宮津エコツアー · 5月 2012

5月 2012

5月4日、5日に天橋立ガイドウォーク、柿渋塗り体験、上世屋ガイドウォークをお願いした大津の竹内です。

今回、これらの宮津エコツアーの体験メニューを申し込んだ理由は、息子に豊かな自然に触れさせるとともに、いろんな田舎体験をさせてやろうということでしたが、息子(小4)に限らず親にとってもエクセレントな体験でした。有難うございました。

天橋立は、あいにくの雨でしたが、ガイドの三宅さんからは、植物について丁寧な説明をしていただき、息子だけでなく親も引き込まれました。けれど、息子は、植物よりクラゲの方に興味があったようです(笑)。

柿渋塗りは、合力の家で、前野さんから優しくご指導いただき、親子3人とも上々の出来栄えの張り子を作ることができました。まだ、独特の臭いはとれませんが、大切にしたい貴重なお土産になりました。

上世屋ガイドウォークは、自分たちで訪ねただけでは絶対に味わえない、まさにガイドをお願いした値打ちを実感した貴重な体験でした。息子は、カエルやオタマジャクシ、ミズカマキリなどを捕まえることに大興奮でした。もともと生き物に興味があるほうですが、オタマジャクシをすくえたことは旅の一番の思い出だったようです。また、ガイドの安田さんのご配慮で、ブナの樹幹流や氷河期の生き残りというミツガシワなど超貴重な自然を案内していただき、これには親が感謝感激でした。まだまだ他にも、プチ田植え体験など印象に残るシーンはあるのですが、とても書き切れません。

最後になりましたが、安田さんのブログを拝見し、私たちのために大変なご準備をしていただいていたことを知りました。本当に有難うございました。多くの人にこの世屋の素晴らしさを知ってほしい反面、観光地化することによりこの自然が失われては本末転倒です。だから、私たち家族だけの秘密にしておきます(冗談ですよ)。また、宮津(世屋)を訪れたいと思います。今度は、森林ウォークや農体験がいいかなぁ。けど、息子は、オタマジャクシや昆虫捕りだろうな。

2012,5,7
マメサクラはとっくに。続いて、里桜を送り、さらに山桜も送り、今年の桜は終わったと思っていたら、岳山麓付近の林道で、まだ咲いている桜に出会いました。

ウム!ブナの葉も濃くなっている。トチも朴もはりぎりも大きな葉を揺らせている。ウグイスはしきりにさえずり、尾根からはボーボーと鳴く声も。

5月の山に咲く桜といえば?成相林道の茗荷谷付近にも。合わせて四本。いずれも木は小ぶり。「カスミザクラは北海道中部から九州に分布する落葉高木(四国・九州では少ない)。和名は「霞桜」。花はソメイヨシノより1週間から2週間ほど遅く、新緑の初め頃に花が咲き、早春の山に点々と咲く姿は霞桜の名にふさわしい。」状況は、限りなく「カスミサクラ」。


まもなく田植えを迎える世屋の里では、この花が田植え桜のようです。

 

北の植物 近畿ではここだけ、君だけ。自然界の掟は厳しい。なぜ君がここにいるのか。リンゴのように人に育てられれば、虫達の餌食になることも少ないだろうに! 4月26日からここまで育ちました。

天橋立磯清水裏5メートルのタブノキ 4月23日の蕾から花が終り、果実へ向けて一生懸命に生長しています。

めずらしく横に伸びた黒松の新芽と赤紫色の見事さを収めました。この毬果は来年の秋 成熟し、晴れた日に鱗片を開いて片側の翼が付いた種子を飛ばします。

天橋立のハマナスの花が咲き始めました。花には芳香があり、香水の原料にも利用。果実は秋に赤く熟し、ビタミンCが多く含まれるため、エキスがのど飴にも使用されています。群生地としても有名な天橋立のハマナスは、これからが見頃です。

