宮津エコツアー · 世屋は天然薬草植物園!

世屋は天然薬草植物園!

2012/10/30

世屋の里で薬草として利用されてきた身近に手に入る植物が13種類、『上世屋 緑へのいざない』に次のようにまとめられています。

①ドクダミ(ダメ)やゲンノショウコ(セキリクサ)は、 血の道に良いと地上部を煎じて飲んだ。
②センブリは、血の道に良いとして全草(ねだらけ)を陰干しにし、茶碗にいれて湯をさして飲んだ。今は草刈り場がなくなり、あまり見られない。
③クロバナヒキオコシ(オノハ) は、胃薬、血の道の薬とされ、刈り取って陰干しにし、煎じたり、粉末にして飲んだ。
④柿のへた は煎じて飲むと頑固なしゃっくりがすぐに止まる。これは、つるし柿を食べても同様の効果が得られる。まだ、酒を飲む前につるし柿を食べて置くと悪酔い、二日酔いなどをしない
⑤オオバコ(ツチバコ)は高熱時の解熱にいいと、全草干して、煎じて飲んだ
⑥ヒメアオキ は、刺がささったときに、葉を塩に入れて煮だし,その煮汁を野刺さって傷口に塗った。すると、刺が数日で皮膚の表面に出てきてとれ、傷の治りも早い
⑦マタタビ は、尿のでがよくなるといって、虫こぶになった果実を煎じて飲んだ。
⑧ユキノシタ は、利尿のほか、子どもの耳が痛いとき塩でもんで青汁を耳の中へ入れてやると痛みが取れる
⑨ヨモギ は、胃薬として、煎じて飲んだ。泌尿器系の病気には、腰湯にしてあたたまってよかった。農作業時に手指を切ったときなどヨモギの葉をモンで傷口につれるとすぐ血が止まった。
⑩サンショウ は,煎じて腹薬。回虫駆除に樹皮を煎じて飲んだ
⑪スイセン は、ねんざのの湿布、熱取りに、球根をすり下ろし、メリケン粉と酢を加えて練ったものを患部に貼り付けた。
⑫ウツボグサ 婦人病にいいとして、煎じて飲んだ
⑬サルトリイバラ は、歯が丈夫になるとして、子どもの箸にした

日本の里がつたえる医薬文化の一端です。さて、クサは人間のために有用成分を蓄えている!まさか、そんなことはありません。
自らを守り、子孫を残し、敵と戦うためにいわゆる薬用成分を含む必要があったわけで、いわばそれは、動かぬクサの武器。その不思議に眼をつけたところが人間の人間たるゆえん。

その薬草をテーマにした今回の観察会も二幕構成。

まず一幕で、小笠原先生に、薬草栽培に携わってこられた経験をもとにお話しいただいたことは、まさにそこ、

植物の成分の正体を突き止め人間の体に合うように調整する方法を研究し、管理する体系を作り上げてきた人間の歴史。
そして、二幕、野外観察。

草に埋もれた里は、天然薬草植物園!

「これは、アマチャヅルですよ」「えーこんなとこに」

「いまではここしかみられません、丁寧な仕事されるお百姓がおられるんですね。」

「薬草観察?これもっていけ」とSさん。「今朝とったんだ、なったらへんわしも味噌汁でくったけどぴんぴんしとる!」

いただいたのは、スギヒラタケ。

銚子の滝では、大文字草がもてなしてくれました。

なんでも、テレビの園芸講座が取り上げていたんですって。大文字草に興味をもっていたので、それを現地で見られて感激!というお客さんがおられました。
午後は、オプション。

生き物と人間と植物が関わり合って形作っている命の世界、広葉樹の天然プロムナードウオーク!

梢のクマ棚、林の縁のジョロウグモ、足下いっばいのミズナラドングリ等が迎えてくれて、

すっきり整ったブナ純林、

木の間越に天の橋立、

世屋の里の棚田群、

太鼓山の風車等を見せてもらえました。
世屋の里に、たっぷりしっとりゆったりしっかり「秋」を楽しませてもらった一日でした。

ちなみに今回のお客さん、京丹後、与謝野町、伊根町、宮津市、遠くは舞鶴から、新聞掲載のイベント案内を見て、ということでした。

 

 

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