推計棲息数令和元年現在約260万頭(北海道を含む)!
里山の仲間でありながら、里山の根本を脅かし、怪獣・物の怪と化した感のあるシカとは何者?
敵を知り己を知らば百戦危うからず、、、、、そこでシカの雑学!
◆近年では、「ニホンジカは南北2つのグループ-南日本グループ(九州および周辺島嶼個体群、四国西部、山口県)と北日本グループ(四国東部、兵庫県以東、北海道)-に分けられ、それぞれの祖先集団が大陸で分化した後に異なるルートで日本列島に入り、そして現在中国・四国地方で再合流していると考えられています」(立澤史郎「マゲシカの生息状況と保全上の課題」、日本鹿研究第12号)。
◆寿命は種類によっても変わってきますが、日本人に最も馴染み深いニホンジカであれば4年前後です。
高さ1.5mほどであれば助走なしでも飛び越えることができますし、危険が迫っている時などは3m近い幅で飛び跳ねるように逃げますよ。
◆奈良公園で飼育していた鹿の胃の中から、4kgにもなるビニールなどの異物が見つかったという悲しいニュースも報道されています。シカは何でも口にしてしまううえに、一度口にしたものを吐き出すのがとても難しい動物です。
◆鹿は「色盲」なので色を区別して認識することは出来ません
鹿は夜行性で目に反射板があって夜でも活動できます 普段は木の陰・茂みの中で仮眠しています 風通しの良い高台の松林で時々見かけます
◆本来薄明薄暮性の動物で 日の出前と日没直後の薄明るい時間帯に活動する動物です。
しかし、人間の行動に合わせて安全な活動時間帯(夜間)を変えた結果 です 松林など高台に見かけるのは他の動物の動きが見え、安心安全に行動が取れるためです
《鹿被害》
鹿による被害:シカによる被害は農産物や森林被害が大きく、農産物被害だけでも年間160億円程度で推移しています。
また、シカと車や電車などとの衝突による交通事故が増加しており、人身事故も大きな問題になっています。
さらに、森林の下層植生をシカが食べつくすため、集中豪雨の発生による山林崩壊が都市災害につながる恐れも大きくなっています。
対策
シカ被害対策:被害対策として、「個体数調整」、「被害防除」、「利活用」、「生息環境管理」「担い手育成」の5つを中心に全国で行われています。
このうち、もっと行われているのが柵などで囲う「被害防除」です。中には集落全体を作で囲ったり、住居を囲ったりしている地域も中山間地域を中心に見られます。また、柵は動物によって効果が異なるので、シカだけではなくイノシシやサル被害に悩む地域では3種類の柵を張っているところもあります。
鹿の撃退法
鹿の撃退法は、「音」「光」「忌避剤」「電気柵」「罠」の5種類!
