雪解けの沢水が美しくほとばしる畑の里。
さて、畑と言えば紙漉き。
黒皮から紙漉き用の白皮にするのに必要なのは大量のきれいなさらし水。
この水が畑で紙漉きを地場産業として発達させたのです。
その歴史をひもとくと、明治時代には輸出品としてまた、丹後縮緬機業関係との需要と結び付いて発展し、大正11年には「畑製紙組合」を結成。機械化による省力化も進められ、その繁昌は大正8年に水力発電を自前で導入するほど。また、戦前には火薬包装用にと軍需産業の指定も受けて増産に追われたともつたえられます。
洋紙に押され、縮緬産業の衰退などもあって、地域の産業としては幕を閉じたのは残念なことです。
けれどもその技術や用具は詳しく聞き取られ残されて、新しい活用者を待っています。