ハコベは郷愁の草です。
□はこべらの畑にうさぎを放ちけり 三澤福泉 俳句通信 199904
□鳥かごの鳥に差し出す花はこべ きくちきみえ やぶれ傘 201607
さてハコベ はこべら、「へら」はキノコを「くさびら」というのと同じとは思います。問題は、「はこ」!
なんじはなぜ「はこべ・はこべら」じゃ?
、、、、こんな時は、和泉晃一さんの「草木名のはなし」。
「ハコベの語源は、その白い花弁の数と形に着目した、ハクベラ(帛箆)の意であると私は考えている。「帛」は真っ白な絹布で、古く上質の布地とされたもの、「箆」はヘラ状の花びらをいう。」
和泉さんの見当がはずれていないなら、なんとも上品な命名です。
□ はこべらや村の名消える日の近き 間宮陽夫 馬醉木 200606
はこべらに 寒はもどれど 水の雪 世屋野蕪村