え!エコミュージアム?
ええ、エコミュージアム!
それ、なに?
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■①エコミュージアムは、1960年代後半に国際博物館会議(ICOM)の初代ディレクターであったリヴィエール(G.H.Rivière)がその概念を提唱し推進に尽力したものである。
リヴィエールの提唱した概念によれば、地域の人びとが自らの地域社会を探究し未来を創造するための家たる博物館であり、「地域社会の人々の生活と、その自然環境・社会環境の発達過程を史的に探究し、自然遺産および文化遺産を現地において保存し、育成し、展示することをつうじて、当該地域社会の発展に寄与することを目的とする新しい理念を持った博物館である」。
■②エコミュージアム(Ecomuseum)とは、エコロジー(生態学)とミュージアム(博物館)とをつなぎ合わせた造語で、ある一定の地域において、住民の参加によって、その地域で受け継がれてきた自然や文化、生活様式を含めた環境を、総体として永続的な(持続可能な)方法で研究・保存・展示・活用していくという考え方、またその実践である。
■③エコミュージアムは博物館として明確な形態があるわけではなく、さまざまなタイプのものが存在しうる。 発祥はフランスであることから、元々はフランス語の「エコミュゼ」であり、「エコミュージアム」というのはその英訳である。エコミュージアムは、日本においては、1995年頃新井重三等によって紹介された。なお、新井重三は翻訳する場合は「生活・環境博物館」とすべきとしている
■④エコミュージアムには、専門家のもの、特殊な文化を扱うという考え方はない。
対象~その地域の生活そのもの(現在は存在しないものの、記憶として残る文化遺産・ソフトも含む)
場所~フィールドを活用し、その地で保存。集めたり移したりするための箱物を新たに必要としない(移す場合はなるべく現状保全)点在しているものを「つなぐ」ことに意義がある。
主体~住民・地域外住民。学芸員という専門家が主役ではなく、地域住民が主役
利用~住民・地域外住民が訪れ、活用する。
■⑤エコミュージアムの取り組みが盛んなのは、中山間地域・田園地域である。 これらの地域にあるのは、民家、棚田、果樹園、背後の雑木林・竹林、小川、せせらぎ、水車・水車小屋、鎮守の森、そして山中に点在していた炭焼き小屋などである。いずれも、生活の手段たるものが大半であり、本来は相互の関連や周辺環境との関わりの中で存在してきたものであるが、これまでの博物館のあり方では、文脈を保ったままの収集は困難であった。こうした日常の生活の要素やその利用といった「場面」「シーン」を丸ごと見せるのが、エコミュージアムの考え方である。 丸ごと見せることで、地域住民がエコミュージアム活動に関わる契機となり、来訪者にとっても地域住民にとっても、生きた形での生活文化の学習が可能となる。
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