アジアのモンスーン気候が育む命
~世屋の田圃のカエルたち~
2012,5,6
初夏の太陽がまぶしい真っ昼間から恋の争奪戦を繰り広げるトノサマガエルの開けっぴろげさ、さすがに殿様。さて、世屋の田圃は、とのさまがえる以外にも、ヤマアカガエルやもりあおがえるやしゅれーげるあおがえる、あまがえるなどが利用しています。そして、それぞれ、異なる産卵時期や産卵方法をもっています。
一番に産卵するのが、ヤマアカガエル。雪解けを促す湿った南風の吹く日に田圃に現れて産卵します。争奪戦の活発さに比べて、メスを招く鳴き声はか細く、優しい草笛のよう。卵塊は始め、キャビアのような黒い粒の入ったゼリー状のものがやがてゆるんで広がっていきます。5月ごろにいるオタマジャクシは、ヤマアカガエルのおたまです。
5月の連休ころから、モリアオカエルやシュレーゲルアオカエルが産卵します。このカエルたちは、とのさまやヤマアカたちのように、直接田圃の水の中に産卵はしません。土手に掘った穴や、水面に張り出した枝先に泡のような卵塊を生み付けます。
恋の争奪戦を見ようと思えば、5月の中旬、晴から雨に変わる日の夕方から、明け方をねらうことです。ほぼ当たります。気圧や湿度に反応するのでしょう。とくに、もりあおがえるの多い林に囲まれた山の池では、林の歌やサテライトオス、木の枝を飛び回るオスたちの様子が観察できます。(※筆者おすすめスポット・京丹後市網野町仲禅寺あず谷の池)

彼らが産卵すれば、まもなく梅雨入り。泡の塊の外は乾いてシュークリームのようになっていますが、殻の中はとろとろ、卵はオタマジャクシにかえります。兄弟たちは、500匹程度。その皮を解かすのが梅雨の雨。一気に水へと送り出してくれます。アジアのモンスーン気候が育む命です。今年は、もう産卵しています。梅雨が早いのかもしれません。

 

ちなみに、せやにはその他、渓流に産卵するカジカカエル 山の水溜まりに産卵するあずまヒキガエル(この争奪戦にIさん、駒倉峠付近の沼で4月中旬に遭遇し撮影したとのこと)、水のしみだす崖などに産卵するタゴカエルたちが棲息しています。

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トノサマガエル、素手で捕まえたらニュースだよ!

2012,5,6

宮津小の三年生、今回、大津の四年生の男の子の里山ガイドで、彼らが反応したのは生き物、一番はカエルやオタマジャクシ。

合唱団ネタもよかったのですが、中には、カエル博士がいるかも。リサーチをしっかりしておく必要を感じました。あらためて整理しておきます。とりあえず、そのトノサマガエルバージョン。

① 人とカエルの関係
平野部から低山にかけての池、水田付近に生息するカエルは、稲や野菜を荒らすこともなく、肉食で稲を食べる昆虫などを食べる有益な生き物であること。
②大きさ
トノサマガエルのオスの体長は55~80ミリ。
メスの方が一回り大きく体長は60~80ミリ。
③雄雌の見分け
体色で見分ける。オスの基本色は黄緑色で背中の中央に一本の緑色か黄色の縦じまを持ち、繁殖期には黄金色になることもある。
メスの基本色は白色・灰暗色で、背中の縦じまは白色で太い。

 

④学名の由来
雌雄とも、背中に黒斑点が分布し、学名のRana nigromaculataは、「黒い斑点を持つカエル」
⑤産卵
4月~6月頃。この時期になるとオスは水を張った水田やその周辺の池などの浅い水場などに集まり、夜間、両頬にある鳴嚢を風船のように膨らませ、水面に浮きながら「グルルル、グルルル、ゲゲゲー」と水面で大きな声で鳴く。
この鳴き声に、メスが誘われてよってくる。メスが接近すると、オスはメスの背中に抱きついて抱接(ほうせつというのは、体外受精)する。メスは抱接したまま、なわばりから移動し、やがて産卵・放精をおこなう。
また、オスの鳴き声は、他のオスに対するなわばり宣言の意味もある。
縄張りの広さは、1・6平方メートルほどという観察がある。鳴いているオスは自分の周囲の直径1-2mほどに他のオスが侵入すると激しく鳴き、さらに接近した場合には、跳びかかって追い払う。ただしなわばりは繁殖期だけの一時的なもの。

