宮津エコツアー · アザミの花

アザミの花

2013/02/26

アザミの花は、一つ一つ雌しべを雄しべが包んでいて、一本一本に管を突っ込めるチョウに対応した花です、と紹介するのがスタンダード。

このアザミ、民話として伝承されてもいます。民衆は、この植物のどの特徴に着目したのか、「針」です。
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あざみ、嫁さんが、あの、アザミの花見て、その花をたとえていうたでひょうきゃあな。

しゅうとばさんや アザミの花は
見ればいろいろ そやいてえ

言うて。見たたかっこうは姑さんちゅうもんもけっこうおとなしげにしてな、あんじょう言うとるけえど、 あんた、やっぱし心の中は、まあ、つりゃあいうことでしょで、そういうていぬるときにいいましたげな。「姑婆さんやアザミの花は」言うて、アザミいう針のきれえな花がありますわな。あれにたとえて言うたらしいです。
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ばあさんどうしが、きいつけなれよ、きづかんかんこともあるだでといさめたり、わかよめさんどうしが、うちもそうだあなあ、と盛り上がってみたりと、アザミも暮らしのコミュニケーションを深めてきたのでしょう。


丹後の民話が調査蒐集され、後世に残されたのはひとえに細見正三郎さんがおられてこそ。この「アザミの花」話しもそのひとつ。「丹後町岩木の道家ひさえさんから、聞き取られたものです。

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