この害獣の撃退法にはいくつか種類が存在するのですが、まず紹介するのは「光」による撃退法です。
近年の鹿は頭数の増加に伴い、夜行性になりつつあります。それに対処できるのが青色LEDライトです。
シカが通るとセンサーが反応し、突然光りだすのでシカは驚いてその場から逃げ出します。
ただし、畑の全てを照らせるわけではありませんので、他の方法と合わせて使用するのが効果的です。
次に紹介するのは「音」による撃退法です。
先ほどの光と同様に鹿がセンサーを通過することで、警報音が鳴る装置です。昔はサイレンやブザーのような音だけだったのですが、最近ではシカの天敵であるオオカミの鳴き声を発するタイプも販売されています。
「忌避剤」も鹿を撃退するうえで、一定の効果があります。
大型肉食獣の尿の臭いと同じ成分の商品や、唐辛子成分を利用したものが販売されています。
鹿が苦手な植物としてはシャクヤク、クリスマスローズ、キョウチクトウ、シャクナゲ、マリーゴールドなどです。
特にマリーゴールドやキョウチクトウは育成も簡単ですのでオススメです。
植物の種類によって開花時期が違いますので、上手くずらして植えていきましょう。
また、これらの植物には有毒なものもありますので、ペットを飼っている方は誤飲に十分お気を付け下さい。
逆にアジサイやパンジーは鹿の大好物ですので、植える際はお気を付け下さい。
この害獣への対処法として最後に紹介するのは木酢液です。
木酢液とは炭を作る過程で出た水蒸気を精製したもので、木の焦げた臭いがします。
使い方は簡単で木酢液に浸した布を2m間隔でお庭の周りに置いておくだけです。
雨が降ると効果が無くなることもありますので、ペットボトルなどを活用して濡れないようにしておきましょう。
それでも追い出せない場合は、罠の使用をおすすめします。一頭捕獲することにより、群れ全体を追い出す効果があります。
この害獣を撃退する方法で最後に紹介するのが「電気柵」です。
害獣対策をする際に、特定の動物だけに絞ってはお金がいくらあっても足りません。
そこで便利なのが電気柵。これを用いることにより、鹿だけでなくイノシシにも対処することが出来ます。
鹿はジャンプ力が高いので、柵の高さだけは十分お気を付け下さい。
「個体数調整」は鹿を殺処分することで、個体数を減らす取り組みで、冬季の狩猟期以外に、夏季も含めた有害鳥獣駆除を国や地方自治体の助成を受けて行うことです。 現在年間60万頭以上が捕獲されていますが、環境省の推計によると、令和元年現在なお約260万頭(北海道を含む)が棲息していると推計されています。
国は令和5年度までに152万頭までに減らす計画を立てています。
「担い手育成」は、近年のハンターの減少や高齢化への対策です。様々な施策が採られ、狩猟免許取得者は増加に転じていますが、実際に狩猟に従事する取得者が多くなっていないことが課題となっています。全日本鹿協会としても、行政や猟友会などと連携して、担い手育成に貢献していく予定です。
「利活用
① 肉
肉は高タンパク、低脂肪で鉄分に富み、西欧ではベニスン(venison)と呼ばれる高級肉です。脂肪には、オレイン酸などのオメガ3系列の不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。
鹿肉はなじみがないように思われますが、古代日本では鹿肉を猪肉とともに常食していたと言われます。肉のことを「シシ」と呼んでおり、それはイノシシ、カノシシ(鹿肉)のことと言われています。
オスは濃い茶色の体色へと変化します。また、発情期のオスの首周りにはタテガミが生えるという特徴もありますよ。
②若角
ニホンジカのオスの角は、毎年生え変わります。4月頃から伸び始め、8月までは袋角(幼角)と呼ばれる皮膚と産毛に包まれた柔らかい角です。鹿茸(ロクジョウ)はこの袋角を切り取って乾燥したもので、古くから漢方薬として利用されてきました。2000年前の中国の『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』にも収載されており、薬効としては強壮、強精、鎮痛があると言われています。
中国や台湾ではもっぱら鹿茸採取のための養鹿が行われ、産業として確立しています(中国については、「日本鹿研究」第6号、台湾については、同第8号を参照)。わが国におけるロクジョウの使用量は毎年3トン程度で、すべて輸入品で約8割は中国から、残りはニュージーランドがほとんどと見られています。
③皮皮は柔らかく、しかも強いという特性を持っています。鹿皮革は、セーム皮として車やメガネ拭きとしてなじみがありますが、カバンや靴、手袋などにも広く使われています。伝統的な革製品である甲州印伝は鹿の皮が使われています。
全日本鹿協会は「生息環境管理」として、シカなどが棲める森作りが最も重要と考え、森林・里山整備活動を続けています。
『具体的には、間伐や広葉樹の植林、シカ柵設置などによって、シカの餌が豊富で、土壌崩壊などを起こさないしっかりと根の張った森作りです。』
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シカを里山の祟り神にするな!
負けに不思議なし 勝ちに不思議あり、シカも物の怪になって人に祟りたくはない、はずなのです。