世屋谷に 生うるヌルデは はや黄葉
それにしても、「ヌルデ」不思議な語感の言葉です。
この木は、聖徳太子と関係があるんですって、というと一万円を連想しますが、そうではなくて、蘇我馬子と物部守屋とが戦った時代に遡ります。疫病の蔓延という危機に、原因を異国の仏に求める物部氏と仏教立国を目指す蘇我氏が対立したわけ、馬子派の聖徳太子は当然馬子勝利を願う立場。太子は、馬子に勝利をもたらしたまえと祈念し、自ら仏様を彫られたと言います。その材が、この木。その効果があってのことかどうかは定かではありませんが、争いは馬子さんの勝利。そのエピソードから、「勝ちの木」と呼ばれるようになりました。
太子はなぜ勝利祈願の仏にヌルデを選ばれたのか、研究されていらっしゃる方がおられれば、教えてください。