天橋立の根本、難波野の麓神社が神木としているのは、幹周5㍍をこすムクノキだ。
ムクノキの漢字表記は「椋の木」であることを確かめながら、この椋の字をあてるあるおじいさんを思い出した、椋平じいさんだ、
いま地元で椋平じいさんの「偉業」語るものはいない、椋平虹はトリックだ、。彼は余地予告葉書の投函日の消印と配達日を操作したのだ、そう結論づけられたからだ、
「椋平は鉛筆などを宛名書きに使用し、自分宛に毎週ないしもっと短い期間で定期的に葉書を出していた。そして、新聞などで大きな地震を知ると、その日付けの前日、前々日あたりの葉書を取り出してきて宛先を書き換え、自分で直接届けていたのだ。」と。
『椋平は虹を見たか――地震予知に捧げた人生 – オカルト・クロニクルokakuro.org』
それはそうとして、かれは、 「 1日3度、宮津港の決まった場所から、栗田半島の高峰を見つめ、様々なデータをノートに書き込んでゆく。虹が確認できたときは、児童用のセルロイド分度器で角度を測り、形を写し取る。椋平はこの作業をこの後、60年続ける事になる。」
そして、エジソンやアインシュタインからも注目の葉書を寄せられたという
西南から北東の方向に若狭湾に開く宮津湾は、秋から冬にかけて虹の名所になる。傾きかける太陽が若狭湾上の驟雨のスクリーンに描く虹は、何かのメッセージを伝えていると想像させるのを疑わない怪しさをもっている。
地震予告かもしれない、地震の余地が出来れば人がどんなに救われるだろう!
椋平少年はその怪しさに取り込まれたのかもしれない。
麓神社の椋の木から、椋平じいさんの声が聞こえる気がした、