⑥生育
直径20センチにも達する卵塊には、2千から4千もの卵を内包している。(3000人の兄弟がいる。すごいね。おかあさん、名前を考えるのたいへんだ。みんな呼んだら、1日かかる。多産生き残り戦略ネタギャグ ※ 「オタマジャクシの101ちゃん」みたいという子がいたらブラボーと褒めてあげる。なければ一読をすすめる!)孵化したオタマジャクシは水中のやわらかい植物、落ち葉、珪藻、動物の死体などを食べ、体長7センチ位まで成長し、その年の秋までには変態して上陸する。変態してからはおもに生きている昆虫類、クモ等を食べるが、貪欲で、口に入る大きさであれば、小型のカエル、ヘビなども捕食する。野外での寿命は3-4年。

⑦生育に必要な環境
このような生活環を完了するためには、排水不良で中干しができない、あるいはオタマジャクシの成長途上に水田の水を落としても、水田周囲の溝に避難できるような水田が必要です。環境の目安になる指標生物として京都府は、要注目種に指定しています。
⑧ダメ押し
動作は非常に敏捷だから、ちょっとやソットでは捕まえられないよ!、道具なしで捕まえたら新聞に載るぐらいのニュースだよ!

さて、楓かえでは新芽をカエルの指先に見立てたことから、。では、どうしてカエルはかえるっていうの?ごもっともなご質問、どうお答えしましょうか?

 

「ただいまぁって入ってごらん」
~里のほっこりウオーク~
2012.5.5
5月5日。立夏にふさわしい快晴。シャワーを二日間浴びた山野は、まぶしいほどのみずみずしさ。昨日予定の里ウオーク!今日に振り替えて大正解。

さて、その里ウオーク!しおぎり荘出発9;00~10;30まで90分で。
お題は「小4の男の子の体験」。せやはどう受けることができるか。三つの柱で、イメージ作り。日置で田植え中の方にお願いして、苗を一握り準備する。今日の隠し球。

1 氷河時代の生き残り観察
湿原のミツガシワ
2 おじいちゃんのお家探検
合力の家で囲炉裏燃やし タカのぼり
3 田圃の命探検
おたまじゃくし 田植え体験
ちなみに10;30に弁当が「自給自足」から届く予定。
という計画でスタート。
みつがしわのところでは、
・尾瀬沼や東北・北海道などの寒冷な湿地帯では普通に見られるが、京都のような暖かな地域に自生しているのはたいへん珍しいこと
・寒冷な時期(氷期)と温暖な時期(間氷期)とが十万年周期で繰り返し、その変動に合わせて植物も移動し、寒冷な気候で育つ植物は山の間の池や湿地にわずかに残っていることなど。反応がよい。順調!

次に「合力の家」。「ただいまあって入ってごらん」。暮らしの民具が整理してある三階のタカに上がらせてもらう。牛の鞍、草鞋、たぞりなど興味津々の様子。
そして、田圃へ。さっそくカエルの鳴き声に反応。ここで、カエル合唱団ネタ。男性か、女性か、混成か。「男性だと思います。」賢い!どうして?メスを呼ぶため。グー。ここでガイドは、もう一つあるんだよ、おすどうしの縄張り。苗を田圃にさしてもらってささやかな田植え体験。のぞき込んだ水の中には、ミズカマキリ。動くものを見つけたお母さん。「これこれなに?」。どじょうだよと子どもさん。「これがどじょう!初めて見た。」うじゃうじゃのオタマジャクシ。「さわっていい?」いいよ、「どくはない?」洗えば大丈夫。「とっていい!」とっていいよ。「とれない!」みるとつまんでいる・「すくうんだよ」とお父さん。「とれたー!」ガイドは、ここで「このオタマジャクシは、やまあかがえるというカエルのおたましゃくしなんだよ」。


