宮津エコツアー · 土竜・石竜・木竜

土竜・石竜・木竜

「唄うたい土間から庭へ土竜打ち   清水恵山」

謎だらけの句です
まず、「土竜」!なにどりゅうって?

この方のことかしら!

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「土竜打ち」って、このかたなにかよくないことなさったのかしら?

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「唄うたい」ってみせもののようにさらされているのならよほどのことなんでしようねぇ!

しかし、この方竜は竜でも石の竜、とんでもない見当はずれです、ヒントはこれ。

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これって、穴、モグラの穴でしょ、

ええ、土竜と書いてあるのはモグラと読むのです

えっえぇどどどどこここををを押したらそうよめるぅ?

読めませんでも読むのです!

土の中をいともかんたんに掘り進むパワーに感動し敬意を表したのでしょうか、

すごい想像力です。

モグラが「土竜」なら「木竜」のわしはなんとよむかねえ、と新たな参入者。

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、、、、入り交じってへんな話に発展します。

真相は「漢字表記「土竜」は、漢名でミミズを指す。 モグラがミミズを食すことから誤用され定着したとされる。」人騒がせな誤用です。

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また、打つとうたうと動詞が二つ、その動作の主体はだれで、目的はなに?

これについては大野城市広報ホームページに解説。

[季題] 土竜打(もぐらうち)
土竜が畑を荒すのを防ぐための一種の呪い。小正月の前夜に行われる子供の行事として各地に残る。
棒や束ねた藁で地面を叩いたり金盥を叩いたり土竜が嫌うとされる海鼠やその代用品の槌を引っ張って戸々を回ったりする。
子供たちは褒美として餅や菓子などをもらう。

子どもたちにこれほどまでにむごい目に遭わされるほど悪いことをする生き物なのかというと、

ミミズを食べる ヘビやフクロウや狐に食べられる

コピー (1) ~ yjimage[2]

(↑ネットで拝見 よく出会われましたねぇ!)

土を軟らかくして草の繁茂を助け 花は虫に蜜を提供する

そんなことですから、里山エコロジー生態系の重要な一員 なのです。

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では、なぜモグラはもぐらなのか?

但馬や丹後では、「うちの畑は、むくろが多いて困るわ。」 「こねえだから畑でむくろもちが走りまわっとって、困っとるんだわ。むくろもちはどねいしたら止まるんだいや。」といわれるむくろとかむくろもちがモグラのこと。むくろ・むくろもちとモグラ殿関係については、次の解説。

「土竜。 地中を掘り起こし土を持ち上げる行動から「穿(う)ぐるもち」が転じ「墳持ち(うごろもち)」と呼ばれ、ムグロモチ、ムグラモチ、モグラモチとなりモグラになったともいわれる。」

なんとも奥が深い生き物です。ちなみに土の中の彼らの王宮はこうなっているのだそうです。

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、、、、、東京メトロのならぬ里山メトロ。アリの一穴、といいますのにこれではたんぼのあぜも崩れるはずです。

ときどき見つける 死んだもぐらその原因説?穴掘り能力は?その能力を生かすことの可能性は?

まだ謎はあります。それはそれとして傾向としては、害獣 としての認識が強いですね。でも、いなくなったらどうかもう寂しいなんてものじゃないですね 畑 やれるかどうか、、、穴が開くというのは空気酸素柔らかく清潔に栄養も音が張りやすい 糞は肥料に感謝されこそすれ、うとまれるものではないはず。のにこの仕打ち、モグラからすれば、恩知らずものめといわれかねない。
もぐらと人との関係について人間はもぐらに恩がある、そういう認識の言葉を使う所はないのかをリサーチ、チェックするとあるじゃないですか。

、、、、、、
「鍋島泰氏『和具の方言』 三重県志摩市志摩町和具の医師・鍋島泰氏が平成2年(1990)から調査をはじめ、平成20年(2008)に刊行。全3巻、2268ページ、31025項目にわたる収集量は和具方言としては前人未踏のもの。しかも、ほぼすべての項目について根拠となった話者の会話文が付されており、高い資料性を有している。
(例)
よした【感動詞】1)有難う……[会話] 1)ヨシタ言うのは おおきん(有難う)有難う言うのを ヨシタ言うのなあ(です)。男の人らな(が)よお使うわな(よく使います)、漁師の人らな(が)ヨシタ言うてな、有難う御座居ます、今し(今)では言うのを、それを ヨシタエエ言うの(のです)。(以下略)
よしたええ 有難う 女性言葉 よした参照[会話] ヨシタエエ言うて、有難う言う事を ヨシタエエ言うて。おおきんえ(有難う)言う人も有るし(有ります)。よけもろて(沢山貰って)ヨシタエエ言うて。なんやかや(何彼)もろたり(貰ったり)してもろたり すると、礼言うのを 有難お言うのを ヨシタエエ言うて。仕事してもろて(もらって)こげん(こんなに)よけしてもろて(沢山してもらって)ヨシタエエ言うて。ヨシタ(よくした) うぐろ(土龍)よお(よく)持ってくれた言うて、畑の うぐろなでんぐりかえして(ひっくり返して)有ると 打つのん(畑耕すのに)やいこおて ええんてや(柔らかくてよいのです)うぐろな(もぐらが)持ったあた(後は)、そやもんで(それで)ヨシタ うぐろ よお持ってくれた言うて。そして(そうして)なんやかや人な(が)持ってしとると(して居ると)その時もうぐろん(に)例えて ヨシタ うぐろ、持ってくれて 言う時もあんね(有るのです)。」

、、、、、、
貴重なリポートです、もぐらくんも浮かばれるというものです。もぐらと人との関係、スズメと人間との関係ににていますね。

 

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