうものをつくることだよ、土と虫は洗ったら落ちるけれど、農薬と放射能は落ちない、そのためには土からだよ。
畦の草を刈って畝に置けば草は生えないし、肥やしになる。堆肥は雅君の牛小屋からもらう」
その話しをテントウムシが解説してくれました。
「これ、アブラムシ牧場。 アリが 家畜化してしまった 人がミツバチを飼育するように。
このアブラムシ アリに独占させる手はないだろ、俺たちの子育て 1日に、幼虫に20匹ぐらい、大人のおれたちでは100匹ぐらいいただかなければならないんだけれど、ありは樹液がたくさん出ているものに 移動もさせる、畑にも運んでやる、キュウリなんか格好の対象だ。
ありがこうやって1カ所にまとめてくれている、考えてみなさいょ、狐が1日にネズミ百匹も捕まえられる?ね、こんな美味しい話しはないんだ!」
生態系のバランスがあれば、ある虫の量が一定量に達するとどこからともなくそれを餌とする虫や鳥がやってきます。
守さんのはたけは、里の虫たちのレストラン!
植物が健康であれば、多少の虫がついたとしても大きな被害にはならないのです。
守さんの畑が、語っているのは、生物多様性保全の意味なんですね。