2012/10/31
地名語源は大切です。地域に住む人のアイディンティ、プライドにつながってもいるからです。 では、地名「せや」は何に語源をもっているのか。
瀨谷と書く地名もあります、狭い谷、狭谷だという人もいます。
せやの谷が狭いからとするなら、山国日本は、「せや」だらけになってしまう!地形語源には説得力がない、とおもって以来、ぐじぐじと考えています。
世屋と書きます、世野とも書きます。漢字は問題ではありません、「せや」という音が問題です。最近思っているのは、「せ」は「背」。、右とか左とか上とか下とかいうように、前に対して後ろではないかという位置語源。 溝尻、江尻などの地名が近くにあります。尻とは、最後、おしまいの部分という位置を示す言葉です。せやのせは、背、つまり後ろという意味だととってもいいのではないかということです。小字には、△△の上とか下とか前とかいうのはざら。
では何に対して後ろか、それが問題。大内峠から見たときは、丹後の国府が基準と思いました。まてよ、と思う気持ちもあります。
そう思わせるのはこの三角のとがった山です。
この山の麓に古い有名な神社があります。
真名井神社。
山に向かって鳥居が立ちます。
そのそばに神体山と記された石柱が立ちます。
三角のとがった山は神のおわす場所、つまり神奈備の山です。
「せや」の里は、この山の背後にあります。真名井神社のご神体、神奈備の山の背後の神が隠れ籠られる神聖な里、ということになります。この里を名付けるときにこの事情は、有力な根拠になりえます。
真名井神社の背後の神が隠れ籠られる神聖な山の里、さらに略して「背後の山里」、さらに略して「背の山」「背山」そして、こういう理由で「せやとしたい」、と提案されたから、駒倉や木子等も含めた里の皆さんも、納得したのだと。そう理解すれば、世屋の里と天の橋立の海は真名井神社等を介して一体のもの、といえます。
最近、そんな話をすれば、「ロマンがある」と笑う友人もちょこちょこ、なので、あらためて、、、。