東の村の男がいいました、「わしの村には小さな紫の花をつける草がある、その苦さといったら他に勝る物はあるまい」と。
西の村の男がまたいいました、「わしの村にも小さい黄色い花をつける草がある。その苦いことといったら世に二つとあるまい」と。
それではその苦さを比べて見ようではないかと旅のお坊さんに審判を頼んで比べたと言うんじゃ。
けれどもその苦いこと限りなくどちらも優劣つけがたい。引き分け!
それではただ苦いではつまらん、良薬口に苦し、効き目でどうかを比べようではないか、
たまたま西から来て病んで苦しんでおられる旅の方がいる、
一方東から来た病んで苦しんでおられる旅の方がいる、
それぞれ煎じた汁を飲んでもらって効き目を比べよう、そういうことになってなぁ、
そうしたところどちらの旅人も、みるみる元気になって旅を続けられたんじゃ。
と言うことでこれも引き分け、そこで、お坊様、苦さも薬効も優劣のつけがたい、この勝負は引き分けじゃ、
わしが名をつけて進ぜよう。紫の花には、病に倒れていた人を起こすほどであったので「クロバナヒキオコシ」、
医療を司る薬師様の乗り移られたような効き目を見せたによって黄色い花には「ヤクシソウ」。
いらい、それぞれ今でもそう呼ばれている。このお坊さん、なんでも弘法様とおっしゃるお坊さんじゃたそうな、、いちがぶらり、、(^.^)!