2013/03/07
僕の前には広漠とした岩畳な一面の風景がひろがつてゐる

その間に花が咲き水が流れてゐる
石があり絶壁がある
それがみないきいきとしてゐる
僕はただあの不思議な自憑の督促のままに歩いてゆく

しかし四方は気味の悪い程静かだ
恐ろしい世界の果へ行つてしまふのかと思ふ時もある
寂しさはつんぼのように苦しいものだ
僕はその時又父にいのる
父はその風景の間に僅かながら勇ましく同じ方へ歩いてゆく人間を 僕に見せてくれる

同属を喜ぶ人間の性に僕はふるへ立つ
声をあげて祝福を伝へる

そしてあの永遠の地平線を前にして胸のすく程深い呼吸をするのだ
(「道程」高村光太郎 から)
グッバイ!マイ・ウインター

グッバイ!マイ・ウインター

グッバイ!マイ・ウインター

グッバイ!マイ・ウインター