そんなたのしそうな様子をみてなのか、せやの田圃はとんでもないもの見せて歓迎してくれた。すぐいうのは、もったいなすぎる、悪いですが、もったいぶって聞きます。なんだと思います?ヘビの登場、ブー ヘビがカエルを襲った、ぶー!
カエル合戦!!Iさんが代掻きをして水を張った田圃いっぱいに繰り広げられているトノサマガエルのカエル合戦です。両方の鳴嚢を膨らませて鳴く様子、それを聞きつけて集まるメス。そのメスに飛びつくオス。そのオスからメスを奪おうとするオス。お客さんを忘れて、命のドラマを堪能しました。

「自給自足」さんのお弁当、素朴で質素で実は手の込んだ中身の濃さ。里ウオークの雰囲気にぴったり。橋立テーブルで里をみながらのお昼タイム。

大津のTさんファミリー、橋立ウオーク。柿渋塗り、里のウオーク、家族単位だからできるほっこりウオーク、宮津のエコツーのご利用ありがとうございました。せやのエコツーリズムも、一歩先に進められる!かな。ちょっと自信が持てました。予算でいえば、橋立ウオーク¥2000、柿渋塗り¥1500×3、里のウオーク¥2500、世屋の里弁当¥1000×3。しめて12,000円。いかがだったでしょうか。
そんな様子を田圃から、みまもっていてくださっていたIさん、合力の会の全面的なご協力をいただきました。

雨の橋立・水の世屋
2012,5,4
早朝来、しきりに雨だれの音。うーむ!
まず、チェック。田植えはやれるのかどうか。
Nさんに連絡。山の天候と田植えの予定を問い合わせる。「ガスがかかっている、植えるか植えないか迷っている、午後の天候を見て判断する」とのこと。

(↑世屋川 日置)

問題は子どもの健康。風邪をひかしてはいけない。天気予報の午後からの曇りマークにわずかな期待。しかし、おそらくアウト。それでも、判断は自分の目で。松尾に向かう。
アウトの時の代替案を考える。
1 柿渋塗りとウオークの入れ替え。ただし担当のMさんの都合次第。
2 海星公園へ ファミリー対象の連休特別メニューがある
3 ウオーク強行
4 その他
Mさんと連絡。都合はつけられるとのこと。お客さんと連絡。意向は、入れ替えられるなら入れ替えて世屋。
松尾に着く。雨風ともに強い。田植え体験は無理。代替案1でいくことで最終決定。
橋立ウオークのAさんから連絡がはいる。鼻声。「顔にかかる滴をふく間もない」
「あめのはしだてウオークだ。」
それにしても、今年のツアーは先日の写真クラブのように、どうも、雨廻りにあたる。
「写真クラブは、風以外雨でも霧でもかえってよろしいということだったが、今日は小4の男の子と若い両親。テンションが下がっているのは、お客さん。さて、、、」ぶつぶつ思いながら、滝の上にかかったその時、大ブナに呼び止められた。『私のところにつれてきなさい!』
「?!」ブナを見る。幹に川。「そうか、樹幹流!」
大ブナがうなづいた。

(↑大ブナの幹)

「雨の世屋じゃなく、水の世屋ということやね。」
大ブナがもう一度うなづいた。
『ここだけ・いまだけ・あなただけ』
雨の世屋なら、いくところはないけれど、水の世屋なら見どころ満載だ。
よっしゃあ!!指を鳴らして、お客を迎えに下りた。
ちなみに、午後の動き。合流 日置バス停→下世屋旧道→龍渓橋→おにぐるみの花→おおぶな・樹幹流→合力の家・柿渋塗り。

(↑ 龍渓谷 ・ ↓ 柿渋塗り体験)

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